どちらも自分で全て運用するわけではなく、運用を委託するという意味では似ている両者であり、どちらが良いのかなと思う方に私見を記します。
投資信託かETF、運用コスト面でどちらが良いか?選ぶ際の注意点
結論から申し上げますと、「投資信託は悪質なものも含めてやや玉石混交、ETFは米国株に限ると保有コスト低く、整備されているといった印象」という感じでしょうか。
そもそもETFは日本語で「上場投資信託」と呼ばれることからもわかる通り、インデックス型の投資信託を、証券取引所で売買できるようにした金融商品であり、保有コストが投信より低いことが特徴です。
投資信託とETFの選ぶ際の主な注意点は以下の通りですが、やはり共通して手数料はしっかりチェックせねばなりません。
長期投資では「毎年かかる信託報酬」は定常的にパフォーマンスに影響を与えやすいからです。
- 売買手数料(販売手数料・信託財産留保額)
- 信託報酬
- ベンチマーク(インデックス)との乖離
- トータルリターン
- 信託報酬(米ETFは軒並み安い)
- トータルリターン
投資信託は、楽天VTI・楽天VYMなどのようにオススメできるような商品もあれば、MSグローバル・プレミアム株式やサムライバリューのようにオススメできないものもあり、まさに玉石混交といった状態です。
具体的には、やはり売買手数料や信託報酬が非常に高いものや、ベンチマーク・インデックスに過去リターンが大きく劣後しているものも日本では多く販売されているため、勧められない商品も一定数あるということです。
実際に読者の方からご相談があり、分析した投信は以下の通り。投信を見る際の具体的な注意点を記載していますのでご参考に供します。
投資はシンプルで良い
ETFは、特に米資産運用会社(ブラックロックやバンガード)の組成するETFは、信託報酬は軒並み低く、0.1%以下が主流になっていると言っても良い程です。
売買手数料もネット証券などでかかる費用のみです。2018年には、米フィディリティは信託報酬ゼロの商品も発売したほどです。
ETFは比較的明瞭か
玉石混交の投資信託とは対照的に、米資産運用会社の組成したものを中心にETFは非常に整備されているといった印象を受けます。
対象投資国の区分けもメジャーなものでは、株式・債券・REIT(グローバル・地域・先進国・後進国・個別国)などと分類でき、明瞭な区分けが可能です。
更に、インデックス連動・高配当株中心といったものは特にコンセプトも運用手法もシンプルでわかりやすい。
複雑な金融商品にはご用心
投資信託には、モノによっては
- 為替ヘッジをつけたり、
- レバレッジを利かせたり、
- 先物の売りを織り交ぜたり
という投資手法が組入れられていることもあります。ただ、個人的には投資はシンプルで良いと思っています。
商品の仕組みやコンセプトに至るまで多様に分析する意欲・時間・知識があるなら別ですが、複雑な金融商品は、結局何が行われているのかブラックボックス化してしまい、投資家・受益者もよくわからないまま基準価額だけを眺めることになりかねません。
実際に詳しく把握するとなると、月報をある程度読み込む必要もあります。そこまで時間をかけて詳細をチェックするならば、時間対効果という意味でも、インデックス連動型で十分です。
為替ヘッジは値動きをマイルドにするが、コストも相応に発生
更に手数料の観点からも言いますと、例えば為替ヘッジにはヘッジコストもかかります。ドル円のヘッジの場合、米ドルと日本円の短期金利差分が余計にコストとして発生します。
利上げ等により米ドルの短期金利が上昇したり、米ドルを調達しづらくなると、ヘッジコストが急騰することもあります。実際に2018年5月に起きました。
まとめ
ということで、まとめます。
投資信託・ETFのまとめ
- 個人的には投資はシンプルで良く、シンプルなETFや投信を勧める
- 金融商品は複雑になるとブラックボックス化・理解に相応の時間や知識が必要になる・追加コスト発生等リスクあり
- ETFも投信も良い商品はある。投信はやや玉石混交感は否めず。いずれにしても手数料やリターンなどチェック必要。
ETFも投信も基本的に手数料などのコスト面はやはりチェックしておく必要があります。また、どういった商品なのかは自身で把握しておくべきでしょう。
あとは時間をかけて投資をすること自体が好きなのか、そうでないなら時間のかからないインデックス投資が好適ですし、この辺りはどうしても個々人の嗜好が関係してきますね。
Best wishes to everyone!
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個人的には米国高配当株ETFを推します。配当にこだわるかは意見が分かれるところかもしれませんが、不労所得の可視化に繋がるので、早期FIREに適しました。
MSグローバル・プレミアム株式という投資信託を分析したものです。投信のどこを見れば良いのか具体的にご参考になると思います。投資信託が玉石混交感がある典型例と言えます。
みのりの投信という投資信託を分析したものです。コンセプト自体は素敵ですが、パフォーマンスはどうしても見劣りします。