中期経営計画から理論株価を算出する方法

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ヒノキヤGが中期経営計画を発表(2018年4月)

保有株のヒノキヤグループ(1413)が新中計(=新中期経営計画)を発表しました。

期間は直近の2017年12月期から2022年12月期までの目標、つまり5ヵ年中期計画です。

期間:2017年12月期 ⇒ 2022年12月期
目標:売上高2倍・営業利益2.4倍・純利益2.6倍

5年後の純利益を2.6倍とする非常に野心的な目標を掲げています。

同社のこれまでの実績を見る限り、本当に達成してしまいそうな気にさせてくれます。

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それでは早速ヒノキヤグループの新中計の内容である以下3点と、不動産セクターの加重平均PERを確認した上で、EPS(1株当たりの純利益)にPERを乗じてヒノキヤグループを例に理論株価を算出してみましょう。

  1. 2022年12月期の主要収益目標
  2. 2022年12月期の売上目標
  3. 2022年12月期の利益目標

2022年12月期の主要収益目標

同社は元々ROEが直近実績でも21.1%と高水準ですが、更に25%まで引き上げることを目標に。

配当性向は現状と変わらず30%以上としています。

配当性向が30%でも長らく高配当を保っていましたから、いかに割安に放置されていたかの証左とも言えます。

2022年12月期 売上目標

既存ビジネスの成長も見込みつつ、M&Aによる新規事業、海外事業の拡大が目を引きます。

同社はこれまでもM&Aを通じて成長を実現しています。それを更に加速させようという意図と理解しました。

2022年12月期 利益目標

経常利益は2.4倍、純利益は2.6倍を目指すとしています。

株価=EPS × PER

同目標を達成し、且つPERが一定のケースにおいては、純利益が2.6倍になれば、(増資などによる株数増加による1株価値の希薄化がない限り)1株あたりの純利益であるEPSも2.6倍になります。

ということは、株価も上式に則ってそのまま2.6倍になるということです。

不動産セクターの平均PERをチェック!

2018年4月5日時点におけるヒノキヤグループのPERは13.02です。

それでは同社の指標が他の不動産業の銘柄と比べて高いのか低いのかチェックすべく、不動産セクターの直近平均PERをチェックしてみましょう。

すると、2018年4月4日終値時点で、上図赤枠で囲った部分 15.32と判明します。

東証1部 不動産セクターの過去PER推移

更に、一応不動産セクターのPERの推移(過去2年間)を見てみましょう。

日本取引所のその他統計資料というページで業種別のPER・PBRが確認できます。月毎にシコシコとデータを抽出してみました。

データ元:日本取引所グループ

過去2年間の不動産セクターの加重平均PERは、概ね15~22倍の間で推移しているようですね。ということは、足元のセクター平均PERは過去2年間においては割高ではないようです。

ヒノキヤグループのPERは先述の通り13.02ですから、前述の直近同業種平均PERと比べると20%ほど割安と見ることも出来そうですね。

ということで、少なくとも同業種と比べて、ヒノキヤグループがPERという指標において割高ではなさそうということがわかりました。

ということで、今のPERが同業種より極端に高いと理論株価が高く出てしまう懸念がありますが、同業種より低いということが判明したので、現在のPERを一定として理論株価を算出してみても、一定の妥当性はありそうです。

株価=EPS × PER

ということで、直近のPERを使ってもそこまで高い理論株価が出ないだろうということで、中段で述べた上式の通り、中計通りに5年後の業績目標を達成する前提であれば、5年後の株価は直近株価の2.6倍まで上昇する余地が出てきます。

ヒノキヤグループの理論株価(5年後)

ということで、足下の株価は3,940円ですから、それに2.6を乗じると、10,244円という5年後の参考値となる理論株価が算出できました。

ヒノキヤグループの理論株価(直近)

ちなみに、足元の理論株価は、予想EPS302円に不動産セクター平均直近PERの15.32を乗じると、4,626円という値が算出されます。

ただ、あくまで数値上のものですし、商品市況に左右されやすい商社やバルチック海運指数などに代表される運賃市況に左右される海運各社と同様に、不動産セクターは不動産市況にも左右されますから、EPSもPERもブレやすい傾向にあります。

売り時は悩ましいかもしれませんが、あくまでPER上は未だ割安の部類ではあるということですね。

出所:国土交通省

上図で示した通り日本の新設住宅着工件数推移を見てみると、確実に縮小傾向にあり、今後もマクロ的には市場の減少傾向は明らかでしょう。

しかし同社には子会社の日本アクアの断熱技術の強みに加え、温度管理手法のZ空調、高品質・低価格を謳う好感の持てる経営理念など魅力的な銘柄だと思ってます。

更に従前のM&Aは成功してきたことから、今後のM&Aにも期待を抱かせます。

いずれにしましても、私はあくまでも配当金をKPIとしていますので、基本的にホールドする予定です。

Best wishes to everyone!

日本株の中では太陽光発電のインフラファンドも注目・投資してます。

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公開日:2018年4月5日