財政難になると貨幣価値が落ちてきた歴史(三菱UFJ名古屋「貨幣と浮世絵ミュージアム」)
本記事の要旨は以下のようにまとめられます。
- 古代から江戸・近世・近代に至るまで、財政難のたびに貨幣の金銀含有量を減らしたり、戦費調達のために貨幣乱発によって貨幣価値が落ちてきた歴史がある
- 現代においても、紙幣乱発のちインフレ(貨幣価値の下落)が今まさに起きいる
以下写真は、すべて三菱UFJ銀行 名古屋中央支店内「貨幣・浮世絵ミュージアム」で許可を得て撮影したものです。

三菱UFJ銀行 名古屋中央支店(@伏見)

エンチョランス

国内産の銅が不足したことや国家の財政難から、銭貨は新しく発行されるたびに質が落ち、民の信用を失います。
古代から財政難による改鋳とインフレ(貨幣価値の劣化)があったと。日本にかぎらず古代西洋でも確認されており、「インフレは古今東西にあってきた」ということですね。

江戸中期を過ぎると、経済の発達でお金がさらに必要になったことや幕府の財政難から、金銀の品位や重さを変える改鋳が度々行われました。
ローマ帝国と同じですね。同国は、アウレウス金貨やデナリウス銀貨において、金銀の含有量を減らす改鋳がされ、のちに衰亡しています。

幕府は財政危機を打開するため、元禄8年(1695)に「元禄の改鋳」を行い、「慶長小判」の純金含有量を3分の2に減らした「元禄小判」をつくった。
財政難になると、だいたい帳尻を合わせる改鋳がなされますね。日銀文学に通ずるものがあると言えるでしょうか。

西南戦争が起こると、戦費調達のため大量の紙幣が発行されて価値が下落し、政府は紙幣の発行数を減らしました。
現代もリーマンショック以降、紙幣が大量に発行され続け、「もう起こらないのではないか」と言われたインフレが起きています。
戦争が激しくなると、戦地での物資調達や兵士の給与の支払いなどを賄うために、日本銀行とは別に政府発行の軍事用の紙幣も発行されました。
米国では昨今、金利上昇抑制のため、米財務省みずから米国債を買い戻しています。

通貨は増発され物価は高騰した。
ドイツでは金貨との兌換を求めるベルリン市民が銀行に殺到したため金との兌換を停止し、ヨーロッパ諸国もこれにならった。

大正時代にも改鋳がおこなわれたと。

戦争が終わると、国内の物資が少なくなっていくのにお金だけが増え、お金の価値が暴落してしまいます。そのため、お金の単位を引き上げ、新しいお金が発行されました。
まとめ
以上、インフレは古今東西を問わずあってきたことを認識させられよう内容かと思います。
日本円は、米ドルやユーロに対し5年で4割ほど価値が落ちています。
最近は米財政懸念のある米ドルも年初来で1割(ドルインデックス基準)下げています。
帝国が衰退する際には、基軸通貨の地位喪失、貨幣価値の下落といった現象も同時にみられる傾向があります。
繰り返しながらインフレヘッジにはゴールド(金)への分散が一策かと思います。
参考:【314A】iシェアーズ ゴールドETF より【1540】がよいと思う理由
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