「SBI・V・米国REITファンド(年4回決算型)」についてのご質問への回答

このようなご質問をいただいています。
穂高さま
本日はありがとうございました!!
早速毎日積立の設定をしております笑
ご助言いただきましたものでポートフォリオを組み、配当の決算月をまとめると以下のようになりました。
- 欧州高配当、SCHD
3.6.9.12 - 日本高配当
1.4.7.10 - 全世界高配当、j-reit、 ネクストフロンティア
2.5.8.11
1.4.7.10月が少ないのでもう一ついいファンドはないか探していたところ、SBI V 米国REITファンドというものを見つけました。
こちらを組み入れるのはありでしょうか?手数料や増配の可能性も今後あるのかなど、どう思われますでしょうか?
また、他に代替案などございますでしょうか?是非ともアドバイスいただきたいです。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
「米国REITについてありかなしか」ということですが、分散先の一案にはなるかと思います。
手数料は最安水準
今後の増配は市況やファンド運用の巧拙等にも影響されますが、少なくともQYLDのようなオプションを用いた複雑な設計ではなく、不動産市況に応じた分配金が期待しやすいものと思います。
SBIホールディングス会長以下、株主総会で「ユーザー第一主義」を明確に標榜。手数料優先主義であってきた証券会社とは一線を画す印象を受けます。
数年前までは、米国リートに投資するには【IYR】という経費率0.42%のものが主要な選択肢のひとつでした。
ところが「SBI・V・米国REITファンド(年4回決算型)」は国内最低水準の0.23%ですから、さすがSBIはいい商品を出してくれます。
分配利回り4%程度は期待できるか
このファンドの主要な投資対象は
- バンガード・リアル・エステートETF【VNQ】
- 分配利回り:年率4.07%(税引前)
であり、市況やファンドの運用方針に左右されるものの順調ならば同程度の分配利回りが期待できるのでしょう。

VNQの株価推移(出所:Google)
株価成長はそこそこです。長期投資という観点で見れば、右肩上がりというわけではないので投資タイミングがよくないと投資成績もそこそこな推移ですね。
米国リートのリスクについて
米国リートで押さえておきたいことは、
- 過去リーマンショックで約8割下落している
- 米国は現状債務問題を抱えている
- 米国の住宅市場は軟調に推移している
リートは株式とは異なる値動きで相応にリスク分散先として機能しますが、現物不動産と異なりすぐに市場で売れることもあってか、経済的なショックの際にたたき売られる例が過去いくつかあります。コロナショックもそうです。
また、米国は現在軍事費を超える米国債の利払いを抱えるなど、インフレだけでなく財政上の制約や金利市場に配慮せざるを得ない状況が続いています。
インフレによって債務問題を解決するか、債務再編と称して事実上踏み倒すのか、ステーブルコインを活用して需要を喚起するのか等の不確実性が存在し、これらがどのような影響を金融市場に及ぼすのかは不透明ではあります。
また、米住宅市場と関連の深い住友林業の株価も示しているように、上図のとおり現在米国の住宅市場は需給が崩れています。これがただちに暴落に直結するとはかぎりませんが住宅市場の状態としてはよろしくはない状況です。
このようなリスクは認識しておきたいところかと思います。
まとめ
- 手数料は最安水準
- 分配利回り4%程度期待できるか
- このファンドの投資先であるVNQの株価成長はそこそこ
- リスクはショック時の脆弱性、米国債務問題、住宅市場の需給崩れなど
以上、ご参考になれば幸いです。
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