三菱商事(8058)の株価、バフェット氏の買い増し「噂で買って事実で売る」に当たらず
三菱商事(8058)の株価について、以下の視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
3月19日(水)終値時点のチャートです。
結果的にはおととい触れたとおり「噂で買って事実で売れ」という格言には当たらない動きとなりました。バフェット氏の買い増し公表が高値圏であったならば利確材料から下押しが意識されやすかったものと思います。ただし今回は直近2年で安値圏、直近5年でも高値圏から反落した水準でした。
3月18日の陰線は弱い形にも見えますが、これは上に空を切っての陰線でありいわゆる利食い線。前日比5%超高く寄り付き利食いが出たと見えます。
この翌日3月19日が焦点で注目していたわけですが、まず終値より高く寄り付いて、さらには高値を抜いて引けており、テクニカル的には騰勢の強さを意識させます。堅調さへの期待がつながれる状況ですが、ストキャスの観点から念のため持ち分の一部を2,830円で利確しました。
なお、ついに短中長期MAすべて上向きの上昇トレンドに転換しました。では週足はどうでしょう。
週足
先日「テクニカル的な節目としては、現在の2,640円あたりを超えてくると、2,800円台まで特段の節目は見いだせない状況です」と記していました。結果的には一気に2,800円台まで抜けてきました。
これで中期MAがやや上向きに転じてきたか、というところ。日足はすでにテクニカルの観点からは上昇トレンドに転換しており、あとは週足も転換なるかというところです。そうなると、いよいよ2024年5月から続いてきた調整局面の転換が意識されることになります。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- バフェット氏の買い増し公表:「噂で買って事実で売る」との格言がよぎるも、足もと高値圏ではない状況 → 結果的に格言には当たらず
- 日足:焦点のひとつとしていた先々週の高値2,604.5円を超え、トレンドラインの上限も超え、空を切っての大陽線で、現時点では騰勢の強い推移
→ テクニカル的には上昇トレンドに転換 - 週足:2,640円あたりを明確に超えてくると、次の節目は2,800円台程度に → 結果的に一気に2,800円台まで上昇
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
アノマリー的には「彼岸底」を今週通過。季節性(過去の経験則)としては悪くはない傾向であり、日本株全体として反転攻勢に転じられるかは引き続き巨視的な焦点かと思います。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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