三菱商事(8058)の株価、テクニカルと過去PER・PBRから来週の節目を確認
三菱商事(8058)の株価について、以下の視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
3月21日(金)終値時点のチャートです。
上でもみ合っています。目先の節目2,742円を割らずに引けることができました。この形はテクニカル的の観点からは上昇トレンド維持と見ます。
短期MAと中期MAが股裂きのように広がっていく形状は騰勢が強いときにみられる現象です。短中長期MAはすべて上向きでこの観点からも典型的な上昇トレンドが今のところ続いています。
先日3月18日の陰線は利食い線と評しましたが、結果的には確かにその安値を割らずに推移できている状態となりました。
来週は押しの深さにもよりますが、短期MAを割らずに軽めの押しで下ヒゲを引くような状態であれば一部利確した分を買い戻してもよいかなと思うかたちではあります。
まだ下値支持線は引けません。目先は2,742円が節目。あとはストキャスのデッドクロスも見ておきたいところですが、現状は上昇トレンドなので短期MAのほうが大事と見ます。
では週足はどうでしょう。
週足
商事の上昇相場開始と同じような大き目の陽線となりました。若干上ヒゲを引いているもののこの程度であれば気にはならない範疇に見えます。
MAは短期上向き、中長期がここから上向きに転じるかというところ。RCIのこの形は上昇トレンドに転換するときに傾向的に見られるものではあります。ストキャスも明瞭にすべて上向きになってきました。もっともオシレーターは先見性があるというよりは後追い的な指標ではありますから、その点には留意が必要です。
こうした状態になってくると、戻り売りから押し目買いに目線を転じるに十分と言える形と見ます。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 日足:テクニカル的には上昇トレンド維持と見える、トレンド維持の目先の節目は2,742円と5日MAの上を維持できるか
- 週足:MA以外のオシレーター系も上昇トレンドを示唆
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
アノマリー的には「彼岸底」を通過しました。ちなみに春分の日は昼と夜の時間が同じということで中日(ちゅうにち)とも言いますね。季節性(過去の経験則)としては悪くはない傾向であり、日本株全体としては反転の息吹は感じられる状態、このまま攻勢に転じられるか引き続き巨視的な焦点かと思います。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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