三菱商事(8058)の株価、テクニカルと過去PER・PBRから現状を確認
三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
週明け3月3日(月)は日本株全体が反発する地合いも手伝って、先週時点で次なる焦点としていた「上値抵抗線を超えられるか」という条件をクリアしてきましたね。
これで下値支持線が形成されました。火曜日は下値支持線の「2,550円付近を上回って引けることができるか、そして月曜高値2,564円を明確に上回れるか」が焦点になってくるかと思います。
なおTOPIX前日比+1.77%に対し、商事は同+2.64%と指数よりも強い騰勢を見せました。この市場平均よりも強い騰勢を維持しての本格的な反発、つまりは「直近高値2,637円を超えて長期MAも上向けに転じることができるか」が更なる関門と言えようかと思います。
週足
まだ週初ですが週足を見ておきますと下ヒゲをつけて下影陽線の状態。直近の上値抵抗線を超えた状態を維持しており、中期MAにタッチした状態。
このまま堅調を維持できれば上値抵抗線を超えた状態を維持できることに加えて中期MAも上向きとなり、すでに上向きとなっている短長期MAと合わせて全てのMAが上向きとなる上昇トレンド完成ということになります。
一方、先日の記事の通り傾向としては上ヒゲの長い上影陰線が出現すると翌週は週間で下がることが多いことには留意しておきたいところです。
MACDは悪くはないといったところかと思います。ゴールデンクロス自体は「だまし」となることもあり、角度が重要です。
週足ベースの焦点は、テクニカル的には「前週高値2,606円を超えられるか」となります。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 週足:前週は上影陰線で翌週下落で終えることが多い。一方、騰勢維持できれば上昇トレンドが見えてくる状態。次の焦点は前週高値2,606円を超えて週を終えられるか
- 日足:焦点としていた上値抵抗線を超えてきた。次の焦点は「下値支持線(火曜時点では2,550円付近)を上回って引けることができるか、そして月曜高値2,564円を明確に上回れるか」
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
日本株全体の基調としては昨年と異なり予想EPSの上方修正の足どりが鈍い状況が続いています。昨年は市場予想より2ケタ%増の上方修正が通年で相次いでいましたが、今年は2月時点では予想対比でやや弱い状況。
またアノマリーとしては彼岸底という格言があるように節分から3月20日頃にかけてはファンドの決算売りで需給が悪化しやすいとの見方も傾向としては認められますから、こうした傾向や逆風の地合いを乗り越えて本格的な上昇トレンドに転じることができるかが今月から来月にかけての焦点になるかと思います。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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