三菱商事(8058)の株価、テクニカルと過去PER・PBRから現状を確認
三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
金曜日はTOPIXが1.96%下落するなかで商事は2%下落ということで、全体の下げと同程度となりました。指数がこれだけ下がると指数の構成企業も下がるのは致し方ありませんから、テクニカルとはあまり関係のない外部需給要因で下がることも往々にしてあるのが株式市場、といったところでしょうか。
直近4本のローソク足で上値抵抗線が引ける状態になりましたから、次なる焦点のひとつは週明け上値抵抗線との交点となる「2,520~2,545円付近」を陽線で上抜けられるか。
ここを超えられないと短期的には反落トレンドであり、テクニカル的には下値模索が意識されやすいと見えます。
週足
週を終え週足が完成しました。高値圏で出現すると下落転換を示唆する「上影陰線」となりました。
実際に上図の過去ローソク足を見るとわかるように、傾向としては上ヒゲの長い上影陰線が出現すると翌週は週間で下がることが多いですね。
週初は上からひとつ目の上値抵抗線突破しようかという上昇をみせましたが、結果的には中期MAにタッチして押し返された格好。先日の記事で当面の焦点としていた「2,560円付近を超えて今週引ける」には至りませんでした。
次なる焦点のひとつは「2,530円付近を超えて週を終えられるか」といったところかと思います。奇しくも日足ベースの焦点と同水準ですね。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 週足:高値圏では下落転換を意識させる上影陰線。過去の傾向としても翌週下落で終えることが多い。一方、次なる焦点のひとつは「2,530円付近を超えて週を終えられるか」
- 日足:次なる焦点のひとつは「2,520~2,545円付近を陽線で上抜けられるか」
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
今週後半は米国発のいわば外部環境要因で日本株全体が大幅に下落する状況でしたから指数構成企業のひとつである商事も売りに押されています。
アノマリーとしては先日も記事にしたように「彼岸底」という3月20日付近に向けて弱含みが指摘される格言もあり、全体の基調としてはそうした要因をはらむ可能性があります。
一方、先日2,600円付近まで上昇したことで私も含め同社株を保有する投資家が利食いをしていれば損益状況は改善されたことになり、個人投資家要因の需給環境は以前よりは好転したことにはなるかと思います。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として、将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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