三菱商事(8058)の株価はついに堅調に推移
三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足、MACD)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
週足
週を終え、週足が完成しました。今週はTOPIXが+0.6%のなるなか、三菱商事は+2.5%と市場平均より強さが目立ちました。
2週連続で、様子見姿勢の強さを表し、転換を示唆する「十字線」だったところから、今週は強く、そして上影陰線ということで底堅いが上値の重さも確認させる形。
先々週と先週は真ん中の上値抵抗線に押し戻されていましたが、今週は超え、週を終えても維持されており、好材料は依然存命中。日柄調整、横並びを経て、ゴールデンクロスも迫っている状況。ただしまずは短期の移動平均線を超えてこないと、というところでしょうか。
日足
一応日足も見ておきますと、横並びからのダブルボトム形成への意識が依然ある形。
直近は下影陽線からの上影陰線ということで、週足と同様に底堅いが上値の重さも意識される状態。
先日の日足は「トンボ」と呼ばれ、「一時的に売り圧力があるも、買い戻しが入ったケース」であり、安値圏で出現するとトレンド転換のサインとなる形状でもあり、こちらも結果的には順当にその後上昇で推移しました。
移動平均線はすべて下向きで下落局面ではあるものの、MACD・ローソク足ともに反転を意識させる状態は継続。
そして短期MA上抜けは好材料ながら、さらに中期を超えると上昇期待も高まります。ただ長期がまだ下向きなので弱気の要素も混在してはいます。
② PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
テクニカルの観点からは引き続き悪くないかたちであり、今週はTOPIX比でも堅調。
- 下落基調から上昇相場への転換が意識されるサインは依然点灯
(①上値抵抗線、②ヒストグラム、③MACD) - バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
今週後半で発表された決算は、同業の伊藤忠が業績好調ながら事前期待が高かったとの由で反落したのとは対照的に、商事は上昇で反応。このあたりも決算前に株価が下げていると発射台が低くなる、といった見方もできそうではあります。
ただしテクニカル分析は、経済指標やイベント等による流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる程度」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断に用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているかもしれません。
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