三菱商事(8058)の株価、ダブルボトム形成期待が消え、直近安値を割り込み下げ幅拡大
三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
週足
週を終え、週足が完成しました。まだ下から2番目の上値抵抗線の上で推移し、今週で下ヒゲを多少付けたとはいえ、短中期の移動平均線は依然として下向きということで目先下落トレンドという状況は変わっていません。
2週間前の時点では「2週連続で、様子見姿勢の強さを表し、転換を示唆する「十字線」だったところから、今週は強く、そして上影陰線ということで底堅いが上値の重さも確認させる形」という状態だったわけですが、そこから売りに押し返されるあたり、下落トレンドならではの上値の重さが感じられるといったところかと思います。
上昇トレンドにある銘柄はすっと上抜けることがままありますが、下落トレンドから上昇に転じるまでにはこうして何度も「反転→反落」を繰り返す傾向がみられます。最近記してきたように反転サインがいくつか点灯していましたが、それでも反落した格好。
なお、2,450円付近の直近安値を下回ってから下げ幅が拡大した点はセオリー通り。現在は2024年8月安値に面合わせしており、ここで下げ止まれるかが焦点のひとつかと思います。ここを下抜けると、次の節目は2023年12月の2,182円あたりになってきます。
日足
先々週時点ではダブルボトム形成への可能性が残っていましたが、今週2,443円付近を割り込んだことでその線は消えてしまっています。テクニカル的なセオリーとしては下抜けで売り、その後の推移としてはセオリー通り下げ幅拡大といった格好です。
上値抵抗線を超えたことは好材料である一方、上ヒゲを引いている状態で、移動平均線はすべて下向きで下落局面が継続している状態。
今週に入って中期MAを陰線で下抜けましたし、反転には上値抵抗線を超えて推移しつつ、まず中期MAを陽線で上抜け、移動平均線が反転、など関門がなお複数ある状態です。
② PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 週足:2024年8月安値に面合わせしており、ここで下げ止まれるかが焦点のひとつ。下抜けると、次の節目は2023年12月の2,182円
- 日足:上値抵抗線を超えたことは好材料である一方、上ヒゲを引き、下落局面が継続している状態。今週に入って中期MAを下抜けし、反転には上値抵抗線を超えて推移しつつ中期MAを陽線で上抜け、移動平均線が反転、など関門がなお複数ある状態
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
あとはバフェット氏の買い増し意欲の報道で風向きが変わるか注目ですね。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として、将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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