映画『侍タイムスリッパー』これはおもしろい

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映画『侍タイムスリッパー』これはおもしろい

これめちゃくちゃおもしろかったです(笑)おすすめです。今年観た映画のなかで五指に入ると思います。

映画『カメラを止めるな』のように口コミでじわじわ広がってヒットしている作品のようで、全国153館拡大上映が決定しているそうですね。

平日の朝9時頃から観たのですが、映画館はシニアの方々でごった返していました(平日の映画館はだいたいそうです by スーパー無職)。

印象に残った点
  • 笑いどころ満載
  • 有名ではない配役が絶妙な味を出していて、それがまた素敵
  • 監督が1人何役もやっている文化祭感
  • 予想のつかない起承転結

調べてみると、やはり自主制作映画なんですね。お金をかけて作った作品ではない感じが若干感じられつつ、しかし作品のクオリティが高いのでお金をかけてなさ具合も引き立つという。

以下はネタバレも含むのでご注意ください(最後段の「まとめ」はネタバレ含みません)。

人物の見せ方と奥行き

まず裕子殿(沙倉ゆうの)の役がかわいすぎますよね。声とメガネ。ただ作品を観終わった後にインスタ等で本人を確認してみると、どうも雰囲気がちがう。作中のほうが奥行きを感じます。

おそらくメガネか。はたまた助監督役という補佐役という役回りも効果的だったか。同一人物であっても、見せ方や奥行きの表現の仕方で人物像の印象は一変するのだなと得心しました。

さすがは関西

作中に出てくるお寺の老夫婦がもう最高なんですよね。

主人公が「会津の雪のように白い…」とおにぎりにほれぼれしつつパクっと食べるシーンがあるのですが

食べるんかい

と老夫婦の奥さんがツッコむあたりも最高。間のとりかたがいかにも関西。

そのほか関西弁でちょいちょいつっこむシーンがあって、このあたりが関西の日常という感じでふつうにおもしろい(笑)安田淳一監督ぜったい関西人ですよねこれ。と思って調べると「京都南部在住」と。やはり。

※私は関西人で地元愛強めにて予めご了承ください

時代劇とは、どういうものか

幼い頃、祖父と暴れん坊将軍を見ていた記憶があります。たしかに当時と比べれば地上波で時代劇がほとんど放映されなくなりましたね。

「時代が変わった」と言えばそれまでなんでしょうけど、その時代劇に焦点を当て、しかも時代劇が放映されなくなった侘しさや、時代劇を放映する意義(当時の侍たちの思いを残したい等)が描かれているので、本作を通してそうした一面を垣間見た気がしました。普通の暮らしていると思いをはせることがない方面だったので、ひとつ新たな視点でした。

切られ役

切られ役の悲哀というか、「切られ役で主役になりたいと思わなかった人がひとりでもいるのか」といった趣旨のセリフがあります。

切られ役にかぎらず、同種の悲哀を抱えて生きている人は当然いるはずで、普遍的な心理描写だと思いました。

ほかいろいろとおもしろいところはあるのですがこのへんで。

まとめ

私はやばきちサイコパスゆえか、ついついどぎつい映画をチョイスしがちなのですが、本作は映画『九十歳。何がめでたい』と同様、どんな人にもおすすめしやすい映画だと思います。

笑いあり、予想のつかない起承転結、配役の絶妙さ、自主製作映画という色彩のよさ――。

観てよかった映画でした。よろしければぜひ。

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