来週の投資方針と出光興産(5019)について
10月4日、今週の金曜日に発表された米雇用統計は非常に強い内容でした。
日経平均先物は大幅高で反応。週明けは39,000円台半ばと1,000円ほど高く寄りそうです。衆院解散総選挙も控える今年は年末に向けて過去の経験則として株価が上昇しやすい傾向にあり、押し目があればひろう程度。日経平均が39,000円以上の水準では信用のポジションを少しずつ落としていくようなイメージ。
なお米雇用統計で労働市場が弱くないことが確認され、労働市場に配慮した予防的な利下げをする必要が後退したとの見方、次回のFOMCでの利上げ幅0.5%を53%ほど市場が織り込んでいましたが一気に0%まで後退しました。米10年債利回りも上昇、ドル円は連れて日米金利差拡大で円安ドル高といった格好。
出光興産、原油価格、PBR
リスクオンらしく原油価格も上昇しました。保有株の出光興産は日足で見ると今年5度も1,100円で上値を抑えられています。週明けはこの価格を超えて寄り付きそうで、買い値より60%強上昇していることもあり一部利確するかどうか。
というのも、出光興産のような石油元売りは時価で在庫評価をする関係などで営業利益と原油価格に相関性がある構造(…※)で、上のチャートが示すように株価が原油価格と連動する傾向にあります。つまりは、景気動向(・需給等)に左右されて原油価格が上下するので、景気サイクルによって株価も上下しやすい特徴が見えます。
(※参考)
したがって、足もとのような好景気がある程度続いた状態で利益を確定しておくのも一案かとは考えています。ただし2023年以降は上段のチャートの通り原油価格の動向以上に出光の株価は上昇しました。背景には昨年秋に購入した当時は株価665円でPBRは0.5倍程度と1倍を大きく割れていた状態で、そこから割安さが修正された格好に見えます。そして現在はPBR0.78倍と依然として1倍割れで、「本来あるべきPBRは1倍以上」との観点からは上値余地は依然25%程度あることになります。このあたりが利確するか迷うところですね。
一例として三菱UFJはPBRおよそ1倍程度となる株価をつけたあと今年反落しており、1倍はひとつの目安となるでしょうか。
また原油価格の観点からも悩ましいところで、世界的に米中・米ロ対立などの国際情勢によるサプライチェーンの分断から趨勢としてはインフレが持続しやすい状況と見え、中長期で穀物、鉱物、貴金属、原油などの商品市況は基本的に堅調とのメインシナリオ。
そのため、商品市況にある程度連動する出光のような株はインフレヘッジの色彩も見いだせ(とはいえ景気敏感でもある)、一定程度は持っておいてよいとも思うので、すべては売らずに一部残しておく着地にしそうです。やはり株で最も難しいことのひとつは「売り時」だなと思います。
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米オイルメジャーも原油価格と株価に連動性があります。