株式市場は9月の弱い季節性に突入
「やはり」と言いますか、先週「金曜に控える雇用統計を警戒してリスクおさえめにしたい」と記していたように大きく市場は動いてきましたね。
本日の日本株は先物が約1,200円も下げているので、寄りつきは弱いスタートが見込まれます。
今後は経済指標、そしてそれによる景気後退と利下げ幅期待の綱引き、加えて大統領選への思惑といったかく乱要因が予想されますが、これらに加えてもともと9月はアノマリー(季節性・過去の経験則)として株式市場は軟調な傾向にあります。
S&P500は9月に調整しやすい
上図を見ると、過去の傾向として9月は軟調な傾向がみてとれます。
世界の株式市場は米国株の時価総額が占める割合が圧倒的に大きく、また金融政策やマクロ経済も米国によるものが大きいため、米国株が軟調になれば他国の株式市場にも相応の影響をあたえるため、日本株も連れ安になる傾向が認められます。
10月末に株価が調整し、来春にかけて上昇しやすい
またほかにも季節性として「ハロウィン効果」と呼ばれるものがあります。
これは、毎年10月末のハロウィーンの時期に株価が調整し、翌年の春にかけて上昇しやすいという経験則です。
昨年はまさに日米ともに10月末に調整が起きていました。
下図は「S&P500のVIXの過去の傾向」と、「2023年のVIXの推移」を通年で上下にならべたものです(VIXは、投資家の恐怖度合いを示す指標で、VIXが高いと株安を示唆)。

出所:EquityClock.com
9月・10月にVIX指数が上昇傾向にあり、9月・10月が軟調傾向にあることを示しています。9・10月はミューチュアルファンドの決算で売りが出やすい傾向があります。
まとめ
- 過去の傾向として、9月・10月は相場が軟調になりやすい
- 加えて足もとは米国の景気後退懸念がある
(さらに本尊としてはやはり膨張した政府債務危機が意識されることも)
したがって、以上の観点に限れば強気になるにしても季節性がよくなる11月めがけて買っていくという程度かなといった所感には至ります。
もっとも、雇用統計の数字自体は強弱まちまちで景気腰折れ懸念はやや行き過ぎな印象はあります。また、PERは14.6倍まで下がってきていますので巡行水準の15倍より少し割安という水準。ここからちょこちょこ買って、14倍割れからはそこそこ買うといった戦略も一案として考えたいです。
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