株式投資家が、株価が暴落した今週末にやっておきたいこと
日米株式が下落しています。
リーマンショック当時の「1日に11%下落」ほどではありませんが、指数で1日6%の下落率は小さくはないですね(先物の下げでチャートの形がさらに悪くなってきました、週明けのISM非製造業指数が弱いと格好の売り材料になりそうです)。
とくに近年株式投資を始めたばかりで、心配なかたも多いと思います。
株式投資で何が一番大切かと問われれば、私なら「リスク管理」と答えます。つまり、「過大なリスクを取っていないか」ということです。
株式投資は以下2つのスタイルに大別できるので、
- 信用取引をやっている投資家
- 現物取引のみをやっている投資家
それぞれの場合における週末にやっておきたい「リスク管理」とは何かを記します。
信用取引をやっている投資家の場合
信用取引とは、株や現金を担保に資金を借りて投資をしている人です。まずやっておきたいと思うことは以下です。
- 何%までの株価下落なら強制決済(ロスカット)にならずに済むかを把握し、ロスカットされないように以下の行動をとる
① 現物の株を売る
② 信用の株を売る
委託保証金率が30%以下になれば強制的に損失確定されるので、絶対にそのような致命傷だけは避けなければいけません。保証金率を上げるには、上記①・②を果断にやっていくことです。
穂高 唯希
ちなみに日経平均株価の下値めどは以下のように言えます。
- リーマンショック級:20,160円
- コロナショック級 :29,500円
- 世界景気が悪化 :29,500円
- 世界景気悪化せず :33,840円
どの水準まで耐えられるか計算しておくとよいかと思います。
現物取引のみをやっている投資家の場合
ほとんどのかたは、信用取引をやらず、現物取引(借金をせず、証券会社に入金しているお金のみで運用すること)のみであるはずです。
現物のみならば、強制的に損失を確定させられることはなく、株価がいくら下がろうが含み損になるだけで、(過去の傾向にならえば)いずれはまた株価は戻ります。
したがって余裕資金でやっているかぎり致命傷を負うこともないので、のほほんと
- 定期的に振り込まれる配当や預金で贅沢してもよし、
- 安くなった株へ再投資するもよし、
- お給料から株を買うもよし
なんでもありですね。実は現物のみというのはとても気楽なのです。
まとめ:マイナス面に留意しつつ、プラス面にも着目
一にも二にも、リスク管理。致命傷を負って退場することだけは絶対に避けねばなりません。
信用取引をやっている人は、強制ロスカットだけは絶対に避ける。現物取引のみの人は致命傷を負うことはないでしょうから、のほほんと構える。
最近投資をはじめた方は、資産が減ることにそわそわしたり、恐怖を感じるかもしれません。
しかし、多額の借金をして投資をするなど過大なリスクをとって投資していなければ狼狽する必要はないかと思います。
むしろ「資産の減少」という足もとのマイナス面より、スーパーで特売品を買うときのように「株を安く買える」という将来のプラス面に着目することが一案です。
そうすることで、(現行資本主義が継続するかぎりは)将来の資産増に向けて種まきをすることになります。
人間の心理は「損失回避を重視する構造」であるため、「高いときに買って、安くなると売りたく」なってしまいます。しかし、株で勝つには「安く買って、高く売る」ことが求められます。
もっとも、投資は不確実なので最も効率のよい投資行動は常に流動的ですから、その意味では以上に記した方策もひとつの正解であって、常に正解であるとはかぎりません。それが株のおもしろいところでもありますね。
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