念のためポートフォリオをリスク回避的にした背景
日経平均が先月から高値を切り下げていく過程でほぼ無風だった以下銘柄を利益確定しました。
- フューチャー
- 日本ビルファンド投資法人
この2銘柄で1,300万円分を売却し、同額の信用分を現引きしました。また、逆行高となっている「MonotaRO」の利確も検討したいと思います。
昨夜の雇用統計を受け、現状を整理
現在の相場は「市場がこうなる」と思っていたシナリオ(例:以下①~④)が崩れ始めてきたことで、不透明感が増している状況だと整理しています。
- 米経済のソフトランディング
- 半導体・AI関連の成長期待
- トランプ再選
- 年内の利下げ回数
昨晩の雇用統計は市場予想より悪かったです。これまでならば、
- 弱い経済指標 → 利下げ期待が高まる → 株高
となっていたわけですが、今は以下の反応です。
- 弱い経済指標 → ソフトランディング期待しぼむ、景気後退懸念 → 株安
逆イールドも解消し、ますます景気後退懸念が意識される状況だと思います。
先物の値を見るに、週明けの日経平均は1,000円程度下げて寄るはずです。
想定するメインシナリオ
メインシナリオとしては変わらず、今回の調整はあくまで調整であって、
- 日足・週足ではかなり形が悪くなっているものの月足では上昇トレンドを維持していますし、
- 日本株のPERは「17.5 → 14.9」と割高感がなくなり、
- PBRの観点からは依然として割安な個別株(三菱地所、SBIなど)が多く上昇余地あり
との想定です。
ただし繰り返しながら相場がこういう雰囲気のときは、投資家心理が傷んでいますから、投げ売りで押し目が深くなったり、悪材料に過剰に反応したりとファンダメンタルズでは説明のつかない価格まで下がることもあります。
先日もふれましたが、日本の国内個人は足もと海外勢の売りに買い向かったことで信用評価損益は間違いなく悪化しているはずで、機関投資家は個人の信用評価損益を把握しているので、「先物で売り仕掛けて個人に切らせ、損切りが一巡したあとに買い戻す」ことで利益を上げることもできます。
悲観シナリオ
そして、念のためテールリスク(まれにしか起こらないはずだが実際に発生すると甚大な影響が生じるリスクのこと)を想定しておくと、日米両国の過大な政府債務への市場懸念を挙げたいと思います。
最近市場関係者のSNSを見ていると、一部で「日米両国の政府債務の多さを材料視する動き」が目につきます。
Forget about inflation and labor data; it all comes down to this chart.
Unlike any other country, the US urgently needs to adjust its interest rate policy, which is misaligned with the soaring costs of servicing Federal debt.
In my view, the Fed needs to reverse its policy… pic.twitter.com/NTn7S7Idhp
— Otavio (Tavi) Costa (@TaviCosta) August 2, 2024
ブログで以前ふれたように、政府債務の多さ自体は以前からわかっていたことであり、足もとで突発的に生じた事象ではありません。しかしもしこれを市場が材料視しだすと、かなり規模の大きい話なので、日米のように経済規模の大きな国の債務危機を連想しだすと、リーマンやコロナなみの不透明感はありますよね。
まとめ
あくまで後半は、この種のリスクもなくはないですよね、というあえて悲観的なシナリオを念頭に置いて、「まさか」のシナリオに備えるためなので、頭の片隅に置く程度です。
基本は、株価は下がってもいずれは戻りますし、株式市場の中長期的な軌道は変わらないとの想定です。
ただし調整がどの程度深くなるのかはわからないので、深くなってもよいようにポートフォリオを調整していきたいとは思います。
一方で三菱地所やJリートなどは指標上は妙味を感じる水準まで落ちてきており、加えて地力のある銘柄(寿スピリッツやJR西など)も妙味が出てきていると思っています。来週も下がるようなら指標面で相当妙味のある個別株が出てくると思います。
ただし投資は不確実ですから、常にさらなる下落に留意し、買うにしても慎重であることが安全ではあります。
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