来週の日本株は、天王山
来週7月31日はいよいよ日銀会合後の会見です。先物は大きく反発しているので週明けの寄りは上昇で始まりそうですね。
ただ、以下に示すように、日本株はチャートと需給の観点では気になる点もみられることは留意しておきたいと思っています。
チャート(日足・週足):調整色が見える一方、RSIは低い
- 日足:宵の明星、出来高を伴った大きな陰線である一方、RSIは低く買い目安でもある
- 週足:上ひげを引いて直近安値38,000円を明確に割り込む
という状態で、テクニカルの観点からは調整局面入りした可能性と、買いサインが混在するかたちです。
需給:ここから買いたい人は誰か
先週は
- 海外勢:売り
- 国内個人:買い
という投資行動であったため、この状態で上ひげを引くと、自律反発があっても海外勢の買いが入らないと国内勢の売りが出やすい状態ですよね。
あと「この水準から日本株を買いたい人は誰なのか」という観点では、すでに国内NISA勢はあらかた参入してきていますし、先週時点ですでに国内個人は信用で買い向かっているので、やはり売買高の7割を占める海外勢次第という構図でしょうか。
米国株:景気減速を見込んだ反落の様相
そしてここに来て、利下げ期待で買い上げられていた米国株が下げてきています。
- 株価が下がり、実質金利(米10年債)が下がっている
ので、一般に景気減速(企業利益の減少)を織り込んで下がっている状態と解釈できます。
失業率が足もと上昇気味であることに加え、米ハイテク株だけでなくGMやフォードなどの一般消費財も下げており、やはり景気減速を織り込み始めている可能性があります。
では景気減速によって株価が下がるのかと言えば、必ずしもそうとはかぎらなかったのが過去が示唆することですが、今回はソフトランディングを見込んで上昇してきたので、仮に景気減速を市場が織り込むならば、これまで上昇してきた巻き戻しが起きることになる、というのが順当な思惑ではあります。
ということで、以下のようにまとめられます。
- 日本株:テクニカル的には気になるサインが点灯、需給面も気がかりも、買いサインもみられる
- 米国株:景気減速を織り込みはじめている可能性、続けば反落か
そしてここから大統領選が市場の材料になりそうですが、トランプ政権が誕生した場合、減税や景気刺激策を志向する発言が続いているため、一般に金利上昇、物価上昇、株価上昇要因と言えます。
したがって、先日記したように足もとで調整を経て、大統領選に向けて上昇していくシナリオもひとつ考えられますが、ここに来てトランプ氏よりもハリス氏のほうが支持率が高くなっているという状況。
株価は基本的に下げてもいずれは戻るといえど、日米株ともに高値圏なので、「山高ければ谷深し」といったリスクも念頭に置きたい。
まとめ
以上から、来週の日本株はテクニカル的にも、利上げに踏み切るのかというファンダメンタルズ的にも、まさに今後の流れを左右する「天王山」といった重要な節目を迎えるのではないかという所感に至ります。
結論としては従来同様で代わり映えはありませんが、過大なポジションを抱えず(リスクをとりすぎず)、リスク資産(株式)にも一定の資金を割いておき、下落局面で買い下がれるようにしておくことが肝要と思います。
関連記事