日本株は日銀会合まで神経質な展開が続くか
日銀会合前って、海外勢がややもすると過敏に反応しがちですよね。
たとえば今回も河野デジタル大臣が円安をけん制したタイミングで、円高株安が加速。海外勢からすれば次期首相候補のひとりであるキーマンの発言を重く受け止めて円売りポジションを手仕舞う動きに発展したと。
その後日銀の利上げ観測をはやす記事が
ロイター通信が24日、関係者の話として、30〜31日に開かれる日銀の金融政策決定会合で「利上げの是非を議論し、今後数年で国債購入額をほぼ半減させる計画を発表しそうだ」と報じた
出所:NIKKEI
のように出るなど、さらに円高・株安が加速。昨日は個人が買い向かって、海外勢が売り。
しかし近年日経の観測記事はだいたい事実と合致しますが、ロイターの観測記事はたびたび外れています。
日銀が利上げをしたとしても、がんがん利上げしていくシナリオには個人的には懐疑的なんですよね。日本の基礎的条件(潜在成長率、財政事情)など懐事情を考えると大胆な利上げを敢行し続けるようにはあまり思えないんですけどね。
ただし日銀が『わが国の潜在成長率を、一定の手法で推計すると、足もとでは「0%台前半」と計算される(出所:経済・物価情勢の展望 2023年7月)』と記したように、日本の中立金利(経済を熱さず冷やさずの金利)である1%程度以下までの利上げは将来的に可能性ある値として頭に入れておきたいとは思います。
日銀も0.25%程度であれば国内景気に影響を与えないと考えている、との日経報道がありますね。植田総裁就任以降の日経報道は御用新聞的な役割を果たしているので、信ぴょう性があります。今はその利上げ幅を織り込んでいる状況でしょうか。
コロナショックのように壊滅的な何かが起きたわけではないため、夏枯れ相場も相まって短期的に調整が深まる可能性は考えつつも、大統領選に向けては堅調な基調に戻っていくことを現時点の想定としては据えたいです。
国内金利上昇によるJリート財務への影響は軽微
Jリートなんか過剰に反応して下げすぎだと思いますけどね。ほとんどのJリートは固定金利の比率が高く借入年限も長いので、利上げを1%未満でされたところで数年単位で影響は出ないはずです。
というのも、「借入金比率×借り換え比率」で影響は算出できるので、たとえば借入金比率40%で借換え比率20%とやや高めに見積もっても影響はせいぜい8%。これに調達コスト1%上昇を乗じれば総資産ベースで0.08%なのでよほど借入金比率と借換え比率が高くなければ影響は軽微かと思います。
ただし、逆に言えばたとえば以下リートは変動金利の比率が高いので金利上昇の影響は受けると思います。
- エスコンジャパンリート
- 東海道リート
- インヴィンシブル投資法人
こうした変動金利の比率が高いリートや短期の借り換えが必要なリート以外は、金利上昇で受ける影響は軽微にとどまると考えられるので、依然としてJリートは概して割安に放置されていると認識します。
いずれにしても株式投資は負けないことが大事なので、リスクを過剰にとることは避け、手堅く利益を積み重ねていくことが肝要と心得ます。
関連記事
こちらまだ機能してそうですね。