日経平均株価は日足だけでなく週足も形が悪くなるか
本日2記事目
やはりといいますか、22日に記したように懸念はいったん現実になりそうです。
日経平均のチャートですが、まず日足の形はおととい時点でよろしくありません。宵の明星と言って、テクニカル的には下げを示唆する形です。「陽線 → 上ひげ → 陰線」は勢いが弱いですね。さらに直近の上昇分を消した下落となっています。
ただ、日足は “騙し” であることもよくあります。したがって「日足は週足に巻かれる」という言葉があるように、週足のほうが大事です。
では、その週足を見てみると、一目均衡表では基準線を今日(7/25)は割るでしょうし、さらに今週の終値ベースで38,000円を割ってしまうと「安値切り上げ」から「安値切り下げ」になってしまうので形は悪くなります。当面の焦点は日経平均が金曜に38,000円以上で引けるかどうか。
なお、為替がロスカットを巻き込んで大きく円高に触れた状態なので、株の下幅幅も大きくなっています。
こういう一気に下げた時は、また一気に反発する場合もあれば、投資家心理が悪化したことで投げ売りが多く出る場合もあります。
相場が高値であることを考えると、投げ売りが出てもおかしくないのかなという感触は受けます。
いずれにしても年始から5,000円以上日経平均は上げたので、上げが急ピッチであったことから、下げもスピード調整で大きく下げる可能性があることを充分頭に入れて、安全運転で臨みたいです。
一昨日記したように信用ポジションは縮小していたので、結果的には下げたときに買い増しできる余力ができそうです。場が開けるまでは弱気でしたが、日経少しリバりそうなので多少買ってみたいと思います。近鉄、オープンドア、住石HD、太陽誘電、産業ファンド投資法人など。
円高は短期か中長期か
一方で円相場については、円高は中長期というよりは短期にとどまるメインシナリオを維持したいと思います。
投機筋の円売り解消が今後も続けば2007年当時2か月で124円→111円と10%の下落幅であったことから、今回も同様であれば145円までの下落幅となります。
とはいえ、円の基礎的条件は以前より悪化しており、以下に示すように国際収支の悪化に加え実質金利がマイナスなので、07年当時より実需の円売りが出やすい状況です。
- 日本の経常黒字は20兆円(2023年)と再び良好ながら、内訳として証券投資や直接投資が多く、これらは外貨での再投資が圧倒的に多い性質であるため、円買いフローがおこらないがゆえにキャッシュフローベースでは赤字であり、実需の円買いにつながっていない(=円安要因)
- デジタル赤字(GAFAMへの課金)は言い値で払わざるを得ず、生活の一部として仕組まれてしまっているので日本企業でGAFAM系のサービスが内製化できないかぎり今後もデジタル赤字が拡大することが予想され、インバウンドによる旅行収支黒字を食いつぶす状態が続き、サービス収支が悪化する可能性が高い(=円安要因)
- 高水準の政府債務があることで、財務省・日銀は円安是正や利上げよりも、国債格付け維持を優先する可能性(=円安要因)
※国債格下げをされれば投機的な円売りが想定されるので、財務省が格付け維持を優先するのは納得
したがって、以上の観点からは円高は中長期ではなく短期にとどまるとの想定でいきたいと思います。
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