「ゲリラが支配する無法地帯」はフィリピンに実在する(映画『ロスト・フライト』)
映画『ロスト・フライト』をフィリピン出身の方と観たことで、その方から以下の情報を知り得ました。
- 実際に「フィリピンに、政府ゲリラが支配している危険な無法地帯の島がある」らしい
- 「最初に無人島に上陸して実権を握った人がその島の支配者となる」らしい
- フィリピンのとある離島では「産業はなくとも、南の島なので食料となる動物は存在し、野菜や果物も勝手に育つため、働かずとも生きられる」らしい
- フィリピンは島によっては、「島民は学校には行かず、現金収入もないので、俗にNPA(New Peoples Army)と呼ばれる民兵組織(ゲリラ組織)が外国人を拉致して身代金を要求する事件が横行している」らしい
- 「ミンダナオ島のほうは、家族に絶対に行かせない。生きて帰れない。NPAが支配している」とフィリピンでは考えられている
まず映画『ロスト・フライト』自体のあらすじは以下です。
フィリピンのホロ島に不時着した航空機のブレイザー119便。だが、そこは反政府ゲリラが支配している危険な無法地帯だった。
そして、機長トランスは生き残りをかけた激しい戦いに身を投じていく
以下、とくに注釈がないかぎり、本作を一緒に観たフィリピン人の方からの情報(実情)を多く含みます。
「ゲリラが支配する無法地帯」がフィリピンに実在する
本作はフィリピンの人と鑑賞したのですが、映画でよくあるプロパガンダの類ではなく、実際に現実としてフィリピンに「政府ゲリラが支配している危険な無法地帯」の島があるそうです。
まずこの点にやや驚きですよね。政府ゲリラが支配する無法地帯というと、中東やアフリカにはあっても驚きませんが、フィリピンにあるという。
というのもフィリピンは島嶼国で、大小多くの島嶼から成る国家であるがゆえに、最初に無人島に上陸して実権を握った人がその島の支配者となると。なかなかシンプルかつ明瞭な弱肉強食システムですよね。
南国らしい背景
産業はなくとも、南の島なので食料となる動物は存在し、野菜や果物も勝手に育つため、働かずとも生きられるそうです(まさに南国。北国と南国で人々の陽気さが異なるのは当然の帰結かもしれません)。
ほとんどの島民は学校には行かず、現金収入もないので、俗にNPA(New People’s Army)と呼ばれる民兵組織(ゲリラ組織)が外国人を拉致して身代金を要求する事件が横行しているのだそう。
ただし、NPAもテロ組織的な部隊もあれば、中央政府に反抗して自然を守る部隊もいて、善悪いろいろ。一流大学の生徒をrecruitして、相当数のエリートフィリピン人や留学生もNPAに入隊することも多い
「ミンダナオ島へは絶対に行かせない、生きて帰れない」

ミンダナオ島の位置(黄色)
「ミンダナオ島のほうは、家族に絶対に行かせない。生きて帰れない。NPAが支配している」と、くだんのフィリピンのかたが話していました。
インドネシアやマレーシアに近いミンダナオ島は、イスラム教徒が多く、インドネシアやマレーシアの通貨も流通していたりと、隣国のイスラム文化の影響を受けているのだそう。
たしかにミンダナオ島については、公安調査庁でも言及あり、「世界で唯一戒厳令のある島」としてNewsweek記事もありますね。
まとめ
たまたま映画『ロスト・フライト』をフィリピン人と観たことで、以下の情報を知り得ました。
- 実際に「フィリピンに、政府ゲリラが支配している危険な無法地帯の島がある」らしい
- 「最初に無人島に上陸して実権を握った人がその島の支配者となる」らしい
- フィリピンのとある離島では「産業はなくとも、南の島なので食料となる動物は存在し、野菜や果物も勝手に育つため、働かずとも生きられる」らしい
- フィリピンは島によっては、「島民は学校には行かず、現金収入もないので、俗にNPA(New Peoples Army)と呼ばれる民兵組織(ゲリラ組織)が外国人を拉致して身代金を要求する事件が横行している」らしい
- 「ミンダナオ島のほうは、家族に絶対に行かせない。生きて帰れない。NPAが支配している」と考えているフィリピン人がいる
個人的には意外でした。ただいっぽうで、どの国もそうでしょうが、光差す一面もあれば、広く表には出ない闇の一面あり。フィリピンの闇の部分が垣間見えたような感想に至ります。
しかも、NPA(New People’s Army)はフィリピンのエリート層も勧誘しているため、たとえば日本でいう東大や京大を出た人が、企業に就職せずに、NPAに属する人もいるのだとか。オウム真理教を想起させる一面がありますよね。
もしひとりで、または同質的な人と本作を観ていたら、とてもこうした感想には至らなかったことでしょう。異文化や異質との交わりはやはり世界観が広がる一助になるものと思います。
関連記事
自身の世界観の核の一部は、やはり海外での経験や異文化との接触によってもたらされたはずです。