株価下落が止まらぬ「NTT」は買いなのか、需給やチャートから現状を確認
やはりと言いますか、NTT(日本電信電話)の株価下落が止まりません。
新NISAの人気銘柄1位であり、個人投資家にも大人気の配当株です。しかし新規参入組に人気がゆえに、「需給悪化→株価の上値が重い要因」となっていることが確認できます。
現状を確認すると、個人的にNTTは現物ならまだしも、信用では買いを控えたいです。
以下の側面から現状を確認します。
- チャート
- 需給
- 投資家心理
チャート

出所:kabutan
85-192.9 の上昇波を基準とすると、以前も記したように反転目安は以下です。
- フィボナッチ38.2%押しが150.7(現在の株価とほぼ同じ)
ここで信用買いの入れ替わりが大きくあれば反転を望みやすいか(後述) - 次のポイントは月足の節目147
- その次は半値戻しの139
このいずれかに近接し、信用買いの入れ替わりが大きくあれば反転を望みやすい(後述)ですが、①(株価150.7円)に近接した先週は信用買いが減るどころか増え、反転せず、6月14日終値時点で②(株価147円)を割り込みました。
信用の残高(需給)
日証金(=制度信用の残高)のデータを見ると、信用買いの入れ替わりはまだです。以下は6月14日付。
- 信用買い(単位:万株)
新規 +31
返済 △8 - 信用売り
新規 +10
返済 △0.3
差引き13万株の信用買いが増加。つまりまだ個人は損切りするどころか、制度信用で買い向かっている。だらだら下げだと信用の投げが出にくいんですよね。
一方、制度信用と異なり、保有期間が無期限で長く持てる一般信用(東証の信用残高)のほうは5月に2週続けて売り越され(ハイレバの強制決済か)た週があったものの、直近また増加し続けています(下表)。

出所:Yahoo!ファイナンス
したがって、チャート的には上述①・②の節目を割ったものの、需給面ではいまだ一定の確度をもって強気に買えるサインは出ていないことになります。
NTTは分割されてだれもが買いやすくなったがゆえか、高値圏でも果敢に信用で買い向かう個人投資家が多いようです。
信用買いが増えると、タダ同然で証券会社に空売り原資を与えるようなものであり、将来の潜在的な売りや、期限切れの強制決済や投げ売りを誘発するため需給悪化・株価下落の要因になり得ます。
以上、需給面でNTTについて言えるのは、以下です。
- 制度信用:買い向かっている
- 一般信用:買い向かっている
これが制度・一般どちらも売り越しに転じると信用買いの入れ替わりが望めることになり、需給が好転するでしょうか。
投資家心理

出所:kabutan
買い予想数上昇ランキングは、別名「下落トレンドの銘柄においては、信用買いで捕まっている人々が希望を込めてポチる序列」とも言え、NTTは先月栄えある1位に叙されましたが、直近は92位。
先月までの期待感がしぼみ、やや悲観ムードになっているでしょうか。
最近の日本株を見ていると、信用倍率が悪い銘柄は、機関のAIやアルゴで狙い撃ちにされやすい印象を受けます。個人が投げたあとに大口が買うパターンです。
0.5%を超えずに空売りすれば、データに載ることもないので野村やモルガンは複数社で実質1~1.5%程度まで売り増すことが可能かと思います。
まとめ
ということで、以下の考えに至ります。
- チャート
→ 反転目安の第一弾を割り、第二弾も割り込む、次の節目は139円 - 需給
→ まだ好転を待ちたい
現物長期つみたてならば、買い下がることは王道でありだと思いますが、信用で買うならば本格的に資金を入れるのは日証金の日次データが反転してからでよいかなと思います。
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