株価急落中の小田急など鉄道株は買いなのか、需給面の現状を確認

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株価急落中の鉄道株(小田急、近鉄、南海電鉄)新規買い、需給面の現状を確認

小田急、近鉄、南海電鉄の株式を購入しました。旅行にも役立つ優待をのんびりたのしみながら保有したいと思います。

出所:Google Finance

上図は、小田急・南海・近鉄とTOPIXを比較した年初来チャートです。一目瞭然、私鉄大手の株価が相当軟調です。その背景を探りたいと思います。

「マネーゲーム」の様相を呈する私鉄大手の株価推移

私鉄大手の株価はいわゆる仕手株(マネーゲーム)のような様相を感じる動きで、たとえばコロナ禍で大幅赤字のときにすさまじい上昇を見せました。

これはもちろんファンダメンタルズ(業績など)で説明できる動きではなく、当時は信用売り残が圧倒的に多い「売り長」の状態でした。

おそらく「コロナ→赤字→株価低迷」という順当な考えをした個人投資家が多かった証左なのでしょうけども、そこに目を付けた機関が買い上げて個人の損切りを誘って買い上げた可能性が考えられます。

小田急の株価チャート(出所:マネックス証券)

そこからの反動、コロナ禍から脱却し、業績が回復するにつれ逆に株価が下がり続けました。いまや最高益、またはそれに近い私鉄大手の株価が10年来の最安値付近に沈むという、なんともファンダメンタルズとは真逆のいびつな動きとなっています。

MSCI指数「ACWI」から除外が相次ぐ私鉄大手

最近の私鉄大手はMSCI指数(ACWI:オルカンの元指数)から除外が相次いでいます。需給悪化要因といえます。

おそらくMSCI指数構成銘柄の除外基準は、ドル建て絶対値の時価総額が一定基準を下回る銘柄だと思われます。

そこに目をつけたか、出来高少ない私鉄大手で空売り増加

その基準をすでに把握し、日本の私鉄大手株が除外されそうとの目算を立てたか、ICS(Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd)などの外資系の機関投資家が、次にMSCI除外の憂き目に遭いそうな近鉄や、すでに除外された東武や小田急で空売りを積み増していました。空売りで時価総額を下げ、MSCI除外基準を満たせばさらに需給悪化で利益を積み増せます。

出所:karauri.net

いったんICSが空売りを仕掛けた銘柄は、執拗に株価が下がる傾向がみられます。たいてい出来高の少ない銘柄で空売りを仕掛けてくるので、需給が悪化しやすく、相場操縦に近いことができてしまうわけです。

そこは中国のように空売り禁止などの強硬的な措置をとってもよいかと思いますが、東証はそのへんはまったく取り締まらないので、外資機関にいいようにされてる面があると言えます(主権国家のお面をかぶった主権なき国家ジャパンでは、仕方ない面もあるのかもしれません)。

ようやく強化の兆しをみせる株主還元

出所:小田急IR

小田急は直近の決算で総還元性向40%以上をめどとし、長らく20円前後で推移してきた1株配当を30円に引き上げました。京王も同様で、私鉄大手でようやく優待以外の株主還元をやや強化する動きがみられます(JRはまちまちで、九州>西>東>東海の順で還元が厚い)。

MSCI除外前にやっていればここまで株価が落ちることはなかったでしょう。また、昨今は増配と自社株買いとセットでやって株価が好反応を見せる傾向がみられるため、増配のみでは株価浮揚効果がやや薄いですね。

下値余地覚悟で買い進めたい

とはいえ見方を変えれば株を安く買えることになりますから、低迷しているうちに下値余地を覚悟でいろんな鉄道株を買っていきたいと思います。

電鉄系の株式優待は全線利用可能な切符など旅行好きにとっては魅力的でたのしいものです。比較的のんびり長期保有しやすいのも、個人的には好きな点です。

トータルリターンは二の次になるでしょうけども、優待で旅行や日々の交通費が下がるのはなんとなく心躍るものがあるのです。移動するきっかけになりますからね。

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