奇妙な株価推移が続く私鉄大手(京王、小田急、東武など)
一昨日はやはりというか、短期的に売られすぎのサインが出ていた日本株は、少なくとも短期的には一定の反発がありました。
指数とは異なる不思議な動きをしていた銘柄があったので紹介します。
後場で崩れた私鉄大手の株価
以前みんかぶの取材等でも触れたのですが、関東私鉄大手のたとえば以下銘柄は、なかなか奇妙な値動きをしています。
- 京王電鉄
- 小田急電鉄
- 東武鉄道
薄い板に大量の売り玉
そもそも京王などの私鉄大手は、まず時価総額のわりに「板が薄い」特徴がみられます。
- 1分間に200株しか売買が成立しないこともよくありますし、
- 気配値も1円につき数百株しかありません。
こうした状態でなにが起きうるかと言えば、たとえば大口の機関投資家による売り玉があると、株価が急落するわけです。
たとえば昨日の後場は1分に数百株しか出来高がないような京王に対して、2分間に3億円分(8万株)の売り玉がぶつけられています。これはさすがに個人ではないでしょう。
ましてや京王は、
- 業績が最悪のコロナ禍で8,820円の高値を付け、
- 今年2月に最高益の決算を出しましたが当時の株価4,600円から下がり続けています
ですから、株価は短期的に業績をまったく反映しておらず、需給に左右されている状態と言えます。やや仕手的な動きとさえ言えます。株が業績を反映するのはあくまで長期の話であって、短中期的にはこのように業績とまったく関係のない値動きをするわけですね。
個人的にはかなり不可解な値付けだと思いますが、いくら不思議な値段がついていても、大量の売り玉を浴びせられれば株価はその値段に収れんします。
これは推測の域を出ませんが、
- 大量保有報告書を出していた野村アセマネが持ち玉を放出したか、
- これまで京王で執拗に空売りを仕掛けていた「Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.」が、昨年11月以来に再INしたのか
これぞ仕手の真骨頂というところでしょうか。この手の銘柄には多くの資金を割かないほうが賢明だと思います。