映画『飛べない風船』で印象に残ったセリフ
あらすじを「映画.com」から引用します。
豪雨災害からの復興が進む瀬戸内海の島を舞台に、それぞれ心に傷を抱える男女の不器用ながらも優しい交流をつづったヒューマンドラマ。2018年7月に発生した西日本豪雨による土砂災害を題材。
陽光あふれる瀬戸内海の小さな島。数年前に豪雨災害で妻子を亡くした孤独な漁師・憲二は、疎遠だった父に会うため島へやって来た凛子という女性と出会う。彼女は教師の仕事で挫折したことをきっかけに、自身が進むべき道を見失っていた。互いに心を閉ざしていた憲二と凛子だったが、島の人々に見守られながら少しずつ親交を深めていく。
「コンフィデンスマンJP」シリーズの東出昌大が憲二、「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子が凛子を演じ、小林薫、浅田美代子が共演。
作中で印象に残ったセリフがありました。教職をやっていてうつ病になった娘(30代?)と、元・教師の父(60代?)との会話です。
- 娘:私が教室で話しだすと、席を離れる生徒がいた。「家ではそうではない」と母親から聞いた。それでうつ病になったの。どうしたらよかったのかな…?
- 父:ひとりで背負いこまないこと。生徒が良くなろうが悪くなろうが、成功しようが失敗しようが、教師ひとりの責任じゃない。適度にサボること、やりすぎないこと。
- 娘:定年まで続けた人がそんなこと言う?笑
- 父:だから定年まで続けられたんだよ。笑
本気でやり込むことも当然たいせつですが、長く続けるには硬一辺倒ではなく、硬軟織り交ぜる必要ありますよね。
現代で教職という職業柄ストレスがたまりやすい職種であることも関係していると思いますが、多かれ少なかれ一般的には仕事をしているとこうしたストレスや壁にぶち当たるかと思います。モンスターカスタマーもいれば、モンスターペアレンツもいるし、まじきちな人もいる。
法律事務所に勤める友人がこんなことを言っていました。
友人
組織にいれば、ひとりや二人はかなりまじきちな人がいることもありますよね。顧客や取引先もそうかもしれません。
そういうまじきちな人にいちいち心を砕いていると、こちらが精神的にやられそうになることもありますよね。
本当にまじきちな人って、常人には理解しがたい心理構造や言動機構なので、「なんでそうなるんだろう」と親身になっているうちに、まさに朱に交わって赤くなったり、ミイラ取りがミイラになってしまったり、良心ありき者が不条理にも不遇に処されることもある。
ですから、自分と自分の人生を守るために、共感の対象域をあえて狭くすることも時に必要ですし、まじめ一辺倒ではなく、時にはのらりくらりとしなやかにかわすことも処世術として必要ですよね。
私も長年ブログやSNSをやってきましたが、一時期まじきちコメントが飛んできたこともありました。そこでいちいち真に受けていたらとてもブログやSNSを続けていなかったでしょう(笑)
穂高 唯希
今までいた環境って実はものすごく特殊やったんやろなぁ
などと感じ入ったものです。まじめ一辺倒ではなく、時にはぽよ〜んとしなやかに跳ね返したり受け流す。泰然とする。
自分の人生史に絶大な自信を持てれば泰然としていられる。そのためには要所を押さえる、真剣に悩む、本気で事に当たる。
そんなふうにして、純真無垢で人を疑わずに育ち明朗溌剌無邪気で天真爛漫な少年も、ほんの少しだけアダルトになっていくのかもしれません(自分で言う)。
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