円安である今のうちに「ソニー生命の米ドル建終身保険10年」を解約したほうがよいか

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円安である今のうちに「ソニー生命の米ドル建終身保険10年」を解約したほうがよいか

以下ご質問に回答しています。

ご質問

メッセージ本文:
穂高様

こんにちは。

以前米ドル終身保険についてのご相談をさせていただきアドバイスをいただいたものです。

米ドル終身保険加入済で、途中解約しなくてよいケース」としてとりあげてもいただきました。

米ドル終身保険加入済で、途中解約しなくてよいケース
米ドル終身保険加入済で、途中解約しなくてよいケース 保険商品に関しては、「特殊な事情や好みがないかぎりは、お金を増やすために保険に...

その後、穂高様のアドバイスを参考に追加の払込をやめ死亡保障で受け取るという選択をしました。よい選択ができたこと、穂高様には感謝の気持ちです。

今回、再度ドル建て保険「ソニー生命の米ドル建終身保険10年払込済」のアドバイスをいただけないかとメールをさせていただきました。

保険としては2017年に加入し10年で元本保証になるといった保険にはなっています。ただご相談させていただいた時点から円安がすすみ、現時点で解約しても106%程度の返戻率となっています。

そこでこの保険を解約して、自分で米ドル債などで運用したほうがよいのではと考えています。2017年からであと3年なのでそのままにしたほうがよいのかもとも思います。

私の認識では違約金はなく、ドルでの受け取りも可能ということだったように思いますので、円高リスクは問題ないような気がいたします。(平均為替レートは¥108となっているので)

主人の年齢が68歳ということもあり、あまりリスクをとらないほうがよいのではと考え、米ドル債券での運用をと思いましたが、ほかに穂高様から解約後の運用選択のご意見があればぜひお伺いしたいです。

記憶をたどれば主人が82歳(契約から20年後)から元本以上の保険になるといった内容だったような気がします。

厚かましくも再度ご相談させていただきましたが、何かアドバイスをいただければありがたいです。よろしくお願いいたします。

追伸
先日蒲郡の記事を2つ、掲載しておられました。
なにをかくそう私の暮らしている町でして
うえむらもクラッシックホテルもなじみあるところで
穂高様がいらしたのかと思うとなんだか誇らしくなりました。
なんの特色もない小さな町ですが
海あり山ありの温暖な地域で暮らすにはとてもいいところです。
気に入っていただけたようなので、またぜひ蒲郡にいらしてくださいね。

前回のご質問へ回答後、納得いく選択をなされたとのこと、うれしく思います。

蒲郡は本当に風光明媚で素敵なところでした。またぜひ、うえむらやクラシック、竹島を行脚したいです。

「米ドル終身保険」の現状と注意したい点

さて、状況は下表のとおり拝承しました。

ソニー生命 米ドル
保険金額 36,950 5,571,320
解約返戻金額
(未経過保険料含む)(1)
24,413 3,681,130
既払込保険料(2) 31,464
(平均為替 108.80円)
3,423,640
返戻率(1)÷(2) 77% 107%

幸い近年の円安で返戻率100%以上と。途中解約の違約金などが生じないということなので、精神的に解約しやすいですね。

補足:保険の目的とは

再三再四ながら、ドル建て終身保険は(上表のように加入から7年経過でドル建て返戻率は77%にとどまるなど)純粋な資産運用としての効率性はよろしくありません。

あくまで保険は保障や相続対策を求めるもので、資産運用として収益を求めるには自分で株式を買ったほうがよい傾向であることを申し添えます。

保険解約後の運用

主人の年齢が68歳ということもあり、あまりリスクをとらないほうがよいのではと考え、米ドル債券での運用をと思いましたが、ほかに穂高様から解約後の運用選択のご意見があればぜひお伺いしたいです。

米ドル債券は、現状以下を認識したうえであれば選択肢になるかと思います。

  1. 現在の円安水準では円高リスクが気になる
  2. 長期債は昨年より価格が上昇している
  3. 長期債は短期債に比べ、金利変動の影響で価格変動率が高い

したがって、「リスクをおさえたい」という目的で米ドル債を今から買うにしても、円高リスクが気になるところではあります。

米ドル建て保険なので、ドルで受け取ってそれを債券へ、という考え方ももちろんできますが、その場合は「返戻率77%を許容する」、つまり「損切り」することになります。

円で利益確定をして、Jリートも一案

あくまで私ならですが、円で受け取って7%の利益確定という結果とし、一部を依然として株式よりは相対的に安値圏にある「Jリート」にまわすと思います。

目安としてJリートは指数が分配利回り4%を超えれば割安、下回れば割高とみることができます。現在は4.54%と高いです。

暴落局面で株式と同様に下落するリスクあり

もちろん、リスクもあります。一般にリートはミドルリスク・ミドルリターンと言われるものの、リーマンショック、コロナショックで株式と同等またはそれ以上に下落しました。

現物不動産は流動性が低いので、すぐ売れるリートを売ってヘッジしてしまえ、と考える投資家がいても不思議ではありません。

ただ現状、株式に比べると相対的な割安さはあると思います。

いずれにしても、リターンを得るにはリスクをとる必要があるため、どこまでリターンを追求するのかを先決する必要がありますね。

リスクをおさえたいということですので、「株式か債券か」という0か100かではなく、あくまで資金の一部をJリートや株式へ、というかたちでリスクを調整するのも一案かと思います。

回答になっていましたら幸いです。

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