「株価が暴落する前に株を売っておくべきか」というご質問への回答

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「株価が暴落する前に株を売っておくべきか」というご質問への回答

以下のご質問に回答しています。

ご質問

題名: いくつか質問があります。

メッセージ本文:
はじめまして、〇〇と申します。

現在34歳で、5年以内にはFIRE(一億)したく、去年(2022年10月)から株式投資を始めました。
その際に、「オートモードで月18.5万円入ってくる高配当株投資」を参考に500万ほどあった貯金を全てつぎ込みました。
微々ながらも買ったときより株価は上昇しており損益はプラス60万ほどで、損にはなっていないのですが、その株は売るに売れずホールドしております。

そこで質問です。

  • 株価が大暴落する前に売っておくべきか?
    (必ずいつか大暴落はくるとのことで、上がり傾向にあるいまに売ってしまって、大暴落が来てから買い直すべきかと思っています)
  • 2024年の新ニーサでも買うべき銘柄は変わらないか?
    (次にお金を貯めたら新しく商社関連と、現在保有している株を更に買おうと思っています。)
  • いま、本当に株を買うべきか?
    (株価が上がり傾向にあるのは素人でもわかります。その中で買うのは本当に「買い時」なのか?と悩んでます)

数多くの質問や相談が来ているとは思いますが、何卒宜しくお願いします!
私もFIRE(最低でも一億、欲を言えば三億)して、正社員をやめてパート労働でのんびり愛犬や大切な人と暮らしていきたいとおもっているのですが、とある著者にコンタクトをとったら怪しい人物を紹介され馬鹿高い入会料を求められるサロンに勧誘されたりなど正直なところ詐欺としか思えない人ばかり見てきたので、三菱サラリーマンさまが最後の希望(信用できそうな人物として)となっています。
なので相談に乗っていただけると幸いです…!

詐欺的なものに遭われたとのこと、たいへんでしたね。

株価が大暴落する前に売っておくべきか

株価が大暴落する前に売っておくべきか?
(必ずいつか大暴落はくるとのことで、上がり傾向にあるいまに売ってしまって、大暴落が来てから買い直すべきかと思っています)

大暴落は必ずいつか訪れますが、いつ訪れるかはわかりません。

たとえば私は2016年頃から本格的に米国株に投資してきましたが、2017年も、2018年も、まことしやかに暴落説はありました。しかし結果は右肩上がりの上昇でした。

関連記事:今、米国株がバブルなのかという議論にはあまり興味がない理由

おそらくご質問の文面から察するに、「暴落時期は予測できる。将来の株価は予測できる」とお考えのようにお見受けします

しかし天才的な投資家でも精緻に暴落時期を予測することは極めて困難です。したがって、「暴落が来る直前に売りぬけて、暴落が来てから買いなおす」という行為を現実に実行することは困難です。

卑近な例としては、私自身、2022年始に下落前にうまく売り抜けられましたが、2023年前半は読みを誤って機会損失でした。

株を今買うべきか

同様に、「株を今買うべきか」というご質問についても、以下のように回答します。

株式投資というものは、「将来の不確実性(今後株価が上がるか下がるかわからない)というリスクを負って、リターン(利益)を得ようとする行為」です。

したがって、株を買うのが「今」であっても、「1ヶ月後」であっても、「1年後」であっても、株を買う行為は、

  • 前提条件として将来の株価は不透明であり、
  • 今後株価が上がるか下がるかわからないが、そのリスクを承知で長期的には上昇するシナリオに賭けて利益を期待すること

であることに変わりありません。

つまり、「株を今買うべきか」というご質問への回答は、「上述黄色下線部をいま許容できるなら買い」であり、「上述黄色下線部をいま許容できないなら買いではない」と整理できます。

やや禅問答のような色彩もありますが、ご質問いただいた文面をふまえて正確に答えるとこのようになります。

つまりまずは、

  • 将来の株価は予想できない
  • 投資本の著者やインフルエンサーであっても株価は予測できない

という株式投資における大前提をまずはご理解のうえで、リスクを負ってリターンを得る行為であることを明確に認識したうえで投資に取り組むことをおすすめいたします。

また市場が好調のときは年率15%などの高リターンが単年で出ることもありますが、基本的には平均して3~7%、つまり一桁の収益率というのが過去の統計が示す値です。

こうした数値を頭に入れておき、極端に高いリターンをうたう詐欺的な商品にだまされないようにしたいですね。

5年以内に1億円を達成する条件

ちなみに、「500万ほどあった貯金をつぎ込み、5年以内に1億円をめざしている」とのことですが、そのためには年率平均リターン7%と仮定すると、たとえば下記①~③のいずれかを達成する必要があります。

  1. 毎月約140万円をつみたてる
  2. 元本4,000万円で、毎月60万円をつみたてる
  3. 元本6,000万円で、毎月20万円をつみたてる

出所:MoneyJourney

本格的に株式投資をする場合、主体的に情報収集し、金融の基礎的な知識を学んでいくことが望ましいと思います。

関連記事に推薦図書などを載せておきますのでご参考にしてみてください。

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