日本株の下落幅が大きくなってきた今、冷静に意識したいこと
日本株、米国株ともに下落基調となり、そう感じる方もおられるかもしれません。そういうときに意識したいことを記しています。
日経平均株価はレンジを割り込もうとする展開
日本株は4月から上放れしたあと、一定のレンジ内を推移するボックス相場へ突入しました。
米国の長期金利上昇が続くなか、昨日発表のISM製造業景気指数が予想を大幅に上回り、さらに長期金利が上昇し、米国株は下落。それを受け、日経平均は31,000円台を初動で割り込む展開が予想されます。
10月4日朝時点で、日経平均先物の値は30,700円、直近高値は33,700円なので、9%下落。現時点では暴落には程遠い水準です。
個人的に日本株に対しては、金融政策・インフレ・株主還元の積極化などの観点から、依然として下落局面では中長期で買い場を探っていく目線です。
信用買い残が16年ぶりの高水準ということもあり、もう少し深い調整があるかもしれません。
株式暴落の歴史:平均下落率30%
さて、株式暴落の歴史を振り返ると、平均下落率は30%で、ひどいときは50%下落します。まずこの数字は頭に入れておきたいところです。
日経平均株価はPBR0.8~1倍がサポートとなってきた
日経平均株価は、過去の傾向としてはPBRが1倍、または1倍~0.81倍の水準で下げ止まってきました。
10月3日終値時点の日経平均PBRは1.29倍なので、ここから20~35%の下落がありうることは心構えとして持っておきたい数字です。
つまりその程度の下落が耐えられるかを自問してみることが一案かと思います。
- 投資額100万円:20~35万円の資産減少
- 投資額1000万円:200~350万円の資産減少
- 投資額1億円:2,000~3,500万円の資産減少
もちろん資産が減るのはだれしも心地よくありませんが、株式投資をするということは、この手の資産減少は避けて通りづらいことを意味します。
この資産減少が耐えられない場合は、自分のリスク許容度に対して多くのお金を入れすぎている可能性があります。
目線を転じる
先日、「鬼怒楯岩大吊橋」という吊り橋を歩いていました。
下を見ると、はるか下に流れる川が見えて、恐怖を感じます。しかし目線を上に転じると、すばらしい景色が広がっていました。
株式市場も同様に、「下がる下がる」と思っていると恐怖が増幅される面がありますが、「安く買える」と目線を転じれば、安く買えるという好機に目を向けられます。
コロナショックでは一時的に2,000万円ほど資産は減りましたが、そのとき買ったものが大きな利益を生みました。
この2つが重なると、資産は大きく増えます。
- 大きな上昇トレンドに乗ったとき
- 暴落の底値に近い水準で買えたとき
株式市場が大きく下落しているときは、
- リスクをとりすぎていないか確認し、
(今回の日本株でいえば、さらに2~4割下げても耐えられるか) - 安く買えるチャンスをうかがう
ということに尽きるかと思います。②は目線を転じるということですね。
まとめ
- 暴落:過去の平均下落率は30%、ひどいときは50%
- 日本株:PBRの観点からは、20~35%の下落余地がある可能性
- それほど下げても自分が耐えられるかを確認する
- 一方で、「下落は買いの好機にもなり得る」と目線を転じる
私は登山が好きですが、登山は最悪のケースを想定して持ち物や行動を決めることがあります。
本記事は最悪のケースを想定して、心構えをしておく、リスク管理をしておくという趣旨ですので、もちろん暴落に至らない可能性もあります。
しかしそうであっても、「リスクをとりすぎていないか」をご自身で確認するのはよい機会かと思います。
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現在は米国短期債券でも十分な利回りが得られます。