米国株を一部売却し、短期債を購入。理由・メリット・リスク。

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米国株は長期保有目的の銘柄以外は売却して短期債へ

保有米国株のうち、長期保有目的の銘柄のみを残して、残りは売却しました。

ドミノピザは利益確定、ドクシミティーは損失確定。

その資金で米短期債を買いました。

短期債とは

主に「償還期間が1年以内の債券」を指します。

たとえば、以下のようなものがあります。

  • Tビル:償還期間1-3か月の米短期国債
  • CP(コマーシャルペーパー):信用力が高い一部の優良企業が発行できる短期債

国債の種類(出所:グローバルX)

短期債を買った理由

ひとことで言えば、「短期金利が高い今は、短期債による利息が5%程度と多く、低リスク。資金の置き場所としては悪くなく、暴落対策にもなる」といったところです。

短期債を買った理由
  • 現在、米国の短期金利(=FFレート)は 5.25-5.50% と高い水準で推移
  • 短期債を買うことで、低リスクで高い金利収入を得られる
  • 短期債は信用リスク・金利リスクが低く、安全性が高い

逆イールドで短期債の魅力が相対的に高まる

本来、短期金利は長期金利より低いわけですが、現在は逆イールドといって「短期金利長期金利」となっています。

赤:短期金利、青:長期金利(出所:セントルイス連銀)

つまり、本来ならば「短期債の利息 長期債の利息」ですが、現在は「短期債の利息 長期債の利息」という珍しい状態であり、一定の旨味があります。

加えて、短期債は償還期間(=デュレーションと言います)が短いので、金利上昇による価格下落が長期債に比べて小さい性質があります。

つまり、「短期債の価格変動リスク 長期債の価格変動リスク」であり、相対的に低リスクです。

また、長期金利は、経済成長率や財政危機などの影響を受けて変動しますが、短期金利は基本的に中央銀行の金融政策のみで決まるので、不透明要素が少なくなります

たとえば直近では米国の政府債務の膨張や国債の乱発が長期金利の上昇要因となり、長期債の価格が下がりましたが、Tビル(償還1-3カ月の国債)は影響を受けていません。

短期債ETF【BIL】株価チャート(出所:Google)

上図は、償還期間が1-3カ月のTビルへ投資するETF【BIL】の株価チャートです。過去16年間の価格変動は0.7%ときわめて小さいです。

株式市場の暴落に備える安全資産にもなるでしょう。

短期債のメリット

以上から、以下のようにまとめられます。

短期債のメリット
  • 現在はFRBの利上げにより短期金利が高い
  • そのため、短期債を買うことで高い金利収入を得られる
  • 短期債は信用リスク・金利リスクが低く、安全性が高い
  • 暴落対策になる

短期債のリスク

逆に、米国の短期債にはリスクもあります。

短期債のリスク
  • 短期金利以上のインフレ
  • 為替リスク
  • 利下げで利息低下

現在、短期金利は5.25-5.5%で推移していますが、もし今後インフレが強まり、5.5%以上で推移した場合、債券の実質的な価値は下がることになります。

また、為替が円高に振れれば、ドル建て債券の価値は下がります。

加えて、FRBが利下げをすれば、短期債の利息は下がります。

では以上のメリット・リスクをふまえて、米短期債に投資したい場合、どんな方法があるでしょうか。

米短期債に投資して、高い金利収入を得る方法

現状、米ドルで高い短期金利の恩恵を得るには、主に以下3つが考えられます。

  • FXスワップ
    利回り 5.8%
  • ETF
    5.3%(信託報酬0.1%)
  • MMF
    4.8%(信託報酬0.7%)

① FXでレバレッジ1倍:短期金利以上の金利収入が得られることも

FXのスワップは、両通貨の金利差にくわえて、通貨の需給が反映されます。

たとえば米ドルをほしい人が多ければ、米ドル買い持ちで得られる金利収入は、短期金利+通貨の需給分が上乗せされ、短期金利以上の収入が得られることがあります。

レバレッジをかけると予期せぬ変動で損失確定リスクがあるので、レバレッジはあくまで1倍とすることをすすめます。

② Tビルに投資するETF:ほぼ短期金利なみの金利収入

超短期国債であるTビルに投資するETFは、主に以下2つがあります。

      • BIL(運用会社:ステートストリート)
      • CLIP(運用会社:グローバルX)

このうちBILは、日本の主要証券会社では取り扱いがないので買えません。CLIPは、楽天証券などで取り扱っています。

③ ドル建てMMF:経費率がすこし高い

SBI証券で扱うドルMMFは、利回りは4.6-4.8%程度です。

出所:SBI証券

米ドル建てMMFは経費率が0.7%程度(例:ゴールドマンサックスが組成するMMF)と高いぶん、利回りは短期金利5.25-5.5%より低い4.7%ほどにとどまります。

ただ、ETFのCLIPに投資して、外国税額控除で外国税10%の還付を受けない場合は、結局手取りで同等の収入におちつきますね。

まとめ

ひとことで言えば、「短期金利が高い今は、短期債による利息が5%程度と多く、低リスクなので、資金の置き場所としては悪くなく、暴落対策にもなる」といったところです。

短期債のメリット
  • 現在はFRBの利上げにより短期金利が高い
  • そのため、短期債を買うことで高い金利収入を得られる
  • 短期債は信用リスク・金利リスクが低く、安全性が高い
  • 暴落対策になる

短期債のリスク
  • 短期金利以上のインフレ
  • 為替リスク
  • 利下げで利息低下

高い短期金利収入を得る方法
  1. FX 5.8%
    レバレッジ1倍で活用するならアリ、
    通貨需給によって金利収入が変わる
  2. ETF 5.3%(信託報酬 0.1%)
    【CLIP】はTビルに投資するETF
  3. MMF 4.8%(信託報酬 0.7%)
    短期金利より利回りやや低い

なお、本記事でいう短期債は、短期債のなかでも償還期間が1-3カ月の超短期債のことを指しています。償還期間1-3年の債券は、そこそこ価格変動があります。

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公開日:2023年9月8日