米国のインフレと政策金利
昨夜発表の米消費者物価指数(CPI)は市場予想8.2%に対し、結果は8.6%(前年同月比)。
今週S&P500は上値を切り下げ、年初来安値に近い水準。
1970年代
米国がスタグフレーション(インフレ+景気後退)に悩まされ、株価が低迷した1970年代を振り返ってみましょう。
上図の通り、「FRBの政策金利(赤)> インフレ率(青)」という期間を経てインフレが落ち着いています。
1974年にインフレ率が8%を記録した際、政策金利は10%近傍です。
現在
では、現在はどうでしょうか。
上図の通り、利上げが始まったとはいえ、「FRBの政策金利(赤)<<< インフレ率(青)」という状態。
コロナショック以降は財政出動や現金給付などが実施され、インフレ率は急上昇。足もとのインフレ率(8%台)は、政策金利(約1%)よりはるかに高い水準です。
歴史が繰り返すならば、金利とインフレ率の観点からは、FRBがインフレ率の水準近傍まで利上げを行わないとインフレが収まらない展開が考えられます。
そして、市場の注目が「インフレ高止まり → 利上げ、景気後退」といったかたちで引き続きリスク回避的に動くと、株価に対しては引き続きネガティブになることが考えられます。
FRBの一部メンバーからは、年後半に利上げを一時休止する案も出ているとされます。実行した場合、インフレ率は収まるのでしょうか。
利上げを一時休止すれば株式市場は堅調となることが予想されます。ただし、2018年と同様、いずれのちにまた利上げ局面を迎えることにはなるのでしょう。
22年3月末におけるFOMC参加メンバーによる政策金利予測の中央値は、22年末に1.875%、23年末2.75%、24年末2.75%。
6月のFOMCでは、この数値がどう変化するのか注目ポイントになりそうです。
上昇局面が何度かの反落を経て続いていくように、下落局面も何度かの反発を経て続いていく傾向がみられます。その点には留意しておきたいですね。
ご参考になりましたら幸いです。
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