個人も国家も、中長期的な展望を持てるか

個人も国家も、中長期的な展望を持てるか

去る5月30日に放映された、BS-TBS「報道1930」の内容は興味深いものでした。

ゲストは元・駐ソロモン諸島大使など。テーマは、クアッド(日米豪印の4カ国による外交・安全保障の協力体制)へ対抗する中国の南太平洋島嶼国への外交・安保アプローチです。

これによると、中国の南太平洋諸国への歴訪は、軍事・宇宙両面による中長期的な展望に基づいてきわめて戦略的にパートナーシップを結ぼうとしていることになりますね。

第1列島線の沖縄ライン、第2列島線のグアムライン、第3列島線のハワイラインへ中国が海洋進出(当初は民生用という名目で飛行場を敷設し、安保協定の締結によって軍人の派遣・軍艦の寄港等を可能にすることが、すでにソロモン諸島で結ばれる草案が漏れている)となると、まさに太平洋戦争(大東亜戦争:日本で閣議決定された名称。太平洋戦争:米国が定めた名称)で日本が戦略的要衝と位置付けた通り、

  1. 米豪の分断
  2. 台湾有事の際に在日米軍のみで対処しきれない場合に、①グアム基地からの来援、②ハワイ太平洋司令部からの来援、③米本土からの来援を阻止

といった作戦も遂行可能になる、まさに地理的要衝ということになります。

もちろん日本にとって他人事ではなく、軍事という国家的中枢機能を米国に依存してしまっている以上、米軍来援の足かせになる事象は日本の安保体制に直結します(そもそも日米安保できちんと米国が議会で国内手続きを正常に終えて、かつ履行されるという希望的観測が入っている前提なわけですが)

また、これらはあくまで軍事的な観点であって、同時に宇宙開発における運用も利便性が高まり、南太平洋にロケット基地を建設すれば(既に南太平洋諸国で中国は経済力をてこにスタジアムの建設等を幅広く現地で行っている)、米軍の弾道ミサイルを観測できるだけではなく、ロケット基地をミサイル目的への転用可能性も浮上してくると。

まさに軍事・宇宙の両面で一石二鳥となるような戦略。

日本国内で各利害団体等が足を引っ張り合っているいとまはなく、国家資本主義というシステムのもと、よくもわるくも専制的で大衆迎合主義におちいる必要もない国は、中長期的な戦略にもとづいて着々と手を打ってきている印象。

かの国は骨の髄まで身に沁みて知っているつもりなので、平和に慣れ切った日本人は、きわめて戦略的で賢い国の政策に気づかぬうちに、水面下で事が進んでいることに気づかず、徐々に度合を増す手法で麻痺状態となり、いずれいわゆる浸水が進んでしまうのではないかとすら思えます。拡張主義でなければ、よろこんで手を携えることが可能ですが、拡張主義である場合は事実上、携手は困難になってしまいます。

南太平洋諸国へのアプローチを見ていても、戦略的やなぁ…と思わず感心してしまうほど。

とはいえ、これはあくまで国家規模の戦略やイデオロギー的な話にすぎないのであって、いち国民としてどちらに住まうのが幸せかと言われれば、それは個人的には無論でしょう。

そして個人レベルの話でも、結局はどれだけ中長期的な展望を持てるのか、というのは1つの焦点なのでしょうね。

資産形成、人生戦略、理想的な人生の実現。

人生にはさまざまな側面がありますが、短期的に刹那的に成せるものはやはり限られますから、ある程度は中長期的な計画や展望に基づいて、一歩一歩、歩を進めていくことが定石でしょう。

短期的に一発逆転を狙うこともひとつの方法ながら、中長期的な戦略としての定期つみたては傾向として再現性はやはり高くなることが期待できます。

個人レベルでも国家レベルでも、結局はどれだけ中長期的な展望を持つことができ、そして実直に行動に移せるのか、というきわめて現実主義的かつ実践主義的な視点が肝要だと思います。

そして中長期的な展望を持つには、やはりまずは自分を知ることからでしょうか。自分への客観視、そして日々の対話を通じて自身への理解を深めていくことが第一歩だと思いますね。

関連記事

自分の価値観は人生の早い段階で熟知しておいた方が良い、そのためにとことんやれ
私が今まで生きてきて、「これやっといてよかったな、これ気づいといてよかったな」ということについて、読者の方々の参考になるかもしれないと思...

何事もやりすぎるぐらいやるから、いつもちょうど良い塩梅が見つかる
何事もやりすぎるぐらいやるから、いつもちょうど良い塩梅が見つかる 以前、北海道で5時起床からの、雑草抜きをやり込んでいた時期があり...

貯蓄と投資の割合をどう考えるか、判断材料とは【給与の何割投資にまわす?】
貯蓄と投資の割合をどう考えるか、判断材料とは【給与の何割投資にまわす?】 「給与のうち、どれだけ貯蓄し、どれだけ投資に回す...
Twitter
スポンサーリンク

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

外国株式ブログランキング

公開日: