配当金生活をめざす際のVTIとVYMを考える

VTIとVYMのトータルリターン・増配率

「配当金生活をめざす場合、VTI・VYMのどちらが適しているか」というご質問です。

ご質問

お忙しい中ご返信をいただき誠にありがとうございます。
アドバイスをいただきまして、VTIへの理解や、自分の資産形成の目的が明確になってなかったと気付きました。

私の資産形成の目的として、最終的に配当で生活できるようになりたいと考えております。

§1.15年かけて3000万円投資→利回り4%で月10万の配当を得る
§2. 投資金額を増やし月15万〜20万の配当を目指す

そういった意味では、高配当ETFの購入に絞ることが自分の目的と合っているように感じました

そこで、大変恐縮ではございますが以下3点のご質問をさせていただきたく思います。

  1. VTIは売却益を含んだトータルリターンが高配当ETFに比べて高いので、長期保有によるキャピタルゲインで資産を増やすには好適という理解でよろしいでしょうか?
  2. 配当を得ることを目的とした場合、穂高様はVTIへの投資にメリットはあるとお考えでしょうか。よく、配当を目当てとしたおすすめのETFの候補にVTIが挙がりますのでご意見いただきたく思います。
  3. (投資は自己責任という事は承知した上ですが)VYM一本に絞った投資というのは危険でしょうか。穂高様がもし月10万円を高配当ETFに割り振ったらこう割り振るというようなご意見もいただけましたら大変幸いです。

宜しくお願い申し上げます。

資産形成は人によって目的が異なるため、その目的を明確にすることで道筋が見えてきやすいですね。

① VTI・VYMのトータルリターン比較

2018年以降、ご理解の通りVTIの方がトータルリターンが明確に高いです。なお、2007~2018年においてはVTI・VYMの税前トータルリターンは同等です。

VTI・VYMのトータルリターン比較(VTI:、VYM:

よって、「2018年以降の傾向(VTI>VYM)が続くと想定するならば、長期でキャピタルゲインをねらって資産を増やすにはVTIが好適」と言えます。

ちなみに、今の税制ですと分配金が多いと、分配金にかかる税金によるロスはVYMの方がやや大きくなります(ただし、配当控除の有無や所得で影響は変動します)

ただし以下②で述べる通り、VTIの増配率を高く見積もったケースでも、VTIがVYMの分配利回りを超えるまで20年以上を要します。

② 配当を得る目的なら、VTIかVYMか

配当を得る目的であれば、以下の整理が可能です。

VTI・VYMの増配率
  • 分配利回りは、VYM(約2~3%)>VTI(約1%台)
  • 増配率も、VYM(10.5%)>VTI(9.4%) ※後述
    増配率がたとえ「VYM 10%、VTI 15%」でも、20年後の分配利回り「VYM>VTI」のまま
  • この場合、20年後であっても、インカムを多く得るにはVTIよりVYMが好適

過去の実績として、VYMの増配率はVTIより高い(2010~2020年)です。

保守的な予想で増配率がVTI>VYMとしても、上記のように5%以上の差が20年以上続かないかぎり、VYMの分配利回りをVTIが上回らないことになります。

よって、配当を得る目的であれば、上記のような稀なケースを想定しないかぎりは、VYMが有力と言えます。

増配率の推移(VTI・VYM)

VYM VTI
分配金 増配率 分配金 増配率
2020年 2.91 2.3% 2.77 -4.7%
2019年 2.84 7.3% 2.91 11.5%
2018年 2.65 10.3% 2.61 11.2%
2017年 2.40 8.8% 2.34 5.8%
2016年 2.21 2.7% 2.22 7.2%
2015年 2.15 12.6% 2.07 10.6%
2014年 1.91 9.1% 1.87 11.7%
2013年 1.75 9.8% 1.67 7.0%
2012年 1.59 20.0% 1.56 26.8%
2011年 1.33 21.6% 1.23 7.4%
平均増配率 10.5% 9.4%

③ 月10万円を高配当ETFに振り向けるなら

高配当株ETFのいずれか1つに絞るなら、VYMが実績としては安定しており、有力です。

VYM一本だから危険ということはないとは思いますが、心配であればほかの高配当ETFに分散したり現金を厚くするかたちですね。

高配当株ETF
  • 株価の変動率・増配の安定感を重視 → VYM
  • 分配金の多さを最優先で追求 → SPYD
  • HDVはVYM・SPYDの中間的な動きをすることが多い

VYMの増配率(2011~2020年)は年率10.5%です。この水準が仮に今後も続くケースにおいては、入金の時系列的な大小にもよりますが、ご質問者さまの目標(15年後に分配利回り4%)は実現可能な範囲です。

まとめ

まとめると、以下のことが言えます。

  • 2018年以降のリターン傾向(VTI>VYM)が今後も続くと想定する場合においては、売却益狙いならVTIが好適。逆に、このリターン傾向が続かなければVTI優位とはかぎらない。
  • 分配利回りは、VYM(約2~3%)>VTI(約1.0%台)
  • 増配率も、VYM(10.5%)>VTI(9.4%) ※後述
    増配率がたとえ「VYM 10%、VTI 15%」でも、20年後も分配利回り「VYM>VTI」のまま。この場合、20年後であっても、インカムを多く得るにはVTIよりVYMが好適

過去の傾向から将来を見据える場合は、以上のことが言えます。ただし将来は不確定ですから、なんらかのシナリオを描いて賭けることにはなりますね。

一方で、過去の数字というものは抽出期間によって差異はあれど、数字自体は一定の中立性があります。ゆえに第三者のポジショントークを挟む余地が少なくなり、主体的に考える土台にはなりますね。

VTIも分配金は増えていますが、上表の通り足もとの分配利回り・増配率はVYMの方が高い数字です。

また、上記はあくまで途中でETFを乗り換える(VTIで売却益をねらってVYMへスイッチ等)ケースは含んでいませんが、一応そのような方法もあります。

またご不明点あれば遠慮なくご連絡ください。回答になっていれば幸いです。

Best wishes to everyone.

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公開日:2022年1月5日