米ドル終身保険加入済で、途中解約しなくてよいケース
保険商品に関しては、「特殊な事情や好みがないかぎりは、お金を増やすために保険に入る意義は見いだしづらい」というのが、弊ブログのスタンスです。
保障と資産運用は分けて考えたほうがよく、保険はあくまで「万一の保障のため」との考えです。
さて、今回は「米ドル終身保険に加入済で、途中解約しなくてよいケース」をご紹介します。
題名: 米ドル終身保険について
メッセージ本文:
はじめまして
穂高様のブログで少しずつ投資を勉強中です。
今回我が家の保険と投資についてご質問させてください。
(穂高様は保険不必要というお考えということは理解したつもりでのおたずねです)
私は52歳でパート勤務です。
主人は68歳でまだサラリーマンとして働かせてもらっています。
2年後には年金生活となるかと思われます。
子供は大学3年生と高校2年生です。
62歳の時に資産分散と主人亡き後の私の生活補填ということで
米ドル建て終身保険に入りました。
10年満期で毎月日本円で68,000円弱の支払いです。
予定より早く主人が役職を解かれることとなり
今までのようにこの保険料が支払えない状況におかれることになりました。
万が一のためこの保険を継続するために貯金を崩していった方がいいのか
資産分散と考えるのなら同じくらいの額をVYMやAGGなどを購入した方がいいか
現金比率をあえてさげないように何もしないほうがいいアドバイスいただませんか。
担当の方からは「払い済みという形もとれますが、ご主人の年齢が高いので
突然のことがおきる場合もあるので続けられるだけ続けた方がよいのでは」と
アドバイスされました。
穂高様であればどうお考えになりますか?
主人と私の年齢差がありどんな資産運用にしたらいいのかわからない状態です。
年齢が高くなれば現金比率を上げた方がよいとブログで読ませていただきました。
主人の年齢からあえて現金を投資に向けない方がいいでしょうか?
ただ主人が先に亡くなった場合、収入が私の年金だけになることを考えると
少しずつでも配当などがある投資を検討した方がいいのかもとも考えます。
2年前から私はパートの給与から
- iDeCo
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス - つみたてNISA
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
を満額しています
その他資産としては
- 主人の会社の持ち株(およそ600万)
- 預金1000万
- 子供の教育資金
は用意ができている状態です。
質問を読んでいただいても意味をなしてないかもしれませんがお返事いただければ本当にありがたいです。よろしくお願いいたします。
(2通目)
お返事ありがとうございました。
あまり意味のわからないおたずねにもかかわらず
お返事いただき、ただただ感激しております。
穂高様がおっしゃる通り
保障と資産運用が混ざっているのでわからなくなっていることを認識しました。
主人の年齢高い時に子供が生まれているので
今までは子供の教育資金をためていただけで、資産運用は何もしてきませんでした。
保険で資産運用ができるとすすめられ、米ドル保険にも加入してきたような状況です。
おたずねいただいたことに関して、担当の方に確認をしてみました。
以下が内容になります。
払い済みという形は解約ではなく、死亡保障額をそれまでに支払った金額でそのまま契約を続けるということだそうです。
現時点でおよそ支払った250万をもとに、284万の死亡保障の保険として契約を続けるということのようです。
今後の支払いはないとのこと。
解約についても確認しましたが、手数料は発生しないけれど、153万しか戻ってこないということでした。
また、主人の年齢が高いため、若い方と比べて突然のことが起きる可能性が高いと考えられ、保険を継続すれば極端なお話、明日何かあれば100000ドルの死亡保障が受け取れるということのようです。
毎月の支払いが給与からできなくなることで、1000万の預金から保険料を支払うことになります。
預金は日本円なので資産を米ドルに分散させるという意味で預金をくずしての支払いをした方がいいのかと考えました。
前回のメールに記載をしていなかったのですが死亡保障に関しては
同じ〇〇生命の変額保険に1300万と××生命のがん保険に300万のものに入っています。
××生命のがん保険の支払いは70歳まで残っていますが変額保険は支払済みです。
我が家にどんな選択肢がいいのかわからず穂高様におたずねしてしまいましたが
少しでも何かアドバイスをいただけると本当にありがたいです。
「将来のための保障」と「資産運用」は分けるとよいかと思います。
なぜなら、保険商品で運用する場合、どうしても効率は悪くなるがちだからです。
背景として、「加入者が支払う保険料には、保険会社の人件費などが含まれている(=つまり、加入者が保険会社の販売管理費などを負担することになるので、個人で資産運用をしたほうが手数料は少なく済む)」ことが挙げられます。間に入る人・会社が増えるほど、基本的に手数料・諸経費がかさむとお考えになるとわかりやすいと思います。
いただいた情報で判断する限り、××生命は払い済みというかたちにしてもらい、〇〇生命も継続による費用がなければ継続でよさそうですね。背景は以下2点と思います。
- 解約すると223万しか戻らない
- 「354万の死亡保障(逝去の際にもらえる金額)は、払い済みの形であれば無条件でもらえる」
以上2条件が付されているということであれば、解約して損失確定をさせるより、追加の払い込みはせず、死亡保障で受け取る権利を留保する(「無条件で受け取る権利を留保できる」という条件付きですが)かたちでしょうか。
(拝読するかぎり、上記は××生命のほうという理解です。〇〇生命は既に払い済みで死亡保障10万ドルと)
通貨分散も保険でやるより、個人の投資としてやるほうが合理的です。とはいえ、今加入されている保険状況を拝見するかぎり、私なら追加で保険料の支払いはせずに加入継続にすると思います。
既に保険にこれだけ加入されている場合は、預金1,000万円は投資や保険に入れずともよいと考えます。
ただし、つみたてNISA・iDeCo以外で追加的な収益を得たい場合、50歳からの運用として一案となるのが、以下です(ただし債券はインフレ期・利上げ期には価格下落リスクあり)。
- VYM:AGG=6:4
高配当ETFと債券ETFで、分配金を得つつ債券をトッピングしてリスクを分散させるかたちです。AGGは現金でもよいですし、インフレリスクや為替リスクを懸念される場合は、円建ての個人向け国債10年・変動が一案です。
なお、確定申告が煩雑な一般口座ではなく、特定口座(源泉徴収あり)がよいと思います。
不明点等ございましたら、遠慮なくご連絡ください。
関連記事
特定口座については、こちらもご参考に供します。
このあたりも年齢・内容として関連するかと思います。ご参考まで。