「ライオンのおやつ」いかに生き、いかに死を迎えるか。温かく穏やかに、死生観を描写した1冊。
「ライオンのおやつ」読んでよかったです。これはめちゃくちゃおすすめします。
- 人生を真剣に生きよう
- 家族にもっとやさしくあろう
- 周囲にもっとやさしくあろう
- 真に相手の立場に立つのは、いかに想像力が必要か
こんな終わり方があってもいいなって、私、シスター見てるとそう思うんですよ。私自身は未だに無神論者なんだけど、自分の思った通りになんか生きられなくて、すべて神のみぞ知るなんだなーって。人生、ままならないことばっかりだもの。
リンク
机の上に置いてあった本、ふと手に取り、午前中に読み始め、昼過ぎには一気に読み終えてしまいました。
私は、本書・著者から「死というものを、ポジティブにとらえようとする姿勢・意図」を感じました。宗教的色彩も薄いです。
だれもが「終末を考えることは、もしかすると避けたいこと」なのかもしれません。
しかし、「生」と隣り合わせである「死」について、ポジティブな要素もまた、見いだすことができるものだと思います。
一読の価値、大いにありと思います。
いかに生き、いかに死を迎えるか
「いかに生きるか」というのは、「いかに死ぬか」と同義ですね。私の人生観・死生観は概ねブログや拙著「本気でFIRE~」に綴った通りです。
「死」というものを、よりリアルに感じた人が、人生について真剣に考えるきっかけになるものだと思います。
- 人生の早い段階でどれだけ「死」というものをリアルに意識できるのか
それはその後の人生を左右する分水嶺だと私は思います。生涯における漫然さ、真剣度、必死さが異なってきます。
本書は「死」というものの大切な一面を、よりリアルに、よりポジティブに感じさせてくれるのではないでしょうか。
涙を誘う情景は、本書にはたしかにあります。しかしそれだけではなく、読み終えた後にやさしい気持ちになれる本です。
人生観・死生観を考えるきっかけというのは、よほど魂を揺さぶる大きなイベントが眼前に立ちはだからないと、人間なかなか考えないものです。
しかし「死」とは、今の技術水準では等しく全員に訪れるものであり、目を背けても逃れられない普遍的な流れです。
とはいえ本書は、そういった重いタッチで描写したものではなく、ゴールに向かう過程でも穏やかさと温かさが感じられます。
こういった書籍を通して、死生観をポジティブに掘り下げるきっかけになるのではと思います。
よかったら、読んでみてください。
Best wishes to everyone (and Mr. Awatorisu).
関連記事
宮本輝さんの小説も、同様に味わい深いものがあります。
お金はあるに越したことはないものの、あくまで添え物ですね。