ジュニアNISAでETFを買うと、外国税額控除分がもったいないか
「ジュニアNISAでは、外国税額控除をするための所得がありません。そのため、ETFへの投資は外国税額控除分がもったいないようにも感じます」という方からのご質問です。
題名: 【御礼】と【質問】ジュニアNISAで米国株式・ETFを購入す
メッセージ本文:
昨年はジュニアNISAの質問を記事にしていただき、ありがとう
ご回答に背中を押され、2020年の非課税枠を使い切りました。
今後の推移を見守っていきます。
ジュニアNISAでは、前回のご質問通り、米国・全世界投資信託
一方、SBI証券ですので、米国株式やETFを買い付けることが
円高局面でもありますので、VYM・SPYD・HDV・VIG・
ただしジュニアNISAの場合は「外国税額控除」をするための所
三菱サラリーマンさんは、ジュニアNISAで米国株式・ETFを
こちらこそありがとうございました。
今回のご質問につき、結論としては以下の通りです。
- 外国税額控除10%については、よほどの資金枠がない限り、私はそこまで気にする必要はないと思います。ただ、これは個々人の感じ方で変わってきますね。後述します。
- ちなみにETFを検討されている場合、【1655】【2558】といった東証上場S&P500連動ETFであれば、外国税額控除のデメリットを制度上回避できます。ただし、ご質問にあるVYMなどのETFとは異なり、これらはあくまでS&P500連動系です。
東証上場の【1665】【2558】という米国S&P500に連動するETFがあります。
iシェアーズ S&P500 | MAXIS米国株式 S&P500 | |
---|---|---|
証券コード | 1655 | 2558 |
設定日 | 2017年9月27日 | 2020年1月8日 |
純資産 | 185億円 | 49億円 |
運用会社 | ブラックロック | 三菱UFJ国際投信 |
信託報酬 | 0.165% | 0.086% |
※2020/12/30時点
これらは、高配当株ETFに比べて分配金は少ないですが、「円建て」「外国税額控除の手間が省ける」といった特徴があります。
外国税額控除分という数的デメリットを上回る目的・たのしさ等があるか
ジュニアNISAでは、上限額が年間80万円と限定的です。よって、外国税額控除10%のインパクトも相応です。
たとえば、5年間の累計投資額400万円で譲渡益が20%出たとして、外国税額控除に相当する額は「8万円」ですね。年間で1.6万円です。
「この数的デメリットを上回るなにかを、ご自身が見いだせるかどうか」というのがポイントになってくると思います。
ジュニアNISAでETF投資をしたい理由があれば、数的デメリットは十分に凌駕可能
たとえば、
- ご質問にある通り、VIG・VONGなどのETFで冒険したい
- 分配金を得て、子供にキャッシュフローの概念を実感させたい
- 分配金を得て、気前よく消費にまわしたい
- とりあえず興味あり、やってみたい
などのように、特定の目的があれば、十分に数的デメリットを上回るたのしさ・知見を享受できるものと思います。
経験・知見・教育・興味といったものは、数字で測れない無形資産です。効率至上主義者でもないかぎりは、興味を持ったことはとりあえずやってみてもよいのでは、と私は思います。これはあくまで私の価値観ですが。
まとめ:数字は数字で大事だけど、、
数字は数字で大事です。ただし、それだけを追求してしまうと、広がりもおもしろさも薄れてしまうんですよね。
このあたりはバランスが本当に大事だと思います。いずれにしても価値観次第ですね。
数字を追求したい人もいれば、ほかの楽しみや経験に重きを置きたい人もいます。私はどちらかといえば後者でしょうか。(投資で得られるのは資産だけではありません。経験・知見・子女への教育・興味など多様です)
バランスを取る方法は、対極のどちらにも投資しておくことが一案です。
たとえば、
- 投資信託 + ETF(今回のご質問は、こちらに該当)
- 低配当株 + 高配当株
- グロース株 + バリュー株
- インデックス投資 + アクティブ投資
といった形ですね。
対極のどちらも知っておけば、よい塩梅も見つかりやすくなります。自分に合った投資対象・手法も見いだしやすくなるはずです。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
グロース株・バリュー株の観点としては、以下をご参考に供します。
ETFと投資信託、こちらも目的別で活用は異なります。以下をご参考に供します。
こちらが以前ご質問いただいたものですね。ありがとうございました。