月5万円の配当金で、精神的安定【米国高配当株ETF】

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【ご相談】月5万円の配当金で、精神的安定を求めたい【米国高配当株ETF】

「月5万円の配当金で、精神的な安定を求めたい」という方からのご質問です。

グロース株全盛の相場環境ではピンときづらいかもしれませんが、いざ長期低迷相場になれば、低配当株は精神面で負の側面が表れやすいケースも見られます。

相場環境要因よりも、あくまで自身の目的に応じて、投資対象を適時えらんでいくというのが、1つの解になりますね。

ご質問

以下は、いただいたご質問です。

ご質問

題名: これから株式投資を始めるにあたってのご相談

メッセージ本文:
穂高様

はじめまして。
三菱グループ企業に勤める38歳サラリーマンです。

穂高様のブログおよび著書を拝読させていただきました。
今後の人生について前向きに考え直す大変良い機会を頂きました。
また株式投資に関する認識も変わり、これから始めようと準備しております。現在、証券口座開設待ちです。
惜しむらくは後1年早くブログに出会えていたらとそう思っています。

三菱グループ企業での職歴は短く契約社員で5年、中途採用で7年程です。
それまではサービス業や飲食業、警備員などその他様々な業種を経験して来ました。
年に2度、倒産する経験も有ります。
二十代は金欠である事が多かったと記憶しています。その反動か現在は、いわゆる高消費生活となっていました。

資産状況

私の資産状況です。

  • 年収800万
  • 現金資産 100万
  • 生命保険年金 350万
    時期をずらして3本契約 6万/月で積み立て
  • 65歳時に合計2000万円となる計画
  • 住宅ローン 3780万
    今年3月に購入し35年ローン 現在は10万/月
    住宅購入が1年早くブログに出会いたかった理由です。笑
  • 家賃収入 5万円(弟)

家族構成

一昨年に父を亡くし
母・弟と3人暮らし
弟は別世帯扱いです。
父は自営業をしておりましたが多額の借金が有ったため(生命保険未加入)相続放棄し家を購入する事となりました。その際に弟も同居となりました。余談が長くなり申し訳ありません。

相談内容

株式投資にあたり現在の生命保険年金を解約を検討しています。途中解約のため300万円に目減りする見込みです。
現金資産合わせて400万の内訳として、120万は著書にも記載されていたNISAでSPYDへ投資を考えています。
不測の事態に備えて30万を現金保有し、残りの250万をどのようにすべきか、ご助言を頂きたく思います。

  1. 250万を解約月に全額投資、その場合の投資先
  2. 250万を分割し、月の積み立て金額を増やして1年かけて投資(一括投資リスクを懸念して)
    基本積み立ては保険年金分の浮いた6万/月に上乗せして10万/月と考えていますので、この1年は30万/月を積み立て投資と投資先

第一目標として月5万円の配当金
これは住宅ローンの半額にあたり、精神的安定を求めています。

ただし配当金はそのまま再投資していきます。
数字として配当金を把握する事で精神的な安定を得たいと考えています。

何度となく受けられたと思われます初心者丸出しの質問で大変お恥ずかしいのですが、ご助言いただければ幸いです。

長々と駄文によるお目汚し申し訳ありません。穂高様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

また第二弾、第三弾の刊行も大いに期待し待っております。

では、失礼いたします。

ありがたいお言葉、大変恐縮です。拙著およびブログを書いててよかったと思える瞬間です。

高配当株ETFへの投資(VYM・SPYD)

NISAでSPYDへ投資予定とご記載いただいています。

数字として配当金を把握することで、精神的な安定を得たいとのお考えですから、近い将来の配当収入を最大化する案として、NISAでSPYDというのは目的の面から考えますと理にかなったものと思います。

一方で、拙著にも記載の通り、現時点まで最も安定感を見せているのは、高配当株ETFの中ではVYMです。SPYDは設定来コロナショックまでは、S&P500を上回るリターンも見せていましたが、コロナで大きく値を落としています。

そういった面をご理解の上で投資されるのであれば、中立的な観点と思います。一般的に現時点で初心者の方にもおすすめしやすい高配当株ETFは、VYMです。

一方で、コロナ前のようなリターンを期待できるという判断であれば、SPYD、といった整理も可能です。(また、とにかく近い将来の配当の最大化をめざしたい場合、SPYDが一案ですね)

一括投資 or つみたて投資

  1. 250万を解約月に全額投資、その場合の投資先
  2. 250万を分割し、月の積み立て金額を増やして1年かけて投資(一括投資リスクを懸念して)
    基本積み立ては保険年金分の浮いた6万/月に上乗せして10万/月と考えていますので、この1年は30万/月を積み立て投資

と記載いただいています。

私ならば、②を選好します。一般的におすすめしやすいのも、②です。

【一括購入か、定期つみたてか】は、市場局面によってどちらが有利か変動します。理論的につみたて開始時期から起算して暴落時期が遅いほど、定期つみたてが不利になりやすいです。

とはいえ、市場の動きを読み切るのは困難であり、初心者の方にとってリスク許容度は自分が思うほど高くないことが多いです。

これら背景を考慮すると、一般的に幅広くおすすめできるのは、定期つみたてです。私が行ってきたのも、狭義の定期つみたて(毎月給与から最大限投入)です。

つみたて投資の実例を1つ見ておきましょう。

図はリーマンショック直前の株価ピーク時からS&P500へ積み立て始めたケースです。つまり、つみたて投資の威力が見えやすい例です。

出所:JP Morgan Asset Management

下落局面を挟んで上昇したことで、リターンは6年で倍。

調整局面や弱気相場を挟んでから上昇した方が、その時期に安く株やETFを購入できるので、リターン・配当も増えます。

ただし、仮に弱気相場が長期に渡って投資期間を終えると、当然このシナリオは崩れます。

他方、過去実績からの帰納的な1つの推論として、生涯を終えるほど長期的に株価が反転しないことは過去の傾向からは考えづらいと解釈はできます(あくまで過去の傾向から導出される1つの推論に過ぎず、現行の近代資本主義や、状況等が変われば方針転換も適時必要)。

月5万円の配当金を得るには

月5万円の配当金を得るには、必要な元本額および配当利回りは下表の通りです。

配当利回り(税引後) 必要元本額
2% 3,000万円
3% 2,000万円
4% 1,500万円

  • 近い将来に配当利回りを最大化したいのであれば、SPYDですね。
  • 他方、株価の安定感を取るならば、VYMです。

コロナ後も踏まえると、こういった整理が短期的には可能です。株価のボラティリティが高いと、特に投資初心者の方にとっては、精神的に継続しにくくなる可能性があります。ゆえに、そういった観点から無難なのはVYMです。

ただし、必要元本額も応分に増えますから、そのあたりのバランスをどうとるのか、という点に帰着します。

月5万円の配当金で、精神的な安定は得られやすいと思います。

私の経験上も、配当で月5万円あるかないかでは、精神的な変化は確実にあると思います。

私も目標に達したときなんかは、それはもうはしゃいでいました(笑)

ゆえに、まず第一目標として、「月5万円の配当金を得ること」と設定されるのは、至極合理的だと私は思います。

そしてそういった観点・アプローチで投資に接する場合、有力な選択肢になるのが、高配当株ETF(VYM・HDV・SPYD)ですね。

各々、値動きや構成銘柄に特徴があります。もしどれが良いかわからなければ、3つとも購入するバスケット買いも一案です。

あえて、誤解を恐れずざっくり簡略化してまとめるならば、以下です。

  1. 値動きの安定感 → VYM
  2. 財務良好な銘柄を選びたい → HDV
  3. 近い将来の配当最大化 → SPYD

ただし、これらはあくまで、過去から帰納的な推論に基づく傾向になります。

今回のように、コロナショックのような未曾有の事態は今後も起こり得ますので、そういった場合は改めてゼロベースから考え直すことが必要になることもあります。

以上の要素を勘案の上で、選択されるのがよいのではないかと思います。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

SPYDについては、以下も参考に供します。

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公開日:2020年9月5日