株式投資の金銭面以外における面白さ・メリット、その魅力とは
株式投資については、色々な解釈が可能だと思います。仮に否定的な見方をしてみると、以下のようなワードが思いつきます。
- リスク性
- ギャンブル性
反対に、株式投資の金銭面以外におけるメリット・面白さ・魅力として、なにを見いだせるでしょうか。
あなたが投資をする理由・目的は?
株式投資に取り組む一般的な理由としては、第一義的には
- 「お金を増やしたいから」
というのが、代表的な理由と言えるでしょう。
事実、日経新聞によればインターネット上の12,630人に対する「あなたが投資をする理由・目的は?」というアンケートに対する回答は以下の通りで、
「老後資産(38.3%)」や「生活資金の上乗せ(13.3%)」など金銭面が過半を占めます。
一方、注目に値するのは「投資が楽しい(12.2%)」、「早期リタイア(7.7%)」という一定の層が存在することです。
「早期リタイア」が入ってくるあたり、時代は大きく変わってきているとも見てとれます。
この2項目については、現実的・物質的な色彩の強い金銭面の目的というよりは、どちらかと言えば観念的なジャンルにもなってきますね。
経済とは。 経世済民とは。
投資は、手段に過ぎない一方で、楽しみを見いだせる対象であることも事実です。
私が学生時代に為替に興味を持った一因は、為替市場・通貨の動きというのは、「世界の経済や政治・通貨政策など様々な事象や情勢、人の行動・心理が、1つの数字として凝縮されている」からでもあります。
株式市場も同じです。上述に加えて
- 地政学的な事象
- 経済サイクル
- 債券の動き
- 金利
- 実需
- コモディティの動き
- 人々の思惑
など種々の動きが絡み合って、ある1つの数値を形成していると言えます。
経済というのは非常に魑魅魍魎としていて、なにか漠然としているものだと当時思っていました。「経済って何なん?」「経済って不思議やなぁ」と。
こうなんというか、はっきりとつかめないですよね。数式のように、端的に表せるものではありません。だからこそ面白さを見いだせる対象でもあります。
日本の大学、そして海外留学で、マクロ経済学・ミクロ経済学・貨幣経済学・世界経済専題など学びましたが、経済は端的に数式で表すことはできません。
前提条件を置いて、あくまで1つのモデルとして、需給の関係や利子率との関係を表すことはできても、完璧に数式で表すことはできないですね。
なぜなら、そこ(経済)にはロボットではなく人が必ず介在しているからですね。
「経世済民」という言葉があります。
「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」と日本語では読まれています。まさに「世を治め、民を救う」との意です。
これがそもそもの「経済」の語源とされています。つまり原義としては、当然ながら現行貨幣制度のような金銭的な色彩がメインではなかったわけですね。
物々交換から始まって貝・稲・塩などから始まった通貨の発展、そして分業から産業革命へ、経済はその姿を時代に合わせて変えてきました。
今でこそ紙幣が流通し、中央銀行が通貨政策を決定していますが、昔はもっとシンプルであり、今のように複雑怪奇なものではなかったようですね。
単に「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」という原義そのものだったと言えるかもしれません。
このように、「経済」という事象、そしてその意味するところの根本は、やはり「人」なのだと私は思います。AIが発達しようとも、そのラーニング対象であり、結局の源流は人の行動原理であり、心理なのではないでしょうか。
人生に寄り添えるものでもあり、目的ではなく手段
投資を通して、このあらゆる「経済」に関する情報に対するアンテナが高まると、それは人生に広がりを持たせるかもしれません。
そして先に述べた通り、この経済というものは、金銭的な側面だけではなく、人に関する側面・要素というのは確実にあるということです。
とかく、株式というと扇情的なリスクや博打性も内在しますが、視点を変えれば種々の側面があるということですね。
その最たる側面として、世界のさまざまな事象を見る際の1つのレンズ・観点になり得るのが、株式投資だと思います。なぜなら、指数や為替そのものに先述の様々な事象が凝縮されているからです。
ある特定の事象に対して、複数の観点・レンズを持っておくと、見方に広がりが出てくると私は考えます。その1つの見方として金融市場を「観点たち」に仲間入りさせるのは、よきこともあると、私は思います。
もちろん、資産運用自体はこれまで述べてきた通り、あくまで人生という主体に寄り添うものであり、目的ではなく、手段でしかないと思っています。
ただ、その手段も、単にドライなものではなくて、人生における視点を1つ加えることにも繋がり得ると思います。
Best wishes to everyone.
そもそも経済とは、貨幣とは、を紐解くことは、興味深いところですね。
事事物物、正の面あらば負の面あり、表裏一体と思います。結局は対象物と自分なりにどう付き合うのか、ということですね。
コメント
三菱サラリーマン様
非財閥サラリーマンと申します。
いつも為になる記事をありがとうございます。
1点質問がございます。
来たるリセッションに備えて現金割合を高めようと思っているのですが、資産のうち現金割合はどの程度にすべきとお考えでしょうか。
ご教示頂けますと幸いです。
非財閥サラリーマン