以下記事でも言及していた通り、インフラファンドはコロナショック初期において、投資口価格自体が無風でした。
業績についても、新型コロナウイルスの影響は見られない結果に。事業の特性をよく表しています。
タカラレーベン・インフラ投資法人、コロナ影響みられず【インフラファンド】
インフラファンドのうち、タカラレーベン・インフラ投資法人においては、運用実績という形でもコロナショックによる影響がなかったことが運用報告書で示されました。
以下の通りです。
- 上場来運用資産の継続した増加
- 上場来9期連続の増配(当初予想比)
要因として、以下が示されています。
- 最低保証賃料・実績連動賃料による収入
運用報告書より、以下抜粋します。
コロナ禍により、決算発表において決算内容を下方修正するだけでなく、今後の収束時期や経済に与える影響が見極めきれないという理由で、次期以降の業績見通しを未定とする企業が増えました。
本投資法人は、主として太陽光発電設備等を賃借人へ賃貸し、賃借人から賃料を受領します。
賃料収入は、発電量に関係なく受け取れる最低保証賃料と、実際の発電量に基づく実績連動賃料で構成され、そのほとんどが最低保証賃料からの収入となっています。
また、賃借人は固定価格買い取り制度を利用して、電力を電力会社に売電しています。
このようなことから、新型コロナウイルス感染症による直接的な影響は極めて限定的な事業構造であることをご理解いただけるかと思います。
タカラレーベン・インフラ投資法人の事業構造
では、そもそもの事業構造をおさらいしておきましょう。
そもそもインフラファンドと呼ばれる太陽光発電事業の収益構造は以下の通りです。

出所:同社IR
- 投資法人であるタカラレーベン・インフラ投資法人が、太陽光発電設備を賃借人であるタカラレーベン株式会社(以降、賃借人)に貸し出す
- タカラレーベン・インフラ投資法人から借りた賃借人が発電設備を用いて発電事業を行う
- 賃借人は発電した電力を電気事業者へ売電し、売電収入を得る
- タカラレーベン・インフラ投資法人は発電設備を貸し出した見返りに賃料を得る
以上のようなビジネスサイクルで営まれます。
ですから、発電設備については同投資法人の貸借対照表上に、構築物・機械及び装置といった形で固定資産の欄に載ってきますね。
安定収益が実現してきた太陽光発電事業
太陽から光が注がれる限り、発電事業は継続され、後述する管理・修繕費用は借主負担ですから、安定した収益がなされてきました。理由は以下の通りです。
同投資法人の収益源となる先述した賃料は以下の式で求められます。
収益安定要素その①:最低保証賃料
最低20年間の最低保証賃料という形で賃料が保証される貸借契約を結んでいます。この20年の背景として日本の固定価格買取制度(FIT)が20年間であることに起因しています。
天候による日照時間の増加などの要因で実際の発電量が多いと、実績連動賃料という形で+αの賃料を得られるという貸借契約を結んでいます。逆に天候不良で発電実績が芳しくない場合は、実績連動賃料が発生しません。

主な発電所の想定発電量・実績発電量
収益安定要素その②:維持・管理・修繕費用は賃借人が負担
日常的な維持・管理・修繕等の費用は賃借人(借主)が原則負担することになっています。
尚、太陽光発電設備のオペレーション・メンテナンスは技術的知見のある外部業者に委託しています。
まとめ
インフラファンドの事業構造を理解していれば、今回の新型コロナウイルスによる下落で一時的な下落があったとしても、拾える要因になりそうですね。
また、投資対象の分散先の1つとして、今般は運よく機能した一例と言えそうです。
現時点では投資口価格は堅調、ならびに分配金も概ね5〜7%の高利回りで享受できている投資先と言えそうです。
Best wishes to everyone!
同投資法人については、以下にも詳述しています。
コロナショック初期で無風だったインフラファンドも、後半では押し目が見られました。
インフラファンドのメリットとリスクについて記しています。