つみたてNISA、一般NISA、どちらが一般的に向いているか
適すると思しき投資対象や活用可能な制度は、各人によって異なることがあります。なぜなら、当人の状況は千差万別だからですね。
収入・支出・価値観・目標・精神性・嗜好など、すべて人によって異なります。そのため、私はなにか特定の対象のみを過度に礼賛するスタンスではありません。
さて、今回は収入が多くないとおっしゃる方からの、ご相談です。
まずは、一般NISA・つみたてNISAの特長をおさらいしておきましょう。
一般NISAの主な特長
一般NISAは、以下2点が主な特長です。
- 「近い将来の配当金最大化」をねらえる
- 「5年間という短中期での譲渡益非課税」をねらえる
いずれも長期的な視点というよりは、比較的近い将来における話になってきます。
つみたてNISAの主な特長
対して、つみたてNISAは、以下3点が主な特長です。
- 非課税期間が20年という長期資産形成
- 年間投資額が40万円という無理のない金額上限
- 必然的に時間分散になる
必然的に「長期・つみたて・時間分散」になることは、大きい
もちろん、金額上限が少ないことは、メリットも限られるわけですが、見逃せないのは「必然的に時間分散でつみたてられる」という特に初心者の方向けである点です。
市場が右肩上がりである前提では、最初期に可能な限り多くの額を市場に投入した方が理論的には合理的です。
しかし、暴落時期は読めませんし、なにより運悪く直後に暴落が起きたら精神的に相当厳しいので、精神面への配慮も必要ですね。そこで対案となるなのは、時間分散をする(=定期つみたてをする)ことです。
つみたてNISAは、年間投資額が40万円と限定的ながら、制度の制限上、必然的に毎年40万円を時間分散して積み立てることになります。
よほど入金力がある方でもない限りは、つみたてNISAをまずしっかり年間投資額40万円の非課税枠をフル活用したいところです。
ただし、「配当金というキャッシュフローの魅力を感じるため、多く配当金を得たい」という要望も、人によってあると思います。
その場合は、配当金を重視して、一般NISAで高配当株ETF【VYM】などを購入することも、やはり一案にはなってきます。
もちろん、短中期取引で大きな値上がり益を一般NISAの非課税枠でねらうことも、活用法の1つです。
いずれにしても、ここで強調しておきたいのは、「NISAとつみたてNISAのどちらを選ぶかで人生の分水嶺となるまでの大きな差異にはなり得ない」と考えられるため、その軽重具合は頭の片隅に入れていただければと思います。
結局は、各人の嗜好によるということになります。
NISAの活用に関するご質問
以上を踏まえた上で、以下いただいたご質問です。
題名: 積立ニーサの投資信託の売却について
メッセージ本文:
書籍読ませていただきました。
給料は少ないですが、できる限り穂高様の方法を見習って行きたいと考えています。
投資初心者30代です。
VYM等を積立(毎月数万円)していこうと考えていますが、以前から少し購入していた投資信託(三井住友TAM-smtグローバル株式インデックス等、積立ニーサ)合計20万程度をどうすべきか悩んでいます。来年はニーサに変更しようかと思います。
- 即売却し、VYM等を購入
- 来年積立ニーサからニーサへ変更後売却し、VYM等購入
- そのまま保持し続ける。
よい案ありましたら教えていただきたいと思います。
毎月の入金額が限定的ということであれば、
- つみたてNISAはそのままとして楽天VTIを新たにつみたてつつ、
- 余裕があれば(=無理なくもう少し投資に回せそうであれば)高配当株ETF【VYM】を余剰資金で積み立てる形
が一案と思います。
いわば、あくまでつみたてNISAを核としてフル活用し、余剰分があれば新たにVYMへ投資するような形です。
あるいは、とにかくまずは配当金を多く得てみたい、そのメリットを実感してみたいということでしたら、①も選択肢になりそうですね。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
NISAについては、以下のような記事も書いています。ご参考に供します。