「インデックス投資で増やしてから、高配当株へ切り替える戦略」をどう考えるか

「インデックス投資で増やしてから、高配当株へ切り替える戦略」をどう考えるか

ご質問

題名: 【質問】インデックス投資から高配当株投資への転向について

メッセージ本文:
三菱サラリーマン様

いつもブログを拝見させていただいております。30歳でのアーリーリタイアという、今までの私には考えられなかった生き方を教えていただいた三菱サラリーマンさんには深く感謝しております。

さて、お忙しいところ恐縮なのですが、アーリーリタイアを目的とする投資について1つ疑問が浮かびましたので、お時間がございましたら、ご教授していただけると幸いです。

投資について勉強している最中なのですが、三菱サラリーマンさんのように、最初から高配当株投資メインで投資を進めていくのか、インデックス投資で資産を増やしてから高配当株投資に切り替えて配当生活を送るべきかで迷っております。

自分なりに色々調べたところ、キャッシュフローが生まれない等の心理的なデメリット等を除いて、単純に資産を増やすだけならばインデックス投資の方が優れていると感じているので、後者の方が最短で配当生活が送れるのではと考えています。

投資の勉強を始めたばかりの素人ですので、三菱サラリーマンさんのお考えをお聞きしたいです。

よろしくお願い申し上げます。

ご質問ありがとうございます、「こういう生き方もあるんだ」と思うきっかけとなっていただけたならば、大変光栄です。

アーリーリタイアへ至る、理論的な3つの案

さて、配当所得を柱の1つとしてアーリーリタイアをめざされる場合、理論的には、以下3つの案が考えられます。

  1. インデックス投資で資産を増やして、定期的に定率または定額で取り崩す(=現金化)ことで、配当の代わりとする
  2. 高配当株ETFで資産・配当を同時に積み上げる投資を進める
  3. インデックス投資で資産を増やした後、高配当株ETFへ切り替える(ご質問いただいた案)

インデックス投資を軸とする場合の、③「インデックス投資から高配当株へ切り替える」という戦略、私はそのような考え方があっても全然よいと思いますよ。なぜなら、わかりやすいからです。(ただし、後述の理論的な面も見た上で判断されると腹落ちに繋がるかと思います)

理論的な人・感覚的な人、いろんな人がいます。感覚を重視する人にとって、わかりやすさは、なんだかんだ大事ですね。

そして、同時に①・②も、候補として考えた上で決めていただいてもよいと思います。

なぜなら、複数の選択肢があって1つを選ぶのと、選択肢が限定的な中で選ぶことは、理解度・腹落ち具合が全く異なるからです。

おっしゃる通り、私はセミリタイア・FIREに至るまで、②に近いスタイルを採ってきました。当時の私には、このスタイルがガッチリはまりました。ただし、インデックス投資も万人におすすめできる手法ですね。

どのスタイルを採るかは、好み・自分が心地よいと感じるスタイルによって大きく変わってきます。(後段の関連記事もご参考)

ちなみに、高配当株のリターンは、特に直近2回のリセッション時期である「2000年代の景気後退局面を控えた時期」で、S&P500を大きく上回ったデータが確認できます。時期によって上回る局面・下回る局面の両面が見られるということですね。

インデックス投資から高配当株へ切り替える戦略の注意点・ポイント

さて、「インデックス投資から高配当株へ切り替える」戦略を考える際の注意点・ポイントを、以下2点に集約します。

  1. 投資スタイルが異なるものに乗り換える精神的リスク
  2. 乗り換える際に譲渡益に係る税金が発生

①投資スタイルが全く異なるものに乗り換える精神的リスク

定性的な面を述べます。

  1. インデックスファンドを選好する投資家
  2. 高配当株を選好する投資家

この両者は、着目する対象・目的・好み・投資モチベーションの源泉が、既に異なっています。

そのため、インデックスファンドを長らく選好してきた後で、いきなり高配当株に飛び込むのは、上手くいかない懸念も一応生じます。(インデックスファンドと高配当株をどちらも保有し、両者の特性を咀嚼できているのであれば別です)

インデックスファンドも、高配当株も、

  1. 保有して、
  2. 下落局面などの市場の上下動を経て、
  3. 最終的に自分が精神的にどう感じるのか、

を客観的に観測して初めて、各投資が自分にとってどのように作用しているのかが判明すると思います。

「インデックス投資で一定期間運用してから、リタイア直前に高配当株へ乗り換える」場合、一般的には前提条件として、インデックス投資が主軸であるはずです。そのため、高配当株がどのような値動きをするのか等の手持ち材料に欠けることも想定されます。

こういった懸念材料が顕在化すると、「リタイア前後で自身の思惑と違う結果になった」ことに繋がりかねないことは考えられます。投資における精神性は重要です。

そのため、「投資スタイルが全く異なるものに乗り換える」ことをも意味する「インデックス投資から高配当株へ切り替える」という戦略は、精神性における懸念が考えられます。(繰り返しながら、インデックスと高配当株のどちらに対しても造詣が深ければ、この懸念は払しょく可能です)

②乗り換える際に譲渡益に係る税金が発生

定量的な面を述べます。

「インデックス投資から高配当株へ切り替える」場合、譲渡税を先送りにできません。これは税制上のデメリットになり得ます。(後述の通り、配当控除・所得状況等の要素は無視します)

「米国株なり世界株の代表的な指数が、今後も長期的に右肩上がりが続く」というケースを想定した場合、下落局面で積み立てをやめてしまう等の場合を除いては、インデックスファンドでそれなりの額の含み益が生じているはずです。

高配当株へ切り替える際に、この含み益は利益確定することとなり、当該タイミングで一度に税負担が生じます。投資効率の観点からは、税金の支払いは先送りにした方がベターです。

仮に株式からのキャッシュフローを柱の1つとして、アーリーリタイアする場合、原理的には「証券会社の定期売却サービスを利用して、定期的に定額または定率で取り崩すことで、疑似配当として現金化して受け取る」ことが可能です。

ただし、この場合、配当控除による恩恵は受けられないと理解します。

まとめ

ポイントを再掲すると、以下の通りです。

  1. 投資スタイルが異なるものに乗り換える精神的リスク
  2. 乗り換える際に譲渡益に係る税金が発生

以上が、やや堅苦しい理論的なポイントです(笑)。

ただ結局、人間は機械ではないので、理論を確実に実践に落とし込めるかは別問題です。

「理論は理論として咀嚼した上で、自分ならどうするか」というのが、やはり私は本質的なポイントだと思います。

インデックス投資に絞ると、以下2案ですね。私は、どちらでもよいと思います。

  1. インデックス投資、のちに定期的に定率または定額で取り崩す(=現金化)ことで、配当の代わりとする
  2. インデックス投資、のちに高配当株へ乗り換える

①は精神的に少しとっつきにくいかもしれませんが、①でも全然よいですね。

上述理論面を踏まえた上で、②を採るのも、なんら悪いことではありません。言ってしまえば結局、人によります。

投資スタイルは一般化してしまうと、どうしても無理が生じる」と私は思います。理論を重視する人・感覚を重視する人など、人によって条件・目的・好み等が異なるからですね。

ですから、

  • 「あ、インデックスから高配当株への切り替えはダメなんだ」

ということではなく、

  • 「理論面ではこうなのか、こんな観点もあるのか、じゃあ自分はどうしようか」

という形でお受け止めなさると、ご自身に合った投資スタイル確立の一助になるのではないかと、思います。

特徴を踏まえた上で、自分の腹落ちするスタイルを探るという形が、結局長期的に継続する際の根幹になります。

ご参考になりましたら幸いです。目標達成に向け、がんばってまいりましょう。

Best wishes to everyone!

配当について考える際は、以下もご参考ください。

配当金のメリット・魅力8つ、徹底解説します。
Tweet 最近、事あるごとに配当金という収入があって本当に良かったと心から思います。 もう1つの生き方ができる...
高配当株のデメリット・注意点を改めて述べておきます。
最近、新規読者の方が非常に増えたように思います。 そこで、高配当株には多数のメリットがありますが、一方で初心者の方向け...

理論と実践については、以下もご参考に供します。バランスをとるのも1つですね。

資産運用で失敗なきよう、意識しておきたい3つのこと
資産運用で意識しておきたい3つのことについて、記します。 自分にとって心地よい投資手法を構築すること やって...
スポンサーリンク
Twitter

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

外国株式ブログランキング

SNSでシェアする

フォローする

公開日:

コメント

  1. 森林樹 より:

    この点は私も考えたことがあり、大変参考になりました。
    投資のスタンスに関する議論は非常に勉強になり、助かります。

    勝手な解釈ですが、VYMが中間に位置する商品だと思っています。
    今後の収入と高配当株の購入予定は立てているのですが
    自分の場合、予定に無い収入があった場合、
    インデックスファンドを買おうか。というスタンスです。