あと3~5年でセミリタイアをめざす際のポイントとは。
題名: 資産運用についてご相談です。
メッセージ本文:
初めまして、こんにちは。
最近、三菱サラリーマンさんのブログを知り、いつも楽しく拝読させていただいております。
お若いのにしっかりとした信念を持って生きておられ、本当に尊敬できるお方です。
私も若い頃にこのようなブログに出会いたかったと思ってしまいます!
いつも有用な情報をいただき、感謝しております。
私は現在50歳で投資歴は2年ほどになります。
手数料の安い投資信託を中心に積み上げるという初心者スタイルです。
コロナの暴落を経験したり、三菱サラリーマンさんのブログも参考にして勉強していくうちに、これからの投資スタイルについて悩んでおります。
三菱サラリーマンさんのアドバイスをいたたけたらと思い、連絡させていただきました。現状は、2,000万の資産があり、半分はキャッシュです。
(国内株)
- TOPIX連動型ETF(1308) 200万
- ひふみプラス、ニッセイ日経225などの投信 17万
- 個別株 30万
- たわらノーロード Jリート 30万
(外国株)
- eMAXIS slimシリーズの先進国 300万
- S&P500 42万、全世界(日本除く)が73万、バランス8資産 150万
- 日本版のSPY1655 22万最近買いました。
- イデコは先進国の投信のみです。
希望としては、配当金を出すETFなどにシフトしたいのと、年齢的にもあまりリスクは取りたくないと考えております。リートや債券も含めて、積立をしていきたいです。
リスク資産は、現在100万近くの含み損になっており、そのうちTOPIX連動のETFは1900円台と高値掴みをしてしまい、50万の含み損で、本当に見るのが辛い失敗の取引でした。。
山崎元さんの本を元に始めてしまったのが悪かったと後悔しております。この方はドルコスト平均法は気休めだというお考えでした。
毎月の収入から15万ほど投資できるのですが、体調の変化もありフルタイムで働けるのは頑張ってもあと5年ほどにしたい、その後は週3日ほど働きながらのんびりしていく予定で未来を描いております。
つまり投資資金を作るのは年180万を5年で900万ほど、今の2000万と合わせて3,000万にはしていけると思います。
お忙しい中、大変恐縮ですが、ぜひとも三菱サラリーマン様のアドバイスをお願い致します。
上段では、あと5年と書きましたが、体調により3年後から週3日にシフトしていく可能性もあり、気持ち的には3年後にはゆったりと人生味わいたいのが本音です。できれば今すぐにでもとは思いますが、さすがにキツイですよね(笑)
ただ、最低ラインの3,000万も達成はしたほうが精神的に楽かなと。お金と、時間のはざまで揺れておりますが、アドバイスをよろしくお願い致します。
大変恐縮です、ありがとうございます。
以下の点について、記します。
- 積み立て期間
- 積み立て額
- 「投資信託の取り崩し」vs「ETFで分配金」
- セミリタイアへの移行タイミング
①積み立て期間
「3~5年後に週3日へシフトをご予定」ということで、同期間で積み立てることが一案です。
期間の長さ(長すぎず短すぎず)という観点・現役時代に積み立てるという心理的な観点の両面からです。
投資対象については、以下をご参考いただければと思います。
②積み立て額
1点、注意したいのは、積立額と思います。
フルタイムから週3勤務のセミリタイアへ移行後に、「運用収益以外の勤労による所得(給与所得)で生活費がまかなえる場合に限り、最終的な運用額として投資資金(本ケースでは3000万円)を市場に投じる」というのが無理のない案になってくるかと思います。
つまり、如才なきことながら申し添えますと、もし仮に週3勤務による給与所得が生活費を上回らない場合は、現金比率は多めに確保しておいた方が無難と思います。
なぜなら、バッドシナリオを想定・準備し、保守的に構えておくことが、相場低迷期でも健やかに人生を楽しむための要素でもあると考えるからです。
たとえば今回のコロナショックのように、一時的にせよ市場が下押しする局面は、今後も常にあり得ることをあらかじめ念頭に置きたいところです。市場の揺れがリタイア計画に影響を及ぼさない程度のリスク資産の割合としておいた方がよいと思います(たとえば現金比率を30%以上とするなど)。
なお、ドルコスト平均法は「再現性・感情を排した投資」という観点から、一般的におすすめできる手法です。
③「投資信託の取り崩し」 vs 「ETFで分配金」
また、「ETFへの投資によって配当金を得るご予定」とのことで、こちらも念のため申し添えますと、投信を定期的に取り崩していく案も一応あります。
ただ、ETFへ切り替えて分配金を得るのも、お手軽かつ定期的なキャッシュフローの観点からも、やはり実践としておすすめできる方法論です。
また、投信の取り崩しは、配当として1種の利益確定(投下資本の払い戻し)と、理論上は同時点における差異がない(※配当に対する課税と、譲渡益に対する課税が同一税率である場合に限る。つまり、配当控除を利用できる場合、税制上の観点からは配当の方が理論的な効率としては○)とは言え、「投資対象を取り崩す」という行動自体に対して、理論面と関係なく心理的に抵抗を感じるのは、実践的な観点からとても理解できます。
④セミリタイアへ移行するタイミング
体調により3年後から週3日にシフトしていく可能性もあり、気持ち的には3年後にはゆったりと人生味わいたいのが本音です。できれば今すぐにでもとは思いますが、さすがにキツイですよね(笑)
ただ、最低ラインの3,000万も達成はしたほうが精神的に楽かなと。お金と、時間のはざまで揺れておりますが、アドバイスをよろしくお願い致します。
上の通り記載いただいています。
非常にわかります(笑)。私もセミリタイア前、29歳の頃にお金と時間のはざまで揺れたことがありました。
ただ、30歳を迎えたとき、その揺れはなくなりました。やはりお金より時間の方が圧倒的に大事と感じました。その判断は今なお自分に適していたと確信しています(ただし確信を深めることは驕りに繋がりやすく、驕りとならないよう注意しつつ)。
ご記載の通り、1つのキリの良い数字、あるいは自分の納得いく数字、または1種の達成感を感じることができる数字を設定(本ケースでは3,000万)するのは、たしかに一案だと思います。
週3日勤務でのんびりする未来、想像するだけでも楽しくなりますよね。私の経験から申し上げますと、自分の価値観や嗜好を深く知り、あらかじめ客観視やシミュレーションをしておけば、達成後のギャップをほぼなくすことは可能であることも、ご参考まで付記します。
まとめ
セミリタイアへ移行するタイミングについては、資産額の観点も1つの要素ながら、最終的には、その必要資産額をも大きく左右する要素である以下がポイントと思います。
セミリタイア後に
- どのような生活(豪華一点主義なのか、質素なのか、刹那的に生きるのか、物質主義なのか、快楽主義なのか、少欲なのか、取り組みたい活動・ライフワークが何なのか、社会でどういう役割を想定するのか、等々)を望み、
- どの程度の支出水準が心地よいと感じ、
- 金銭的な価値にどれだけ重きを置くのか。
上記ポイント次第で、資産が3,000万に達するより前に、週3勤務への移行は十分可能にもなると思います。
私自身、「セミリタイアをする際の判断軸は、やっぱり金銭的観点が第一義的ではない」という確信が、時を経るごとに深まっています。高消費生活を追求する価値観ではないからということもあります。
お金は、ある程度は必要ですよね。そのため、やはり資産運用はその1つの方法論として資すると思います。
ただ、その金額というのは、あくまで生き方次第であり、ある程度でも十分だと、私は思います。ここは当人の価値観次第になってくるところと思う次第です。
ご不明点等あれば遠慮なくご連絡ください。ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone.
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同じく50代の方からのご質問です。
50歳からの資産運用を考える際のポイントについてです。
以下のような生活スタイルは、金銭的価値観を考える上で、その極致となる参考例と思います。