どんな景色を見て、投資をしているのか。とても共感したお話。
株の配当が1500万あるという、近所で有名なおじいちゃんにバッタリ
「厳しい市場環境ですねー」「わしはこういう時こそ配当銘柄を買おうと現金を用意した。ホッホっ」「塩漬けが増えました…」「塩漬けは個人の特権!実質損のない証じゃ〜」おじいちゃんメンタルめちゃくちゃ強いです
共感したお話です。下落局面でも淡々と買うというのもそうなんですけど、それよりなにより、この方が見ているであろう景色に共感します。見ている景色が言動に表れている。
言葉の1つ1つって、色んな思いが凝縮されて紡ぎだされることが、ままあると思います。
たぶんですけど、この方は、「トータルリターンがこの1年で+5%であろうが、+8%であろうが、週間騰落率が何%であろうが、あんまり気にしてない」と思います。
見てるところがそこじゃない。あと、多くを求めていないのではないでしょうか。
もちろん、「トータルリターンを無視しようとか大事じゃない」とかそういう話ではなく。
あと今だからわかることとして、資産額が増えればリターンに対しても急速に興味が失せてきます。何%であろうと人生の分水嶺にならないからです。重要性が低下してきます。
トータルリターン:①+5%? ②+8%?
+5%と+8%のリターンだったら、数字上+8%の方が良いです。どっちが良い?って聞かれたら、8%でしょう。それはそうです、それはそうなんですけど、なんていうんでしょうね。
「まぁ、+5%でもええんちゃう…?」と、この方は思っている気がするのです。
そして前も書きましたが、私もそうです。もちろん、ー50%と+8%だったら、それは+8%が良いのは良いです。それはそうなんですけど、そういうことじゃない。
トータルリターン:①+3%? ②+8%?
例えば+3%と+8%でも、私は
という感じであってきました。
これは結局、どの程度のリターンを許容できるかというスタンスの話とも言えますが、というよりも、そういうことじゃないんですよね。
たとえば私はFIRE前、トータルリターンの追求よりも支出の最適化によって元本を増やすことに注力してきました。なぜなら、元本を増やせば、トータルリターンをそこまで追求せずとも良いからです。こういった考えも関係していると思います。
トータルリターンは、もちろん重要な指標・要素。ただ…
たとえば、以下の事象、これはこれでもちろん大事な要素だと思います。
- ○○の銘柄が△△の期間で何%上がった、下がった
- いつ何%の増配・減配があった
- 配当性向はいくらで、財務レバレッジはいくらか
- トータルリターンが○%だった
これらは当然、すべて株式投資において重要な要素の1つだと思います。私も過去、こういった要素をもとに投資対象を決めていたこともありました。
「重要か重要でないか」と言われたら重要です。重要ですが、多分、冒頭のおじいさまは、こういうのってあまり気にしてないというか、見てないというか、もっと違うところを見てると思うんですよね…。
もっと言うと、1年で自分のポートフォリオが何%上がったとか、市場平均との比較とか、あんまり気にしてないと思います。
見てるポイントが多分そこじゃない。もっと、大きな視野というか、別の角度というか、別の観点から全く異なるものを見ている気がしてならない。「世のため人のためになっている企業なのかどうか」とか。
ベクトルがあまり自分に向いていないと思います。
どんな景色を見ているのか、どんなスタンスなのか
たとえば、以下のことですよね。
- (日本の)企業を応援したい
- (日本の)資本市場が成長して欲しい、厚みを増して欲しい
- (セカンダリー)市場の1つの担い手としての矜持
- 今まで日本とその市場を見てきた感慨
- 減ったら減ったで、「まぁそういうこともあるわなぁ」という心持ち
- 増えたら増えたで、「まぁそういうこともあるわなぁ」という心持ち
つまり、個人の願望も当然ありつつも、それを地域社会や共同体というか、とにかく全く別の領域に思いをはせる、あるいは泰然とした心持ち、その生きざまなどがあるんじゃないかと、思うんですよね。
- トータルリターンも、
- 騰落率も、
- 増配も減配も、
- 財務指標も、
- ポートフォリオの組み方も、
ぜんぶ大事だと思います。資産運用する上で大事だと思いますし、私もブログでそういった内容にも言及してきました。
言及してるんですけど、時々、思うこともあります。「えーっと…、あれ?(笑)」って。
数字というマジック。フォーカスする対象とは。
誰もが最初は資産を増やしたくて、配当を増やしたくて、株式投資をやっていると思います。
そして色んな数字が飛び交います。たくさんの数字や経済ニュースが飛び交います。でも時々おもいますよね。「あれ?(笑)」って。
わかんないですけど、冒頭のおじいさまは、
- 「市場の波そのものを楽しんでいる」とか、
- 「市場という1つの数字に集約されるもの自体を楽しんでいる」とか、
- 「自分以外のなにかにフォーカスして楽しんでいる(たとえば、この配当金で誰かに何かをしよう、とか。日本のために何かしよう、とか)」とか、
なんかもっと違うものにフォーカスしている、そんな気がするんですよね。それがなにかを言い当てるには、直接お話でも伺わないとできないんですけど。
この方は、普通の投資家と全く別の観点、別の視点、別の角度から、全く違う景色を見てらっしゃるんじゃないかと思うんです。あくまで推測に過ぎず、わかんないですけどね。
別にそれが良い悪いとかそんなこと言ってるんじゃなくて、単純に見てるところが異なる気がするんですよね。
心に思っていたことを、改めてあぶりだしてくれる、そんなものの見方・観点であるように思いました。
みなさまは、どんな景色を見て、どんな景色を望んで、投資をしてらっしゃいますか?
1つそんな視点があっても、良いのではないかと、時々思ったりするのです。それをまた思い出させてくれるような、冒頭のおじいさまの二言でした。
Best wishes to everyone.
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