「明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型)を定期購入していますが、アドバイスやおすすめがあれば教えてください」というご質問を頂きましたので、以下回答申し上げます。
【リート王】明治安田Jリート戦略ファンドへの評価、投資対象としての是非
結論から申し上げますと、私でしたらリート市場が好調な目下、解約してひとまず利益を確定させます。(当該ファンドは上図の通り設定来最高値圏のため、利益確定可能という前提)
理由は以下、2つあります。
▶① 高い信託報酬
▶② 目下、好調なリート
利益確定理由①高い信託報酬
明治安田アセットマネジメント株式会社の「交付目論見書」を確認しますと、信託報酬は税込で0.99%です。(実質コスト1.19%)
私は投資信託やETFは「徹底的に保有コストにこだわるべき」という考えであり、信託報酬が0.5%以上の投信は、投資対象から外して良いと思います。(レバレッジ型は倍率分を除して考える必要があるので、レバレッジ型は除きます)
たとえば当該ファンドの信託報酬は0.99%ということで、単純に単利計算でも10年間で9.9%はリターンが毀損します。
このように、信託報酬が1%近くあると、保有期間が長期にわたるほど結構なリターンが毀損されるので、複利効果を期待した長期投資志向であれば、なおさら納得感が醸成されづらいです。
もちろん個別リートに投資して、その売買回数を増やしてしまうと、結果的に当該ファンドのコストを上回る売買コストがかかるケースも考えられますが、それはまだ自分で売買したことによる納得感があります。
納得感というのは非常に主観的な尺度で測られるものですから、人によっては「この信託報酬は相応なコストである」と納得した上で、投資するのであれば、それもそれで1つの形だと思います。
利益確定理由②目下、好調なリート市場
リートは10月の一時期より調整したものの、依然として相当好調です。
経費率の高い投資信託を解約する際、元本を大きく毀損した投資口価格の場合は「上がるまで辛抱する」という選択肢も出てこなくはないですが、目下好調であるリートならばほとんどの場合において投資口価格を市場価格が上回っているでしょうから、その心配もありません。
ですから、現在の状況においては、当該ファンドは解約はしやすい状況です。
ただ、ではその解約した資金をどこに投じるのかは、少し悩ましい問題でもあります。
市場全体という観点では、米国株に大きく投じるには躊躇する高値圏ですし、日本株が今の水準から大きく上値を望めるかも果たしてどうでしょうかというところ。
ゆえにポートフォリオの一部、当該ファンドに投じている額の半分程度を利益確定して現金比率を少し高める形にするのも一案と思います。
私なら全て利益確定して、しばらく株式やリートの買いタイミングをうかがいます。背景には、やはり①で挙げた高い保有コストを避けたいからです。
【リート王】明治安田Jリート戦略ファンドの特徴
一応当該ファンド(愛称はリート王との由)の特徴を端的に挙げておきます。
- 東証REIT指数よりも好成績
- 相場局面に応じてリート比率調整
- オフィスリート主体
東証REIT指数とのリターン比較
リート王 | 東証REIT指数 | |
トータルリターン1年 | 31.83% | 28.58% |
トータルリターン3年(年率) | 12.41% | 7.92% |
トータルリターン5年(年率) | 9.47% | 5.51% |
(出所:モーニングスター)
相場局面に応じてリート比率調整
割高感が強まるに連れて、リート組入れ比率を落とし、割安感強まるに連れ、リート比率を上げる形。
オフィスリート主体
2019年6月18日期末時点での組入れ上位5銘柄は、
- 日本ビルファンド投資法人(以降投資法人省略)
- 野村不動産
- 日本プロロジス
- オリックス
- ジャパンリアルエステイト
と続き、概して比較的メジャーなリートが占めます。オフィスが50%台、次いで商業施設系で30%台を占める形。
【リート王】明治安田Jリート戦略ファンドの投資是非まとめ
ということで、まとめますと、以下2案が想定できます。
- 高い信託報酬を認識の上、指数上回るリターンに今後もBETする形で保有継続
- 高い信託報酬を嫌気し、一部または全て利益確定
私は保有コストには徹底的に拘りたいので、②を選びます。ただ、個々人の好みや方針によって、①を選ぶ形も考えられそうですね。
いずれにしても、投資信託を選ぶ際は、必ず保有コスト(信託報酬・経費率)や売買手数料を徹底的にチェックしましょう。
信託報酬が0.5%以上のものは、高いという認識で良いと思います。(レバレッジ型は先に記載の通り除きます)
Best wishes to everyone!
信託報酬という観点ですと、以下2つの投資信託が圧倒的に低コストです。
投資信託関連としては、ジュニアNISAの対象商品を選ぶ場面が挙げられます。
投資信託とETF、各々特徴があります。私は投資信託とETFなら、ETFを選好します。