お子さんを授かった方から、「子供のための貯金」を形成する上での方策についてのご質問を頂きましたので、以下回答申し上げます。
ジュニアNISAでこども貯金。おすすめ商品と、注意点。
題名: 子供の貯金について
メッセージ本文:
初めてのメッセージで恐れ入ります。
大学の友人より三菱サラリーマンさんのHPを、教えてもらい配当重視で株へ投資し、アーリーリタイア、もしくは給料への依存から解放されて仕事をしていくことを目指しているものです。
早速で恐縮ですがご相談したいのは「こどもの貯金」です。
昨年、めでたく娘を一人、授かりました。
初めての子供で溺愛しています。
そんな娘に出産祝い、子供手当てなど色々とお金が入ってきます。
頂いたお金は全て彼女が大人になって必要となるタイミングで返そうと考えているのですが、さて、そのお金の置き場で色々考えを巡らせております。
馬鹿正直に銀行に溜めていくのか、ジュニアニーサで溜めていくのか、はたまた全く別の場所に置いておくのが良いのか。
今のところざっと100万程度あります。
今、考えているのは30-50万は、すぐ引き出せるよう銀行に預けて残りはジュニアニーサにしようと考えてるのですが三菱サラリーマンさんの考えがあれば是非教えて頂きたいです。また、もしジュニアニーサにする場合、どのタイミングで預けるのが良いか相談させてください。今、このタイミングなのかもう少し先、リセッションが起きるまで辛抱強く待つべきか。
どうぞよろしくお願い致します。
ご出産、誠におめでとうございます。
結論から申し上げますと、長期目線で銀行に溜めておくのは絶対におすすめできません。現行金融政策では金利収入はないに等しく、まさに死に金となってしまいます。特殊事情がない限り、必要以上の資金を長期的に銀行に置いておく有意性は見出せないのが日本の長短金利環境を巡る現状です。
ジュニアNISAという選択肢を既に考えてらっしゃること、先進的です。お子さんが18歳になるまで払出できないという制限が気にならなければ、ジュニアNISAの一手で良いです。
ジュニアNISAの概要と非課税メリット
ジュニアNISAの概要を示します。昨年ご出産ということは、お子さんが2024年以降に20歳になるケースに該当するので、下図が参考になると思います。(出所:東海東京証券)
非課税対象 | 株式・投資信託等の配当金・分配金・譲渡益 |
非課税投資枠 | 上限80万円/年(5年で最大400万円) |
非課税期間 | 最長5年間(*) |
投資可能期間 | 2016年~2023年(*) |
払出し | 18歳まで払出し制限あり |
* …2023年12月末以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、20歳になるまで引き続き非課税で保有可能。(上表:金融庁から一部抜粋・調整)
1年あたりの非課税投資枠は80万円で、5年間で最大400万円なので、余裕資金が最大100万円であれば、非課税枠内に収まります。
ジュニアNISAの注意点
①資金拘束
ジュニアNISAのネックポイントを挙げるとすれば、冒頭に述べた通り、18歳まで払出不可という資金拘束です。この点に支障なければ、ジュニアNISAでOKです。
②時間分散
しっかり時間分散しましょう。じっくり5年かけて時間分散しても良いぐらいです。
合計90万円を投じるのであれば、毎月1.5万円を5年かけて投資する形で高値掴みのリスクを低減しましょう。お子さんが成人されるまで20年あります。投資期間は長く取れます、焦る必要はありません。
特に、現在米国株式市場は高値圏です。今後1-2年で一気に資金を投じるのはおすすめできません。
③投資対象
信託報酬に代表される維持コストが安く、長期的に成長が見込める投資対象にすることが鉄則です。
その条件に照らし合わせると、具体的には以下2商品であれば問題ないでしょう。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- eMAXIS Slim 米国株式 S&P500
米国の覇権に懐疑的な方であれば、以下2商品で全世界に分散投資する形で良いです。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
上述4商品は信託報酬が0.15~0.23%の低コスト商品です。そして、米国/全世界という今後も成長が見込める投資対象です。
ジュニアNISAおすすめ商品と注意点まとめ
お子さんのための資産形成として、ジュニアNISAは悪くありません。1点気になるのは資金拘束期間があることですね。
資金拘束期間が好ましくない方は、課税口座でこちらも5年ほどかけてご紹介した投資信託に淡々と積み立てる形をおすすめします。
それにしてもこのような制度が出来たという意味で、良い時代になりました。親御さんがジュニアNISAで適切に運用してきたか否かで、お子さんの資金面での将来の選択肢は大きく変わってくるでしょう。
私は高校・大学の時に奨学金を借りていたぐらいなので、ちょっぴり羨ましいです(笑)
末筆ながらアーリーリタイアへの夢、応援しています。何かございましたら遠慮なくお問い合わせフォームよりご連絡ください。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
一般NISA・つみたてNISAについては、以下記事をご参考に供します。
3種のNISAに関する活用法の一例です。
コメント
初めまして、米国株初心者のよだかと申します。
最近産まれた子供のお祝い金をジュニアNISAで運用計画中、というとても他人事とは思えない内容だったので(私は男の子ですが)、書き込みをさせていただきます。
私も分配金のことについて頭を悩ませたので投資信託を考えましたが、やはり価格が決まるのが一日に一回、という仕組みがいまいち好きになれなかったので、QQQ一択で考えています。直近の配当利回りは1%を切っており、これなら価値の毀損は少なく、かつ18年後の高リターンを狙えるのかな、と考えております。