【HII】2019年3Q決算で株価急騰、ジョージ・ワシントン入渠に見る同社の特長

先日20%の増配がなされた、米艦船建造大手ハンティントン・インガールス・インダストリーズ【HII】の2019年第三四半期決算が発表されました。

予想を上回る決算を受け、11月7日付の株価は前日比+7.03%の$250.45と急騰。以下決算内容を確認します。

【HII】2019年3Q決算で株価急騰、ジョージ・ワシントン入渠に見る同社の特長

HIIの2019年3Q決算の注目ポイントは以下の通り。

▶予想上回るEPS

▶受注残高392億ドルと大幅増(前年期末230億ドル)

▶キャッシュフローQ2より良化

▶発行済み株式数は順調に減少

▶原子力空母George Washington出渠

①予想上回るEPS・売上高

Q1・Q2で予想を大きく下回っていたEPSですが、Q3では予想を上回りました。

実績 予想
EPS $3.74 + $0.11
売上高 $2.22B + $18.81M

Technical Solutions部門の受注増、およびNewport News造船所の取り扱い増が主因です。

尚、同社セグメント(部門)内容については、以下再掲しておきます。

HII – セグメント
  1. ニューポート・ニューズ造船所(Newport News)
    原子力空母・原子力潜水艦の建造、点検修理、メンテナンス
  2. インガルス造船所(Ingalls)
    イージス艦・上陸作戦用輸送揚陸艦・多目的両用強襲艦・沿岸警備隊監視船の建造
  3. Technical Solution部門
    ITや船隊整備の他に設計・シミュレーション・ソフトウェア原子力・非原子力製品の機器修理船舶工学・船舶整備生化学・原子力・放射線工学サイバーセキュリティ・IT

ちなみに、注目トピックとして、Newport News造船所にて以下2つの事象があります。

米海軍航空母艦ジョンFケネディ (CVN79) 」建造中、完成進捗度96%、2020年に就役予定。

原子力空母「ジョージ・ワシントン(USS George Washington, CVN-73)」がドック作業を終え出渠。

後述の通り、これらが同社の太い商売の象徴と言えるのではないかと思います。

②受注残高大幅増

HIIは今年に入り、2隻の空母を受注、更に9月に国防総省から170億ドルの「a wide range of analytic and operational support services」契約を成約したことを発表するなど、受注残高が今年に入り大幅増。

・207億ドル(2016年)

・214億ドル(2017年)

・230億ドル(2018年)

・392億ドル(2019年3Q)

防衛予算が大幅に削減されない限り、視界良好を期待させる数字ではあります。

③キャッシュフロー

ご覧の通り、2019年Q1~Q3においてフリーキャッシュフローはかろうじてプラスと微妙に見えます。キャッシュフロー計算書を見る限り、運転資本の増減に起因。

ただ、同社は2018年も同様の理由で第三四半期まで営業CFすらマイナスで、最後に大きく盛り返して例年値に戻っています。Q4に大きく営業キャッシュフローを乗せる傾向。そのため、Q4を見てみないと何とも言えないところと思います。

今年2019年は、2018年ほど自社株買いは多くありません。というか、2018年が74億ドルと異様に自社株買いが多い年でした。

④自社株買いにより発行済み株式数は順調に減少

2019年は3Q時点で4,120万株。前年4,330万株から更に減少。自社株買いが旺盛な結果、2012年比で20%も発行済み株式数が減少しています。

更に、今後の見通しとしては、2022年10月末から2年間にわたり、32億ドルの自社株買いがアナウンスされています。(2019年11月時点)

⑤原子力空母George Washington出渠

個人的な注目トピックとして、米海軍の原子力航空母艦ジョージ・ワシントン(USS George Washington, CVN-73)のドック作業が終了したことにあります。

なぜこれが注目かと言うと、こういった保守・点検事業こそが同社の安定的な売上を象徴する事象に思えるからです。

どういうことかと言うと、そもそも船舶というのは、少なくとも商用船舶(以下商船)に関しては、定期的に入渠することが必要です。

入渠とは
入渠とは、「Dock/ドック」や「Drydock/ドック」とも呼ばれ、要は陸上の入渠専用スペースに入って、水抜きをして、定期的に検査や整備をすることです。自動車の車検と同じイメージでOKです。具体的には船底ペイントの塗布や機器整備、エンジン等の点検など。

入渠して、定期検査(SS:Special Survey、5年ごとに要実施)や、中間検査(IS:Intermediate Survey、SSの間に実施)を実施することが、当該船舶を継続的に運航する上での要件です。

つまり船舶を運用する以上、必ずこの需要が生まれます。軍用船舶に関しても同様で、たとえば海上自衛隊も5年に1度、定期検査(SS)が行われますし、米国の艦船もやはり定期点検が実施されます。

このように艦船には定期的に入渠して点検が必要なわけですが、この実施場所がハンティントン・インガールス・インダストリーズ【HII】の中核部門である「Newport News Shipbuilding造船所」で実施されます。本決算時に発表された原子力空母ジョージ・ワシントンの出渠はその一例です。

【HII】2019年3Q決算まとめ

ということで、本決算まとめますと以下通りです。

▶予想上回るEPS

▶受注残高392億ドルと大幅増(前年期末230億ドル)

▶キャッシュフローQ2より良化、Q4注目

▶発行済み株式数は順調に減少

▶原子力空母George Washington出渠に見る保守・点検のストック型ビジネス

地味に期待していた銘柄ですが、この半年間ほど株価は一進一退でPERも低いままという状態でした。

しかしここでやっと進水・発進と果たしてなるのか、注目のワイドモート企業と言えそうです。

ポートフォリオに加えるにおすすめできる銘柄のひとつですが、株価は上昇気味です。

ウォッチリストには加えておいても良いかと思います。

Best wishes to everyone!

HIIの銘柄分析については、以下記事にて詳述しています。

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公開日:2019年11月9日