【MO銘柄分析】アルトリアグループ、連続増配50年の高配当な配当王

アルトリア・グループ【MO】は、三菱サラリーマンが約43,000ドル投資しているタバコ株です。

たばこ株には逆風が吹き荒れており、

  1. たばこ販売数量の減少
  2. 米当局FDAによる規制リスク
  3. 健康リスク

など、売りに売られ、2019年9月18日時点の株価は直近高値77ドルから50%近い暴落、配当利回りは夢の8%台に到達しています。

今までは「①たばこ販売数量の減少」が主なリスクでした。しかし昨今はそれに加え、財務悪化覚悟で128億ドルも費やして出資したJUULの販売する電子たばこが、呼吸器系疾患を誘発しているとの疑念が取り沙汰され、米当局FDAによるJUULに対する調査が引続きなされています。

これによる最悪シナリオはJUULの販売する電子たばこの全州販売禁止です。その場合、巨額を費やしたJUUL出資は期待した効果をあげられないことになります。既にニューヨークやカリフォルニア州で禁止の動きが見られます。疾患リスクが確認されれば、相応の措置がなされるのは当然と言えそうです。

この甚大なリスクが今の株価に如実に表れています。配当王の終わりの始まりなのか、夜明け前の暗闇なのか、といったところでしょうか。尚、現時点でキャッシュフローに大きな変化は見られません。

【MO銘柄分析】アルトリアグループ、たばこ事業の逆風にもがく高配当な配当王

【MO】基礎データ

MOの基本情報は以下の通り(2019年8月23日時点)。

社名(和文) アルトリア・グループ
社名 Altria Group Inc
ティッカー MO
設立日 1985年3月
本社所在地 米国・バージニア州
従業員数 8,300人
セクター 一般消費財
連続増配年数 50年
直近配当利回り 8.1%
直近4年平均配当利回り 4.5%
直近3年平均増配率(年率) 11.4%
直近5年平均増配率(年率) 10.3%
配当支払月 1, 4, 7, 10
1株配当 $3.36
1株調整後利益 $4.18
配当性向(調整後EPSベース) 80.4%
PER(調整後EPSベース) 10.2倍
株価 $40.84

連続増配年数は50年に到達し、配当王となりました。2019年8月23日に発表された増配率は5%に留まり、直近5年間に比べ低調な増配率です。

「調整後EPSの8割を配当支払に充てる」という同社配当政策に則った数字という意味では妥当な数字です。逆に言えば、EPSの増加率が例年より低かったとも言えます。

電子たばこも結局健康リスクが顕在化したりと様々な懸念が付き纏う同社ですが、地味に配当再投資は続けていきたいと思います。

【MO】セグメント別売上高

一目瞭然で、たばこ事業と非たばこ事業という2つのセグメントのうち、たばこ事業が全体の売上高の9割を占めます。

非たばこ事業の売上高は微増してはいますが、たばこ事業の売上高低下を補い切れていない状況です。

【MO】たばこ出荷数の推移

全体としてたばこの販売数/出荷数が漸減しています。出荷本数のうち9割を占めるのは、トップブランドであるマルボロ(Marlboro)です。販売本数の減少を、値上げで補う構図が続いてきました。

Marlboroが米国のたばこ小売シェアのうち実に43%を占める同社主力ブランドであってきました。

【MO】売上高・営業利益・純利益

MOの業績推移(①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージン)を見てみましょう。

会計上の営業利益は堅調に見えますが、売上高は先述の通り頭打ち状態が続いています。

直近は販売数量減の幅が年間5%程度と以前の3%程度より大きくなってきており、そのあたりも不人気銘柄に拍車がかかっている一因でしょう。

【MO】株価と配当利回り推移(過去10年)

過去10年間における平均配当利回りは5.2%です。直近の配当利回りは平均値を大きく上回ります。

株価は2017年まで右肩上がりで非常に高いパフォーマンスを残してきましたが、2018年から凋落傾向。2017年の高値から40%も下落しました。

株価の下落および増配に伴い、配当利回りは9年ぶりの8%台に乗せてきています。

【MO】株価と配当利回り推移(過去5年)

過去5年間の平均配当利回りは4.3%です。

この5年間で株価は行ってこいの横ばい、配当利回りが7%に達したのは2018年末の市場全体の暴落と、直近の2回のみです。

2019年9月18日時点ではそこから更に上昇し、配当利回りは夢の8%台に達しています。

【MO】配当金と配当利回り推移

今までは順調に増配を継続中。ただし直近増配率は5%とやや落ち込み気味です。

【MO】キャッシュフロー推移

①営業キャッシュフロー・②投資キャッシュフロー・③フリーキャッシュフロー・④営業CFマージンを見てみましょう。

たばこ銘柄ゆえ、装置産業と異なり多額の設備投資は不要で、投資支出は非常に少ないことが表れています。

ただ高増配率が続いてきたこともあり、配当支払額は相応に大きくなってきていることが次の「主なキャッシュフロー増減」で見えてきます。

【MO】フリーキャッシュフロー・配当支払額・自社株買い・債務増減・配当性向(FCFベース)

・毎年自社株買い実施。2019年上半期のフリーキャッシュフローは運転資本増減の影響で配当支払額を下回る。

・2017年以降、借入続く。2018年のJUUL出資用に、短期借入128億ドルに加え、クロノス出資のため2019年に更に借入を計上。

これらキャッシュフローは引続き要チェックです。

【MO】借入金推移

128億ドルを投じたJUUL出資により2018年以降、財務は悪化しました。2017年に130億ドルだった借入金は、2019年第二四半期では270億ドルと倍加しました。

DEレシオは2.0と財務優良の基準である1.0を大きく上回り悪化しています。

【MO】配当政策

アルトリア・グループは、調整後EPSの80%を配当支払に充てると宣言しています。それだけ支払っても財務基盤は揺るがなかったわけですが、たばこの将来に対して悲観的な向きもあり、経営陣もそれを見据えて、電子タバコJUULへの出資やマリファナ大手のクロノスに出資しているとも考えられます。

今後の米たばこ市場の動向や、多額の借入による財務悪化などはチェックしておきたいポイントです。

【MO】銘柄分析まとめ

たばこ株に対する市場の見方は2018年・2019年は悲観的だった上にJUULの電子たばこによる健康被害・当局規制リスクが更なる売りを呼んでいます。

電子タバコに対する規制が実施されたとして、その影響で若年層ユーザーが電子たばこから紙巻きたばこ(MOのマルボロが43%のシェア握る)に回帰する動きとなったとしても、米国当局FDAの紙巻きたばこに対する規制が強くなる可能性もあります。

三菱サラリーマン的には既にポートフォリオの5%以上を投じており、ここから保有比率の引き上げには動きづらい数字ですが、今の株価水準はさすがに配当金を原資とした地味な少額買い増しだけは続けたいと思います。

Best wishes to everyone!

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公開日:2019年8月25日