2019年10月リフィニティブの発表によれば、米企業業績が2020年に入り依然堅調。具体的には2020年において+11.1%と2桁の増益見通しである旨発表されました。
※尚、リフィニティブとは旧トムソン・ロイターの金融部門、でブラックストーンが出資して社名変更した企業。
この2020年の増益率は、2019年の+1.5%を大幅に上回る値であり、株価の裏付けとなる利益が高水準で推移する場合、株価も堅調であることが予想されます。
米国企業業績、2020年に2桁増益予想と依然堅調見通し
下表・下図はS&P500全体における2019年・2020年における各四半期ごとの増益率実績および増益率予想です。(2019年1Q・2Qは実績値、それ以降はリフィニティブ予想値)
2019年 | 2020年 | ||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 1Q | 2Q | 3Q | |
S&P500増益率 | +1.6% | +3.2% | -3.1% | +3.6% | +8.4% | +8.8% | +13.8% |
足もと2019年3Q予想は-3.1%と悪化も、2020年にかけては増益率は勢いを増していく見通しとなっています。
特にエネルギーセクターが2020年のセクター別増益率トップ(+29.8%)の見通しとなっており、いよいよエクソンモービル・ロイヤルダッチシェル・BPなどの石油メジャー勢の株価反発となるのか大注目というところです。
株価の裏付けである利益成長が堅調であれば、株価もバリュエーションの悪化がない限り(=PER一定とした場合)は、堅調が予想されます。
ISM製造業指数以外は堅調、米FRBの金融政策も追い風
2019年央から年末にかけ、米ISM製造業指数が大幅に下振れ、4か月連続の節目50割れを受け、米景気後退が強く意識され、株式市場も一時調整しました。
一方、下図の通り米ISM非製造業指数は依然として50を割れておらず、過去2012年・2015年と同じ状況です。

「米ISM製造業指数・非製造業指数」と「景気後退」の関係(網掛け部分は景気後退期)
2012年・2015年ともにISM製造業指数は50割れとなる一方、非製造業指数は50割れとはならず、結局その後S&P500は堅調を維持しました。
また、依然として労働市場は巡航速度を上回る堅調さであり、更に既報の通り米FRBによる利下げで金融環境はやや緩和状態、バランスシート再拡大ということで、市場には追い風です。
景気拡大期は後期に差し掛かっており、リセッションを意識する局面ながら、株式を持たざるリスクも意識される微妙な展開が続いていると言えそうです。
ただしあくまで見通しなので、下方修正される余地あることには留意必要と思います。
Best wishes to everyone!
ISM非製造業指数が50をいつ割り込むのか、要注目と思います。
信用スプレッドは投資家心理を確認する際に有用です。
FRBのバランスシート拡大とS&P500の推移には正の相関性が見られます。