【WBK銘柄分析】ウエストパック銀行は配当6%の高配当豪州銀行

【WBK】ウエストパック銀行とは?

WBKは三菱サラリーマンが2万ドル弱を投資している、日本でいうメガバンクのような位置づけのオーストラリアの銀行です。

オーストラリアの四大市中銀行(ナショナルオーストラリア銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行)の一つで、本店はシドニー。

1817年設立のニューサウスウエールズ銀行に起源を持つのでちょうど200年の歴史を持つことになります。

豪州以外にもNZ、フィジー、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツ、シンガポール、香港、中国、インドネシア等に展開しています。

世界有力企業ランキング76位(Forbes)

日本では馴染みのない同社ですが、Forbesから2017年に発表された世界有力企業ランキングでは以下の通り、米ボーイングやホンダと肩を並べています。

【WBK】ウエストパック銀行の各種データ

【WBK】基礎データ

社名(和文) ウエストパック銀行
社名 Westpac Banking Corp
ティッカー WBK
設立日 1850年
本社所在地 豪州ニューサウスウェールズ州
従業員数 36,373人
セクター 金融
連続増配年数 2年(2013年特別配当を除けば10年)
配当利回り 6.6%
直近5年平均配当利回り 6.1%
直近3年平均増配率 0.5%
直近5年平均増配率 -3.1%
配当月 1, 7
1株配当 $1.32
1株調整後利益 $1.44
配当性向(調整後EPSベース) 91.7%
PER(調整後EPSベース) 13.7倍
株価(2019/7/29時点) $19.79

(※連続増配年数・増配率のみAUDベース、他EPS・DPS等はUSDベース)

WBKはリーマンショック後は特別配当を除けば2019年まで増配または減配なしを維持していますが、リーマンショックの際に豪ドルベースで22%減配しています。

銀行という業態上、信用収縮を源泉とした金融危機には脆弱です。今後も金融危機やリセッションによる減配リスクはある程度覚悟しておいた方が良いでしょう。

一方配当利回りは高く、配当性向も高いという状況です。主力にするのは勧められませんが、ポートフォリオの一角を占めるには悪くない銘柄と考えます。

【WBK】株価と配当利回り推移

2007年以降

2007年以降の平均配当利回りは6.1%と伝統的に高いです。

リーマンショックでは銀行株も売られに売られましたから、30ドル近傍から10ドル以下まで叩き売られた結果、配当利回りは2008年11月20日に13.8%まで高騰しました。

当時株価は9.098ドルです。この辺まで下がり得ると頭に入れておきたいですね。

下図は直近5年間の株価と配当利回りの推移です。

2014年以降

過去5年間の配当利回りは概ね5~8%で推移しています。

こうして見ると、昨年半ばから年末にかけて17ドル前後で低迷していた時期が、絶好の買い場だったことがわかります。

個別株では「こういう局面で躊躇なく買えるか」というのが1つのポイントになりそうですね。

【WBK】配当と為替レート(AUD/USD)推移

WBKは豪州の銀行ですので、売上も配当も豪ドル(AUD)建てが基準になります。

上図の通り、リーマンショックによる減配の影響を除くと、1株配当は為替レートAUD/USDに概ね連動しており、豪ドル/米ドルの為替レートに大きく影響されていることがわかります。

【WBK】業績推移

売上高は右肩上がり、純利益も堅調です。

営業CFも後述しますが、銀行という業態上、波があります。

【WBK】キャッシュフロー推移

キャッシュフローは不安定です。

ただ、そもそも銀行という業態を考えるに、営業キャッシュフローがマイナスであるからといって、本業でキャッシュを稼げていないわけではありません。

銀行の営業CFは、預金や貸付金の増減も変動要因となるため、限定的な参考値となります。

デリバティブを含む有価証券の取得・売却・償還などでもキャッシュフローがブレますから、CFがブレるのは、業態ゆえの特徴と言えます。

豪州経済をめぐるマクロ環境

豪州経済が引続き堅調に推移しています。「リセッション入りしない期間」が110四半期連続で更新されました。これは現時点で世界において最長不倒の記録です。

リセッションの定義は国によって異なるものの、一般的には「2四半期連続して前期比マイナス成長」となることを指します。

実際に下図 [オーストラリアGDP成長率推移] を見て頂くとわかりますが、

オーストラリアGDP成長率推移

過去20年間で4回マイナス成長を記録しているものの、1四半期のみに留まっているため、一般的に言うリセッションという概念には含まれません。

約30年にわたり成長が継続していることがわかります。背景には、後述する「人口増加」があるのは間違いないでしょう。

高い人口増加率

下表は国連データに基づき、2016年・2060年における人口変化見通しと人口増減率をGDP順に表したものです。

豪州は他の先進国に比べ、人口の絶対規模自体は2500万人程度と多くありませんが、その増加率は1位であり、50%と突出しています。(ピンク色の増減率をご参照)

先進国は軒並み人口が減少する見通しの中、米国と豪州が気を吐いている形です。特に豪州は-30%の日本とは対照的な高い増加率見通しとなっています。

人口は経済規模の源泉であり、人口増加率は経済成長の源泉になり得ます。基本的に人口ボーナス期に高い経済成長率を記録し、人口オーナス期には低迷する傾向がありますね。

人口増に支えられた堅調な経済

下表は2016年までの豪州の人口推移です。

オーストラリアの人口推移(出所:国連)

上図の通り移民流入による人口増が経済成長に寄与しています。やはり経済の総体的な力強さというのは人口増が基盤となります。

先進国の経済成長率(出所:JP Morgan Guide to the Markets)

2012-2018年の先進各国GDP成長率です。他の先進国と比べても、豪州の堅調さは一目瞭然。

各国・地域の株式予想配当利回り 2018年(出所:JP Morgan Guide to the Markets)

上図の通り、豪州株式全体として配当利回りは高い傾向があります。

豪州の政策金利は未だ下げ余地あり、銀行の収益の源泉となる利ざやは確保可能

上図は先進各国の2011~2018年における政策金利の推移です。

オーストラリアは先進国で数少ない、非伝統的な金融緩和に頼らずに経済運営がなされている国でもあります。

政策金利は日米欧など他の先進国より高く、銀行の伝統的収益源となる貸し出し利ざやは確保可能な状況です。豪州の銀行においては貸し出し利ざやの縮小による本業での収益性低下リスクは他国よりは相対的に低いと言えます。

【WBK】権利落ち日・配当支払い日・配当額

WBKは1月・7月の半期配当です。

配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
5/15/2019 5/16/2019 7/5/2019 0.6518
11/9/2018 11/13/2018 12/31/2018 0.6678
5/16/2018 5/17/2018 7/16/2018 0.6927
11/10/2017 11/13/2017 1/2/2018 0.7242
5/16/2017 5/18/2017 7/14/2017 0.7126
11/15/2016 11/14/2016 1/3/2017 0.6775
5/10/2016 5/12/2016 7/14/2016 0.7014
11/12/2015 11/16/2015 12/31/2015 0.6729
5/12/2015 5/14/2015 7/13/2015 0.7065
11/6/2014 11/10/2014 12/29/2014 0.7476
5/13/2014 5/15/2014 7/14/2014 0.8491

WBKはADR(米国預託証券)としてNYSEに上場

ADR(米国預託証券)とは、American Depositry Receiptの略称。もともと米国の投資家向けに米国以外の企業に自国通貨(ドル建て)で投資できるように作られたもの。外国企業の株式を信託銀行などの預託機関(シティバンク、ドイツ銀行、JPモルガン等)に預け、これを担保にADRという証券を発行し、通常の米国株式と同様に米国市場で売買可能に。

今や日本の証券会社から米国市場へのアクセスは容易になっているので、米国市場のADRを通じて、英国や豪州などの企業に投資できるわけです。

そしてWBKはADRであり、米国での税金が課税されない為、日本の源泉徴収約20%さえ払えば良いので、日本の個人投資家にとっては米国で二重課税される米国本土企業の銘柄に比べて源泉徴収税の負担は小さいです。

確定申告で二重課税分は取り戻すことができますが、セミリタイア後の確定申告による国民健康保険料等のコストアップを考慮すると、やはりADRという税制面でメリットのある企業は魅力的なのです。

まとめ

WBKの魅力は何といっても、概ね5~8%の高配当利回りと、豪州という良好なマクロ環境を背景とした潜在成長性と言えます。

現時点では2万ドル以上を投じる予定はありませんが、ポートフォリオの一角を占めるに十分に値する銀行だと思っています。

Best wishes to everyone!

WBKが利ザヤ縮小により、株価が下落していることに関して詳述したものです。配当利回りは7%に達しています。

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公開日:2017年5月27日

コメント

  1. […] 銘柄分析については自身でも記事にしたいと思いますが、今回は横着して三菱サラリーマンさんやHiroさんの記事を拝借いたします。 […]