レイ・ダリオの全天候型ポートフォリオはリセッションを控えた局面で、有用であった

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レイ・ダリオの全天候型ポートフォリオはリセッションを控えた局面で、有用性を見込めた1つの形

リセッションや調整局面はいつ来てもおかしくないですね。レイ・ダリオの全天候型ポートフォリオに関して、以下記しています。

ご質問

はじめまして、私は北陸地方に住む52歳の男性です。

金融資産はほぼ定期預金と普通預金で約3800万円ほどです。

仕事は林業です。「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」のような生活です。この仕事について25年ほどになります。

15年ほど前に少し国内株式を運用しましたが、精神的なコストと実質的なリターンのバランスの相違から高配当の銘柄少しを残し、市場からは距離を置きました。

最近になって再び投資に興味を持ち、投資関係の本やブログを読み漁っています。感銘を受けた本は「株式投資の未来」・「世界のエリート投資家は何を考えているのか」・「ウォール街のランダムウォーカー」・「お金は寝かせて増やしなさい」などです。

三菱サラリーマン様のブログを知ったのは最近ですが、「自分がいかにダラダラと人生を過ごしてきたか」と感じてしまいました。

願わくば、三菱サラリーマン様はこれからも自分の人生の為にベストを尽くしながら、周囲を幸せにして頂けたらと思います。

さて、三菱サラリーマン様にお願いがあるのですが、「レイ・ダリオのポートフィリオ」についてのご見解を教えて下さらないでしょうか?

株式市場のリターンは認めつつも、リスクを恐れて投資にためらう人は多くいると思います。そういった人々が投資に足を踏み出すステップとして、

1)堅牢なポートフィリオ

2)配当重視の株式(ETF)投資

3)分散投資(時間・地域・セクター)

などがあると考えています。

「世界のエリート投資家は何を考えているのか」で知った「レイ・ダリオのポートフィリオ」は以下の通りです。

  • 金            :7.5%
  • コモディティ  :7.5%
  • 米国株式      :30%
  • 短期米国債    :15%
  • 長期米国債    :40%

コモディティのリターンは近年非常に悪いので、コモディティを金に置き換えた場合は以下の通りです。

「レイ・ダリオのポートフィリオ改」

  • 金            :15%
  • 米国株式      :30%
  • 短期米国債    :15%
  • 長期米国債    :40%

バックテスト・ポートフォリオで、様々な年代を試した結果でも「レイ・ダリオのポートフィリオ(改含む)」は私的に非常に優秀な結果を収めました。

自分でも10万円程度の少額でそれに近いポートフィリオを購入しています。

本当に宜しければですが、この件についてのコメントを頂けると幸いです。

宜しくお願い致します。

私もウッジョブ見ました。自然はやっぱりいいですよね。

リセッションに身構える際、レイ・ダリオのポートフォリオは参考になる構成

さて、レイ・ダリオ氏のオールウェザーポートフォリオについてですが、バックテストで様々な年代で良好なリターンを収めたということで、やはり過去の傾向において一定の有用性のあるポートフォリオなのだろうと思います。

特にリセッションを控えた局面や下落局面に入る前に組んでおくと、その有用性が発揮されると言えそうです(ただ、いつ下落局面に入るかわからないのがネックではあります)。

過去200年間においては、株式・長期米国債・短期米国債・金のリターンを過去比較しますと、伝統的に以下の通りでした。

株式>>>>長期米国債>短期米国債>>金

  • 株式:株式以外=3:7

という比率からもわかる通り、株式相場の下落局面では優位性のある、下落に強いポートフォリオと言えます。まさに「オール・ウェザー(全天候型)のポートフォリオ」です。

なぜなら、

  • 株式リターンがマイナスに陥る局面では、株式の倍近くある債券が、ポートフォリオの痛みを和らげるケースもありますし、
  • リセッションに入ると前後して通例中央銀行による利下げが実施されますが、これにより通常は金利低下・債券価格の上昇が予想され、債券が株式リターンのマイナス分を補う働きが期待できるからです。

特に、この15年間の米国株は本当に好調でした。好調すぎるぐらいです。今後もこの調子が続くという前提で人生計画を立てない方が保守的と思っています。

株式に偏りすぎたポートフォリオでリセッションを迎えることに不安な投資家は、一考の価値ありと思います。

なお、実際にこのようなポートフォリオを作る場合、債券への投資先として有力なのはAGG・BNDなどの米国債券ETFと思います。次点でLQDです。円建てならば弊ブログでおなじみの個人向け国債(10年・変動)でしょう。

LQDはAGG・BNDに比べ分配利回りは1%ほど高いものの、リーマンショック時の下落幅もAGGやBNDに比べ1割ほど大きかったですね。

1点、債券について注意点があります。単にリセッションという事象のみを考えれば、前後に利下げされるケースでは債券は株式と反対の値動きをすることが想定されます。

しかし、仮にインフレ+リセッションということになれば、債券は株式と同様に値下がりするケースが考えられます。債券はインフレには弱いため、その点は留意されておくとよいと思います。

ご参考になりましたら幸いです。

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公開日:2019年8月24日

コメント

  1. 北陸在住50代 より:

    三菱サラリーマン様、ブログでのご回答、本当にありがとうございます。

    三菱サラリーマン様の仰る通り長期的なリターンは株>>>債券です。
    ただ私の年齢は52才であり、65歳にはリタイヤする予定ですので、絶対的なリターンを求めるよりは債券を重視したリスクを抑えた運用が望ましいと考えています。

    もちろん、三菱サラリーマン様のような若い方で、

    1)安定した収入をコストを抑えた生活で投資に回し、
    2)加えて高配当銘柄に分散投資することで、潤沢なキャッシュフローを得る

    事が出来る方は長期的な視点での投資が出来、下落局面も絶好の買い場となりうるため
    株式投資を重点的に行う方が良いのも間違いありません。

    私は現時点では半分の資金は国内の定期預金に置きながら、残り半分をidecoや積立NISA、ジュニアNISAなどを使いながら段階的に投資していきたいと考えています。

    ご提案にあったLQD、AGG・BNDも考慮してポートフィリオをを組んでいこうと思います。
    ご回答本当にありがとうございました。

    さて、

    >ちなみに、お仕事が林業ってめちゃくちゃ素敵ですね。私も登山や森林が大好きなの>で、林業を生業とすることも何度も検討しました。 

    >しかし、イメージかもしれませんが、チェーンソーのような鋭利な機械を扱うのはど>うも腰が引けてしまって、その点がネックで今に至っています(笑)

    お褒めの言葉有難うございます(^▽^) ただ三菱サラリーマン様が危惧されるように、チェンソーは危険な道具ですし、伐倒した木が人に当たったりすると、極めて重大な事故になります。

    けれど、やはり自然を相手にする仕事には独特の魅力があって、色々な理由で一旦はこの仕事から離れても、また戻ってくる人はいますね。

    私もこの仕事を65歳ぐらいまでは続けたいと考えています。
    ただ60歳を過ぎたら週4日程度で働けたら色んな雑事が片付くかな~

    三菱サラリーマン様のブログを見ていると、根が律儀で入力から出力の過程が明瞭かつ合理的なので、上司さんは手放したがらないと感じられます。また目的意識に沿って自律する力が強いので、非常に精神的にパワフルに感じます。

    三菱サラリーマン様の実践されている通り、経済的な基盤があった方が自分の人生に対して選択肢と余裕を持てます。

    そのためには、やはり若い頃から簡素な暮らしをして、収入の何割かを貯金する事が大事です。私の金融資産もほとんどはそうやって年に100-150万ずつ貯めてきて得たお金です。

    余計なお節介かもしれませんが、アーリーリタイヤはひとつの選択肢ですが、
    会社組織自体に限界を感じるのであれば、起業などの選択肢もあるかもしれません。

    いずれにせよ、三菱サラリーマン様と彼女様の末長いご多幸をお祈り申し上げます。

    Long live!!