自社持株優待制度【20%割引】を利用すべきか

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自社持株優待制度【20%割引】を利用すべきか、についてのご相談

ご質問

いつも楽しく拝見しております。

三菱サラリーマン様同様、給与の八割を投資に回してセミリタイアを40代までに達成できればと夢想しております。

さて、現在、自社持株制度で優待の案内が来ており利用すべきかどうご相談したく質問いたしました。

もし良ければ、三菱サラリーマン様からの視点からアドバイスいただければ幸いです。

(質問内容)

持株優待制度を利用すべきかどうか?

三菱サラリーマン様なら、いくら購入するか?

(優待の説明)

  • 参考価格(ある一定期間の平均株価)から20%割引で、株を購入できる。
  • 帳簿上の取得価格は参考価格となる。
  • 20%割引分は給与所得として5月支給の給与から天引きされる。
  • 5年間は解約不可。(退職や住宅購入などは例外とする)

(株価の状況)

  • 過去十数年の株価は、リーマンショックを除きほぼ横ばいです。典型的な大型株の動きをしています。参考価格はちょうどボックスレンジの間あたりになります。
  • 配当利回りは税引き前で参考価格に対して4%程度です。増配はほぼありませんが、減配のリスクも少なそうです。
  • 外国株のため、外国での源泉徴収が配当に対して10%かかります。日本の課税を含めるた30%配当から持っていかれてしまいます。

(購入者の説明)

28歳 男

既婚者 子供なし

世帯年収1000万(夫600万、嫁400万)

総資産2000万(内現金800万)

投資方針は長期保有でSPYやVYMを中心に米国ETF株ばかり購入しています。

長くなりましたが、お時間のあるときにでもアドバイスいただければ幸いです。

ご自身でも要点・概要を掴んでらっしゃるようで、要旨も簡明かつ詳細に頂き、ありがとうございます。

結論から申し上げますと、もし私ならばその持株会に一定程度(ポートフォリオの20%程度が上限か)利用します

まず持株会のメリットとしては以下の通り。

持株会のメリット

①市場価格あるいは参考価格から一定程度割り引いた価格(今回の事例で言えば20%引き)あるいは、

②会社から奨励金が一定程度支給される。

そのため、普通に市場で一般的に買い付けるよりも有利

>>関連記事:社員持株会のメリット・デメリット|三菱自社株を全株売却、利益確定

対して、持株会のデメリットは以下の通り。

持株会のデメリット

ポートフォリオに占める割合が大きいと、ただでさえ給与という形で会社に経済的に依存しがちなサラリーマンが、株式ポートフォリオまで依存してしまうことになる

>>関連記事:【自社株】社員持株会への集中投資はリスク大

そして、今回の事例でポイントになるのは、以下。

今回の事例のポイント
  • 参考価格(ある一定期間の平均株価)から20%割引で、株式を購入できる。
  • 帳簿上の取得価格は参考価格。
  • 5年間は解約不可。(退職や住宅購入などは例外とする)

→ 5年間の資金拘束にはなりますが5年間という長さ、そして退職や住宅購入が例外なので、人生プランにもよりますが、さほど問題なさそうに私には思えます。

  • 過去十数年の株価は、リーマンショックを除きほぼ横ばい。典型的な大型株の動きをしています。参考価格はちょうどボックスレンジの間あたりになります。
  • 配当利回りは税引き前で参考価格に対して4%程度です。増配はほぼありませんが、減配のリスクも少なそうです。

20%という割引率、そしてやはり減配リスクの少なそうと推察される企業というのは大きなメリットでしょう。

株価もほぼ横ばいで高配当(配当利回り税引前4%)なようなので、景気サイクルの影響を大きく受ける半導体や海運などの業種よりも定期買付には好適です。

逆に、特に海運などの一時期バブルによる株価絶頂期を経て、その後低迷しているような業種で持株会の積立をしていると悲惨です。

株価好調時の積立による取得価格の高さが尾を引き、売るに売れないことになりかねませんし、減配や無配転落も頻発するようでは、10%や20%の奨励金・割引があっても焼け石に水です。

そして回答の冒頭でも述べましたが、やはりポートフォリオを1銘柄に集中させることはおすすめできません。やはりある程度の分散は必要と三菱サラリーマンは考えます。

これはもう「自分で投資対象のリスク性を完全に見極めることは事実上不可能」だからです。

どれだけ財務の知識があって、どれだけ会計の知識があって、どれだけ資産運用の経験があって、どれだけ株式投資がすきだったとしても、ある企業や投資対象のリスクを見極める(例えば業績の悪化や減配の兆候)のは難しいです。

例えば投資の神様とも呼ばれるウォーレンバフェット氏でもクラフトハインツの現状は予想できていなかったわけです。

こういったリスクに有効な対策として挙げられるのが、やはり分散です。その分散を実現する際に有用なのがETFであり、銘柄の分散ですね。

>>関連記事:おすすめの資産運用は、配当金を重視した株式への長期投資

「分散投資は資産が増えず、集中投資の方が短期の資産拡大に向いている」

↑確かにこのような考え方もありますが、これは一部の玄人向けの話です。集中投資は確かに上手くいけば資産拡大に寄与しますが、逆ですと悲惨なことになる「ハイリスク・ハイリターン」な投資手法になり得ますから、その点は留意しておく必要があります。

冒頭の回答で、「私ならば持株会への投資を20%程度を上限」とした理由は次の通りです。

通常なら1銘柄への投資割合はポートフォリオの10%を上限に設定しますが(実際に私は1銘柄の投資額は全体の10%以下としています)減配リスクの少なさ・20%割引というメリットを勘案し、10%引き上げて20%程度としました。

まとめ

私ならばその持株会に一定程度(20%程度が上限か)利用します。

ポイントは以下3点。

ポイント

①株価もほぼ横ばいで高配当(配当利回り税引前4%)且つ減配リスクも低そうという条件ならば、景気サイクルの影響を大きく受ける半導体や海運などの業種よりも定期買付には好適

②参考価格(ある一定期間の平均株価)から20%割引で、株式を購入できるのは大きい。

③とはいえ、分散は必要。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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