「FX長期つみたて」は実際どうなのか。デメリットなどは?
こんにちは。現在FXにてスワップサヤ取りを行っています。
通貨は「ズロチ円を買い、ユーロ円を売り」です。
私は長期的な投資として三菱サラリーマンさんの配当金目的の株式投資に魅力を感じていますが、いわゆるFXのスワップにも魅力を感じています。
FXからは足を洗ったことは存じていますが、スワップ目的の長期積立に対する、三菱サラリーマンさんの見解をお聞きしたいです。
ご質問ありがとうございます。
FX長期積立は、長期になればなるほどオススメできない
「スワップ目的でのFX長期つみたて」に関して結論から申し上げますと、積立期間が長期になればなるほどオススメしません。
理由は複数ありますが、最も端的なものを挙げると以下1点。
まずFXという市場自体はゼロサムゲームですよね。
FX会社は取引する際にスプレッドという形で手数料を徴収します。手数料を考慮すると、実質マイナスサムゲームになります。
「大数の法則」に着目
そして、受験勉強をした方は聞き覚えがあるかと思いますが、「大数の法則」という確率論の定理があります。
大数の法則とは、試行回数が多ければ多い程、事象の出現回数が理論上の値に近づく定理のことです。
どういうことかと言うと、コインは表と裏があり、表が出る確率と裏が出る確率は、理論上は以下の通りですよね。
- 表が出る確率 → 1/2
- 裏が出る確率 → 1/2
しかし例えば、10回コインを投げたケースでは表が5回、裏が5回出るとは限らないですよね。表3回・裏7回となったり、表2回・裏8回なんてことも十分あり得ます。ブレが大きいのです。
つまり、試行回数が少ない(上の例で言うと10回)場合、理論上の確率値に収れんしない(=上の例で言うと、理論上の表5回・裏5回にならない)可能性がその分高いのです。
ところが、1000万回コインを投げた場合。これは想像に難くないと思いますが、さすがに表2万回・裏8万回になる確率はほぼないと言ってよいですね。
つまり、試行回数が多い(例えば1000万回)場合、試行回数が少ない場合(例えば10回)よりも、理論上の確率(表1/2、裏1/2)に近づくのです。
これを「大数の法則」と言います。
「FX」×「大数の法則」= 積極的にはおすすめできない
では、この大数の法則がFXとどう関係あるのかと言うと、冒頭で私は「FXは市場参加者の損益合計がマイナスになるマイナスサムゲームである」と言いました。
つまり、「FXの市場参加者の損益合計は理論上マイナス」です。
もちろん、短期的に大きく利を乗せることは可能です。私も10年以上FXをやっていたので、そのような経験もありますし、逆もあります。
しかしマクロ的に見ると、その利益というのは、いわゆる試行回数が少ない中での「ブレ(以下参照)」に該当します。
例えば、10回コインを投げたケースでは表が5回、裏が5回出るとは限らないですよね。表3回・裏7回となったり、表2回・裏8回なんてことも十分あり得ます。ブレが大きいのです。【本記事の冒頭部分を抜粋】
ここで、FXで長期的に市場参加者として参加しているとどうでしょう。
長期で市場に居座る分、試行回数が増えますから、理論上の期待値である「損益マイナス」にどんどん近づき、収斂していくことになります。
なので、FXの長期積立は個人的にはあまりオススメしません。
もちろん、その他大勢の市場参加者と異なり、長期的に利益を上げ続ける可能性もゼロではないですし、そのような特異な才能をお持ちの方も広い世界の中にはいらっしゃる可能性はありますから、FX全てを否定するものではございません。
ただ、わざわざマイナスサムゲームの市場に居を構えるよりも、プラスサムゲームである株式市場に居を構えた方が、長期的に開ける展望は好ましいものである確率が高いと思います。
Best wishes to everyone!
流動性によるリスクも、時に顕在化するのがFXですね。経験上、この点は株式よりもリスク高いと思います。
トルコリラです。日本の個人投資家に人気ですが、短期目線でのよほどの玄人以外は手出し無用と思います。
コメント
三菱サラリーマン様
いつも楽しく拝読しております。
私も20代の頃から、配当金生活に伴う自由を求めて配当金を重視した投資を行って来ましたので、非常に親近感を覚えております。(当時は橘玲の著書を読み込み、Perpetual Travelerに憧れておりました)
ただ今回の質問と回答が少し違うように思いましたので、僭越かと思いましたが、コメントいたします。(同じようなコメントが他にもあるかもしれません)
質問者様は「長期積立」と仰っておられますので、長期間FXに参戦するにしても、高金利通貨のスワップ狙いですから、売買の回数は比較的少ないように思います。
私自身も3年前から外貨預金替わりのFXをしておりますが、最近の金利の上昇に伴い、悪くないスワップを得ています。ドル円のみ、レバレッジ2倍程度に設定しているので、一瞬にして証拠金が吹き飛ぶ確率はかなり低い(ほぼゼロ!?)かとも見積もっております。典型的なミセスワタナベかもしれません。
ただ、ポーランド円については、ランド円やトルコリラ円と同じように、かなりのリスクを取ってスワップを狙う選択に思えます。(私には取れないリスクですが、、)
三菱サラリーマン様の、高金利通貨のスワップ狙いに対する見解を是非お聞かせいただければと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。