好景気で企業利益や配当は大幅増、一方給料はあまり増えない現実
給与、実感するほど増えていますか。私は疑問符が付きます。
日本は、2017年11月時点で、2012年2月から始まった景気回復局面が、戦後2番目に長い「いざなぎ景気」を超えています。
一方で、以下の通り、一般の消費者にとって景気回復の実感が乏しいとの声。
一方、家計所得についてみると、1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額の伸びは、今回の景気回復局面がスタートした12年11月から足元にかけて1.6%にとどまる。
賃金が上がらない中で一般の消費者にとっては景気回復の「実感が乏しい」との声もある。
(日本経済新聞)
景気回復の実感が乏しいのは当然で、企業利益は伸び、配当金の支払いも増え、企業・株主の懐は温まる一方、人件費が伸びていないからです。
以下財務表のデータを元に、企業利益・配当金・人件費の推移を見てみましょう。
日本企業の利益は高い伸びを示す:54%

上表の通り、日本の景気拡大期に伴い、純利益は着実に伸びています。2013年の45兆円から、2017年には70兆円と絶好調。
この5年間で日本企業の当期純利益は54%も増加しました。
当期純利益が伸びたということは、その分、企業から株主に支払われる配当金の原資である利益剰余金が増えたことにもなります。
それでは配当金の推移を見てみましょう。
配当金支払額も大きく伸長:56%

上表の通り、日本企業の株主に対する配当金支払額も純利益を超える勢いで増加しています。
2013年の18兆円から2017年には28兆円と、過去5年間で56%も急増しています。
つまり、アベノミクスとも呼ばれる直近の景気拡大期において、企業の利益は大きく伸び、配当金支払い額もそれを超える伸びを示したということです。
メディア喧伝の通り、実際に日本企業の収益はこの5年間伸びており、好景気の恩恵をしっかり享受しているということです。
そして、株主も、実際に配当金の増加というキャッシュフローの増大を享受しています。
そして更に、そもそも企業の利益が増大しているということは、その分株主資本が伸長することと同義ですから、株主は企業への株式投資という投資行動を通じて、好況の恩恵をしっかり享受しているということです。
では、企業で働くサラリーマンの受取給与に相当する人件費を見てみましょう。
【給料増えない】人件費(給料)の伸び率は僅か8%

2013年の192兆円に対し、2017年は206兆円と伸びてはいるものの、その伸び率は非常に限定的と言わざるを得ません。
【日本企業】当期純利益・配当金・人件費の伸び率比較(2013-2017)

純利益や配当支払総額の伸び率が各々54%・56%に対し、人件費は僅か8%しか伸びていません。
これが、アベノミクス・好景気が大衆に波及していない現実の一因です。好景気になって企業の利益が伸びても、企業は人件費を上げようとしない側面が垣間見えます。
春闘で、基準内賃金を上げるベアというのは、経営陣にとって非常に大きな決断です。
なぜなら、賃金というのは一旦上げてしまうと、以降下げづらいのです。上げると従業員はもちろん喜びますが、下げる時の反発はそれ以上の振れ幅になりますし、将来にわたって固定費が上昇するわけですから、先行き不透明な現代では余程強気の姿勢や見通しがない限り、経営陣はベースアップに及び腰になりますし、そうなるのも頷けます。
では、どうすれば好景気の恩恵を享受できるのか?
では、私たちはこの構造を嘆き、国や企業の対応を待つしかないのでしょうか。
決してそんなことはありません。「労働者」として給料を受け取るだけでなく、自分も「株主」になって、企業利益の増大と配当金という果実を享受する側に回ればよいのです。
「株高なんて富裕層だけが得をしている」と愚痴っていても、残念ながら状況は好転しませんし、インフレ(物価高)によって現金の価値は目減りしていく一方です。
今現在の自分を規定しているのは過去の自分であり、これからの未来を決めるのは今現在の行動です。社会の仕組みやマクロ経済を憂うよりも、粛々と個々人が対策を講じた方が、よほど現実的で、かつ建設的だと思います。
ありがたいことに、今の日本は新NISAの拡充など、個人が証券投資を始める環境が世界トップレベルに整備されています。ネット証券に口座を開けば、少額からでもすぐに世界の優良企業に投資し、資本家の一歩を踏み出すことができます。
私自身、まだ証券口座の開設すら珍しかった20代の頃から給与を株式に換え続け、配当金を積み上げてきました。その結果、30歳でFIRE(経済的自立)を達成し、今こうして時間に縛られない自由な生活を送れています。あの時、社会の構造に気づき、行動を起こして本当によかったと心から思っています。
投資は決して一攫千金のギャンブルではありません。自分の未来の自由を守るための、防衛策であり強力な武器です。
まずはご自身の価値観を知り、無理のない範囲から、心地よく資産の樹を育てていきましょう。
その一歩が、きっと数十年後のあなたに大きな自由と安心をもたらしてくれるはずです。
Best wishes to everyone!
関連記事
資産形成をする際には、「長期・つみたて・分散」が基本です。長期つみたてはSBI証券の自動積立サービスで可能です。
「長期・つみたて・分散」のうち「分散」については、ETFを購入することで可能です。
資産運用をするか否かでは、数十年後に埋めがたい差が生じ得るというのを示したものです。